ポートレート撮影で大切なこと
ポートレートは、モデルとフォトグラファが真剣に向き合うことが大切だと思っている。それは恋愛感情や友情とは違った、モデルとフォトグラファとの特別な感情を持つこと。どれだけお互いの気持ちが向き合っているか。そして、どれだけ気持ちが近づいているかで、作品の仕上がりが変わってくる。技術的なそれではなく精神的なものなので、すべての人に当てはまるものではないけれど、ボクにとってはとても大切なことなのだ。
「人を好きになること、そして、それを相手に知らせること」
「君がいい写真を取れないのは、半歩踏み込みが足りないからだ」
ロバート・キャパが「あなたのように写真が上手くなるにはどうしたらいい?」という質問に対しての言葉。あくまでもボクなりの解釈ではあるので、これが、それを意味しているのかはわからない。ここまでボクは偉そうなことを語っているけれど、ボク自身まだ遠慮をしている感は否めない・・・そんなボクの写真の撮り方を叱るようなこの言葉と思っている。もっとモデルに近づかなければいけない。物理的な距離ではなく(ま、それもあるけれど)気持ちの距離を無くさないと。撮影回数の少ないモデルだと、それが写真に顕著に表れ、撮影した写真を見たときのショックは大きい。逆に、モデルとの信頼関係が強くなったときに撮った写真を見たときの感激は言葉で言い表せないくらいの嬉しさを感じることができる。