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【短歌】2024年9月下旬 題目指定作品


詠んだものと題目

題目:叫び
・立ち上る鉄床雲に白、一閃 しかと聞こえし宙の叫び
題目:好き
・小指の側面、第2関節の上に黒子 子象にみえる 好き
題目:パスタ
・迷惑メールのパスタレシピ試してみるね 知らぬ父ありがとう
題目:怪我
・いつもそう 気がついてから痛み出す 知らぬ間に怪我をしている
・傷口に塩塗るような出来事が今日も起こるしきっと明日も
・瘡蓋を剥がすたんびに浮かぶのは「ああ、もう忘れつつあるんだな」
題目:シール
・剝がれかけのシール もうダメなんだろうなと知りつつ貼り直してみる
・剥いだシールが残した跡 どれだけ擦ったって取れやしないんだ
題目:推し
・金を積むそんな推し方イヤだけどそうしないといなくなるんだよ
・応援が義務になったそのとき、わたしは気がつく 何やってんだと
・でもなんか無条件に好きとなる そういうこともありますわよね
・推し事の悲哀はあるがなんだかんだけっきょくうちの推し、最強
・他人にわーきゃー言ってる場合じゃねえ! わたしがわたしの最古参
題目:カクテル
・寂しさベースにほんの少し喜びを添えたカクテル投げ捨てる
題目:読書
・あなたやわたしその1頁すら読めないから苦労しているんだ
題目:戦争
・互いの武器は言葉と心ぼくとあなたの戦争いざ開戦
・あなたが不意に落としたその爆弾ぼくを焼け野原にする わざと?
・それならばぼくは言葉の豆鉄砲で応戦きみにダメージなし
・交渉の余地はないのかこの関係 和平の道は閉ざされてしまい
題目:犬
・何々の犬って悪口あるけれどみんな何かの奴隷でしょう?


雑感

今回も楽しく詠みました。

「叫び」「読書」と「カクテル」は難産でしたがそれ以外はけっこう普段から思っていることをそのまま詠めたり、わりとすんなりと行ったように記憶しています。

個人的な意見ではありますが最後の「犬」の題目で詠んだように~の犬って皮肉や悪口として使われますが、よくよく考えてみるとだれだって会社、金、時間、友人・恋人や家族などの人、あるいは自分自身だったとしても、それのためになんかやってることがほとんどなワケです。
言い方を変えてみるとそれの犬ってことですよね。だれもが何かの奴隷だと言えないでしょうか。
自由に生きている(ように見える)人でさえ、意識していなくともその自由な自分というものに囚われているはずです。
こんな風に「そんな言い方せんでもいいやろ」みたいなすこし性格のわるい視点がわたしにはあるようです。

題目ひとつひとつに解説やそのとき考えたことを書いてもいいのですが、それは蛇足かもしれないし、粋じゃないし、何より見たままを感じてもらうのが作品だと思います(解説があっても楽しめるとは思いますが個人的には先入観や前提知識なしで見るのが好き)のでこのくらいにしておきます。


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これを見ているあなたもぜひ1日1詠、朝のあたまの体操にいかがでしょうか。

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