リキッドな等級

現代はまだまだソリッドな等級となっています。これに代わる、新しい等級のあり方を示します。


等級の現状


等級とは

等級とは社員のランクを指します。


等級のブーム

等級にはブームがあって、複雑とシンプルが交互に来ています。

  • 1: 典型的なもの。複雑

    • 一般社員 → 主任 → 係長 → 課長 → 部長 → ……

    • 歴史のある大企業では現在でも使われています

  • 2: 小規模向けのもの。シンプル

    • スタッフ → マネージャー → 経営層

    • ベンチャー企業など新たに立ち上がった会社では、しばらく2~4層くらいのシンプルなあり方が続きます

  • 3: 大規模向けのもの。複雑

    • シニア、ディレクター、プレシデントといった横文字が使われがちです

    • 巨大な外資系などから輸入されがちです

  • 4: 汎用的なもの。シンプル

    • バンドで3~5層に分けます

    • ブロードバンディングと呼ばれます

近年はシンプル期であり、ブロードバンディングの導入がよく見られます。


ソリッドという本質

しかし本質は変わっていません。

特定のポジションや役割がまずあって、その範囲で十分な成果や期待を満たしたものだけが昇格するという固定的なあり方になっています。これをソリッド(Solid)な等級と呼びます。


ソリッドな等級の弊害


人事評価が政治的・属人的になる

なぜなら、ソリッドな等級における焦点は「特定のポジションにおける成果や期待」であり、これらは総合的なものだからです。何かを満たせば無条件にクリア、というものではなく、上位者や周囲からの定性的な評価が必ず入ります。

当然ながら透明性を出すこともできません。構造上の限界です。ですので、以前の記事では「じゃんけんで決めればいい」と大胆な提案をしています。

これくらいしかできないのです。ソリッドである限りは総合的になり、総合的であるならば定性的になるので、どうしても恣意的になります。良くても属人的ですし、悪ければ政治的になります。

良い悪いを論じているのではなく、恣意的になるという本質から逃れられないということです。転職サイトを見たことがある方は、評価が(特に上司により)属人的であることへの不満を一度は見たことがあるでしょう。ソリッドゆえの限界です。


多様性が広がらず、融通が利かない

ポジションや役割といった形で専門性が定義されているので健全に見えますが、すでに述べたとおりに、構造的に評価が恣意的になります。当然ながら、評価を行う人達の色が色濃く反映されることになります。

この点は、等級ではなくポジションの観点ですが、以下記事にてお伝えしました。


リキッドな等級

ソリッドな等級に代わる、新しい等級のあり方がリキッドな等級です。

……しかし、現時点でリキッドな等級がこうだ、とはまだ見えていないので、リキッドな等級の例を置いてきます。追々整備していきたいと思います。


ランクド・バッジ。

バッジという単位を使って、オープンな評価を行います。




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