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【毎週ショートショートnote】全力で推したいダジャレ

その奇怪な現象の始まりはバナナだった。

「そんなバナナ!」

ある中年男性が飲み会の席で、口にしたダジャレだ。
直後、男の姿は変形し、肌は黄色くなり、バナナのゆるキャラとなった。
ジャレード現象の国内初の症例だ。

その後、同様のゆるキャラが報告された。

猫のゆるキャラ、
土管のゆるキャラ、
缶の上にみかんをのせたゆるキャラ。

誰もがダジャレをいえば、ゆるキャラ化するわけではなく、何の打算もなく天然でダジャレを口にした者のみだった。
天然のふりをして、着ぐるみをかぶっているのは養殖といわれた。

時は流れ、ジャレード現象にも新世代の波が。
最近のゆるキャラは、より人に近く、アイドルのような人気なのだ。

私の推しもその一人。
バスタブのボディから、足をピーンとのばした上半身裸の金髪青年。

「ニューヨークで入浴中さぁ」

『きゃー』

彼の名は、ニューヨーカー。
お風呂で披露される鼻唄に、私はのぼせている。

(400字)

【副題】ジャレード

今週も滑り込みとなりましたが、参加させていただきました!いつもありがとうございます!

今週のお題は「そんなバナナ」で書こうとは決めたものの(完全な思いつきですが)、全然着地が見えないまま、土曜日を迎えてしまいました。

最近、一気観をしたアニメ『メイドインアビス』だったり、敬愛するオードリー・ヘップバーンの作品『シャレード』のタイトルをミックスしたりして、今週はこのような形となりました!

その昔、大好きなバンド『チャットモンチー』のvol.橋本さんがいってた言葉だと思うのですが(勘違いだったらすみません)、

「もしも、作った曲がほかの曲に似ていたらどうしますか?」

という問いに対して、

「似ないようにするんです」

という回答が、なんともナチュラルで痛快で大好きで心に残っている言葉なんですが、今では創作する上で、自分にとってとても大切な言葉になっている気がします。

様々な作品や人から影響を受けながらも、また少し違った楽しさや味わいを生みだせるように、日々ことばを磨いていこうと思います。

そして、細々と続けてきたnoteも気がつけば、たくさんの方にフォローしていただいていました。
お読みいただいた方々、本当にありがとうございます!

思いつきで何かを始めては、やっぱりこっちだぁ!と気が変わったり、飽きっぽかったり、心ここにあらずな日もあったりもしましたが、ここ最近は、自分の中で書きたいものが定まってきて、細くても長く書き続けてみるものだなぁと、なんとも感慨深い気持ちになりました。

(↑ 最初のnote記事から3年以上が経っていました)

今後も、400字のショートショートはもちろん、もう少し長いショートショート作品も書いては発表して、何らかの形にもしていくので、その時はまた、ちょっと不思議な物語の世界に遊びにきていただけたら嬉しいです!

今後ともよろしくお願いします!
どうか楽しんで読んでいただけますように!



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