【短歌】テーマ:団体「個人」
団体「個人」
私とはいくつあるものかしら きっとすれ違う人の数だけ
AさんとBさんとCさんと 使い分け使い分け 疲れて眠る夜
夜通し会議 僕と私が喧嘩する だから君はダメなのだと
たくさんの僕も私も己も俺も 一人じゃまとめきれんよ
敵も味方も外だけじゃない 何と我が内にもいたりして無理
朝起きて昨日の自分と比較する今日の私の開演前
ぼくを操舵するわたしへのSOS どうも届いてなさそうだ
今回の作品について
たしかにわたしはいつも私なのですが、
たとえばAさんの前にいる自分、Bさんと過ごしているときの自分、Cさんに何か伝えたいときの自分、意識しているよりも実際にはずっとそれぞれに異なった「わたし」ではないでしょうか。
そうした差異はそのときに欲する結果、相手との関係性や立場によって生じるものだと考えます。
わたしはその「AさんとBさんとCさんの前にいるそれぞれのわたし」がなるべく「それぞれ『似ている≒同じ』わたし」でありたいと、そうした基準で意思決定や行動を行うことを心がけており、大きく言えば人生の目標・目的の1つでもあります。
そうすると、わたしのなかで様々な葛藤が起こります。
「わたし」と「私」と「ぼく」と「僕」と「おれ」などが脳内の会議室を占拠していつも何らかの議論をしているのです。
現実、毎日の生活で手一杯のところに、複数同時進行の自分会議は大変な負担ではありますが、自分自身ですら自らの敵になり得ることが知れましたし、あるひとつの個人であるはずのおのれがなんだかチームを組んだ何者かの集まりであるような錯覚を楽しむことができます。
ゆえに今回の作品群は団体「個人」のテーマでいくつかの短歌を詠んでみました。
わたしについて
これがnoteでの初投稿です。
Xも9月からはじめたばかりなのですが、普段は以下のように細々と毎日3~5首程度、短歌を呟いています。
noteには記載しないものもありますので、ぜひXも覗いていただけると嬉しいです。
たまに詩の真似事のようなことも呟いたりしますが、基本的には31字に魅了されてしまっておりますので、口語自由律短歌を基盤として創作を行っています。
口語自由律短歌については別の方のnoteに非常にわかりやすい説明がありますのでそちらから引用します。
わたしはなるべく31音であることは心がけているのですが、五七五七七の五句や上の句下の句といった区別がないことも多々あります。
内容もそうですが律動、響き、字面なども気にとめつつ、楽しく苦しく詠んでいます。
noteでやりたいこと
Xでは1首ずつポストすることがほとんどですが、
わたしの短歌の作り方として、あるテーマに沿っていくつか詠むことが多くあります。
そこでnoteではテーマ別にまとめたものを1つの記事として投稿していきたく、そのなかにはXで公開済みのものが含まれる場合や、逆にXでは公開していないものを含む場合があります。
また、行く行くは短歌にとどまらず詩や掌編、短編小説などことばを使用した創作を投稿して行ければと考えています。
どなたかの目にとまり、あなたの何らかの感情に触れることができましたら幸いです。
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