空間プロジェクトマネジャーの現在と少し未来を考えてみた。
あまり語られることのなさそうな(ない)インテリアデザイン業界の
「プロマネ人材」について考えてみました。
この業界に20年近くいる身から実体験を通して感じていることをまとめています。
特に空間のプロジェクトマネジャー(PM)というニッチなポジションはよく(まったく)知られていないですし企業によって定義も異なることが多い職種だと言えます。←課題点
この業界はブラックなのか?
結論から言えば、「オセロのような存在」です。
つまり、白と黒が共存しており、業界の実態は一様ではありません。
楽しみ方や価値観は三者三様。単純に「ブラック」とは言えないと思います。
(多くの業界でも言えることですが・・・)
業界の実情
また業界特有の環境を考えると、「3K」という言葉がよく取り上げられます。
厳しい労働条件や長時間労働は確かに存在し、過去には辛い経験もしましたが、
その経験が今の自分を形成しているのも事実です。が
いま、状況は変化しています。
働き方を考える立場にも働き方改革が起きているといえます。
今まではデザインが好きでインテリアの仕事にとにかく関わりたいという方が
多かったですし今でもその人材が占めています。
しかし、別の業界から飛び込んでくる人も増えています。(体感で)
残念なことに留まらずに出ていってしまう人も多いといえます。
なぜこの業界で働くのか?
空間をデザインすることの"程良いスケール感"が好きです。(個人的な見解)
建築のように大規模なプロジェクトになると、自分が関われる範囲が限定されることが多いですが、インテリアデザインでは多くの人と協力して創り上げていく過程があり、絶対に同じプロジェクトはありません。
また、手触り感があるもの(ここ大事)をつくるのでダイレクトな反応を様々な
ところからもらうことができます。
業界の規模感
インテリアデザインでもオフィスや店舗、ホテルなどを手掛ける私たちは
ディスプレイ業界の中に含まれており、約1.4兆円とされていますが、
これは建築業界全体(約50兆円)に比べると小規模です。
またコロナ禍前には約2兆円に達したと言われていますが、
ガクンと下がりそのまま横ばい状態の市場です。
空間デザインの役割
空間デザインを通して個人の居場所を作ったり、働く環境を最大化したりします。同じ空間でも目的によってデザインは変わります。
私が関わるオフィスデザインは、直接的に売上を生むわけではないですが、
多くの人が集まるため、広い面積を扱うことが多いです。
プロジェクトマネジメント
私はデザインをする感性や施工する技術が高いわけではありません。
日々、プロジェクトという名のうつわ(のようなもに)に穴が空いていないか?
そこから抜けたり漏れたものはないのか?を注意深くみていくことが必要です。
クライアントが潜在的に求めている事や必要とされる事に注意を向けてみるなど、とにかく地味な役割ともいえます・・・。
フロントに立つダイナミズム
クライアントとのコミュニケーションを通じて、プロジェクトに対する熱量が
伝わることも多いです。自分ごとのように考え、行動することで、
クライアントの喜びもダイレクトに感じられるのがこの仕事の醍醐味です。
成功は後になって見えてくる
プロジェクトが無事に完了した時点で私の役割は終わりますが、
本当の結果は数年後にわかると考えています。
会社が成長しているのかは、その経過を通じて評価されることが多いからです。
「採用の問い合わせが倍以上になったよ!」とか
「新しい取り組みを生み出せることになったからもっと広い場所が必要!」
などの言葉をもらえるために頑張っています。
変えたいこと
この業界に関わっている中で離れていく人たちをたくさんみてきました。
早く見切りをつけて自分にあうものを探すことは正解です。
ただ、この仕事の良さを見つけられないままでいるケース、そもそも知られていないことや不透明な仕事が多いことも事実だと感じています。
もっと良いところも悪いところも引っくるめて伝えていくことで人材の動きを
活性化できるといいなと思っています。
AIの影響
今後、AIがこの業界を変えていく可能性があります。
特にマネジメントの分野では、AIが効果的に役立つ場面が増えるでしょう。
個人的にはワクワクしています笑。
マネジメントからクリエイティブへ
プロジェクトをマネジメントする力はこの業界だけに留める必要はありません。
IT系の知識や経験がある方がソフトな仕組みを作りやすいのと同じく、空間という手触り感がありハード的なものをどうプロマネするのか?という視点は日本に溢れる課題の解決にも役立つと思うのです。
マネジメントする力を駆使してプロジェクトを創出することも必要だと感じます。そんな視点で発見し発信していければと考えています!
次の世代へ
こんな業界ですが飛び込んでみたいと思う人に出会いたいです。
「同じ業界ではないから・・・」
「センスがあるかわからない・・・」
そんなことよりもデザインが好きだったりモノづくりに興味があるという人で
あれば活躍できることはたくさんあると信じています。
またこの業界はとても裾野が広いです。
感性で表現するアーティストから数字のみを追いかけるビジネスマン。
香りだけをデザインする人や建物の法規のみをチェックする人など
属性や規模も様々な人たちと一つのプロジェクトをつくりあげます。
だからこそ楽しめるポイントは人それぞれなのです!
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