【毎週ショートショートnote】大増殖天使のキス
地獄で大問題が起きている。
「いたぞ!」
鬼たちが血の池に集まっていた。
「やっぱり、エンゼル・キッスだ」
エンゼル・キッス。
キスマークの形をした魚で、元々は天国にしか生息しない魚だった。
ある日、堕天使がペットとして持ち込んだのがその発端だとか。
「まだいるぞ!」
エンゼル・キッスは地獄で大増殖し、今では外来種として捕獲駆除の対象に。
「血の池を見ろ!」
鏡のような水面だ。
「地獄感ゼロ!」
このため、捕獲したエンゼル・キッスは燃やしたり、埋めたりして駆除された。
「なんだ、これは!」
が、これも問題。
燃やしたエンゼル・キッスは、花火となって地獄の夜空を彩り、埋めたエンゼル・キッスは地面に花を咲かせた。
『もう、食用だ!』
閻魔様はそういった。
「閻魔様、どうかお助けを」
『えーい、この嘘つき者め。判決を言い渡す』
「ひぃ」
『針100本、飲ーます!』
地獄もちょっと優しくなった。
(400字)
今週も参加させていただきました!
ネット環境のない実家に一時帰省したりとギリギリとなりましたが(初めてギガ買い足した)、なんとか今週も滑り込めました(はみ出していたらごめんなさい)!
いつもありがとうございます!
どうか、楽しんで読んでいただけますように!
ここで簡単ではありますが、創作に関するご報告を。
私事ではありますが、このたび第19回坊っちゃん文学賞の最終審査通過作品に選んでいただきました。素直にとても嬉しかったです。
もうここから先は決まっていること、変えようのないことなので、あとは現在制作中のショートショート集に向き合って、当日は楽しんできたいと思います。
去年の8月から、毎週ショートショートnoteには参加させていただきました。
毎週ごとのお題に対して、アイデアをだしては、どう組み合わせるかを吟味し、自分の思うワクワクするものになっているか?を何度も映像としてイメージしたりと……この道場に毎週通って、己の技を磨き、言葉選びやその伝え方も成長できた場だと思っています。
これからも、自分の思うワクワクを読む人にも届けられるよう形にしていくので、楽しく読んでいただけたら幸いです。
いつも本当にありがとうございます!
今後ともよろしくお願いいたします!
そるとばたあ