毛布を鼻までかぶって観る機内映画-トスカーナの休日【Q】-
バンコクから成田への深夜のフライトで、機内映画を観た。
JALは路線と機材によるけれど、エコノミーでも座席ごとにテレビがあって、映画を選べるので嬉しい。
足元はほんっと窮屈だけど。
私は機内映画が好きだ。
あの真っ暗な深夜の飛行機の中でみんなが寝息を立てる中、毛布を鼻までかぶって、こっそりと盗み見する感じが好きだ。
「半落ち」でも観よっかなーとチャンネルをパタパタと変えていると、明るい黄色(おそらく一面のひまわり畑)のはっとするような光景が眼に留まった。
イタリアのトスカーナ地方へアメリカから移住してきた離婚ホヤホヤの女流作家。
ヒモ状態だった旦那に浮気された挙句に捨てられ、財産分与で家まで取られ、ネガティブになりがちだった主人公が、勢いで飛び込んだイタリアの田舎町で、おんぼろの一軒家を買い、地元の人の力を借りながら、それを改装していく。
「もう男なんていらない!」と気丈に振舞うかと思えば、「私って一生ひとりぼっち・・・」と泣きじゃくり、ハンサムなイタリア男と出会って「私だってまだ女よ!」と飛び跳ねる姿が、とてもかわいらしくって、共感できてしまう。
てんとう虫を探して、なかなか見つからず、疲れて眠って眼が覚めたら、体中にてんとう虫がとまっていた。
「トスカーナの休日」は幸せはそんなふうにやってくる、というお話。
何に向かっているか分からないけど、身近なことを一生懸命やることでしか、人生や毎日は前進しないのだと、勇気づけられる素敵な映画だった。
ダイアン・レインの白いワンピースがとてもまぶしく、地中海の青い日差しの中で、印象的に美しい。
トスカーナの休日 UNDER THE TUSCAN SUN(2003年・米)
監督:オードリー・ウェルズ
出演:ダイアン・レイン、サンドラ・オー、リンゼイ・ダンカン他
■2004/6/30投稿の記事
昔のブログの記事を少しずつお引越ししていきます。
■16年後の答え合わせ
この記事へのアンサーソング。現在の私から見える世界を綴ります。