<自治体と連携①>介護予防教室「ポジトレ」@宮崎県新富町
デイサービス事業と並行してWONDER未来図が今注力するのは、自治体との連携による介護予防教室(地域リハビリテーション)です。宮崎県内の5自治体で取り組みを始めており、新富町の「ポジトレ」はすでに3年目。週1回、新富町総合交流センターきらりや町体育館を会場に、65歳以上のポジトレ登録者が集まります。
20名でスタートし、今や登録者数100名以上。口コミで広がり毎回のように体験者がいらっしゃるポジトレの人気の秘訣はどこに?
「ポジトレ」とは?
2020年9月から宮崎県新富町でスタートしたのが、しんとみ若返りフィットネス「ポジトレ」。体を動かすことで心も体もポジティブになり、人生100年時代を前向きに楽しもう!という取り組みです。「盛り上げ上手な先生たちのおかげで、皆さんモチベーションを維持しながら楽しんで参加しています。はじめは3ヶ月の予定でしたが、とてもすばらしいので通年開催となりました」とは、新富町福祉課の宇都宮さん。
前半は座っての運動中心のクラス、後半は立っての運動が中心で少し負荷の高いクラス。1〜2名の体験者が毎回いるほど、口コミで評判が広がっています。
約1時間半のトレーニング、スタート!
WONDER未来図から、加納店管理者の丸中さんと社長の金子さんがトレーナーとして参加します。町内の65歳以上ならどなたでも参加可能なポジトレは、登録者約100人。うち30人が会場に集まり、トレーナー・丸中さん指導のもと前半クラスの運動が始まりました。
世間話や冗談を交えた軽快なトークから、笑顔でスタート。それぞれ椅子に座ったまま、丸中さんの動きと声に合わせて各部位のストレッチを行います。
ポーズをとって「1、2、3、4、5…」とカウントしながら首や腕をストレッチ。膝にアゴをつける、抱えた足をクロスさせる、膝を伸ばしたまま足先をさわるなど、まずはいろんな箇所を伸ばしたり、縮めたりする動きを展開します。
金子社長はというと、会場内を動きながら丸中さんに合わせてカウントしたり、参加者の動きのサポートをしたり。無理をしすぎないように、でも、よりトレーニングの効果を出すためのアドバイスや励ましの声かけは大切です。
体のどこに効く動きなのか、どこを意識して行う運動なのかを伝えながらトレーニングを進めていきます。
それと同時に、参加者の表情や動きにも目を配ります。医療分野の知識が深い作業療法士として、体や健康状態のチェックもしているのです。
コロナ禍で定着した「配信」でリモート受講もOK
会場には、トレーナーを横から捉えるスマートフォンが。自宅でリモート受講する方向けにリアル配信をしています。新型コロナウィルス感染拡大でこのように集まることのできなかった時期に始まりましたが、今後人数が増加した時にはサブ会場をつくり、そちらへ配信することも可能になります。
下の写真をご覧ください。みなさん、とても熱心にトレーニングに参加されています。週1回の運動を継続しているからか、結構ハードな動きもしっかり行えているようです。ポジトレ担当の役場職員さんも一緒に体を動かしますが、「私たちでもホントにきついんですよ、これ。みなさんすごいですよね!」と苦笑い。
休憩、水分補給もしっかりと
30分ほどトレーニングを続けたら、休憩をはさみます。水筒やペットボトルを持参していて、水分補給しながらのおしゃべりも楽しそうです。
休憩時間に、うまくできなかった運動を復習している熱心な参加者も。
「毎日の楽しみは温泉と運動。ポジトレに参加するようになってから、体を意識して過ごす時間が増えました」
と話してくれました。
徐々に運動の負荷を上げて…
休憩後は、少し反動をつけたりリズミカルに動いたり、スピードもアップしたりと、だんだん負荷を増していくトレーナーの丸中さん(にこやかに鬼です笑)。みなさんは、一つ終わるたびに「は〜っ」と息をついています。
それでも頑張れるのは、これからもポジティブな心と体で、元気に楽しく過ごしたいという気持ちを共有している仲間と一緒だから。
そして、冗談を織り交ぜながらみなさんのやる気を引き出す、トレーナーの存在も。きっとみなさんの活力になっていることでしょう。
手も足も同時に動かして、脳のトレーニングも兼ねたメニューで締め括られました。
“未来ズ手帳”で日々の運動も記録する習慣を
1時間半近く体を動かした参加者たちは、すっきりした表情で会場を後にします。その際に、日々の食事や運動、体調を自身で記録しておく「未来ズ手帳」を引き取って帰る方がいらっしゃいました。会場に来た際に提出された手帳は、運動の間に町の担当職員さんがチェックをしています。
週1回のポジトレに加えて、ご家庭での過ごし方にも意識を向ける。運動の習慣化こそ、WONDER未来図が目指すところなのです。
最後に、みなさんと一緒にひと汗流した金子社長にコメントをいただきました。
「前半のクラスを見ながら、『この人はもう少し動けそうだ』と判断したら、後半の負荷の高いクラスに誘導します。継続して様子を見させてもらってきたからこそできることですね。
指導者がいて仲間がいる。そんな環境があるからこれだけの運動が続けられるし、成果が期待できます。高齢者が楽しくトレーニングできる「ポジトレ」のような場所を他の自治体にも増やしていくことで、宮崎県の持続可能性向上(WONDER未来図のビジョン)につなげていきたいと思っています」。
※金子社長インタビュー記事も合わせてお読みください。