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こどものために歯を磨く。

私は社会人になるまで、虫歯になったことはなかった。
歯磨きに熱心だったわけでもなく、むしろ歯を磨かずに寝てしまうことが多かった。
それでも虫歯にならなかったのは、唾液が虫歯菌に強いという話を聞いたことがある。本当か嘘かはわからないが。

社会人になると多忙な業務で不規則な生活が続き、外食とストレスの増加も相まって、いつの間にか虫歯ができていたようだ。
ある日上司から「口臭がするから、虫歯になっていると思う」と言われて検査に行くことにした。
歯医者に行くのは、ほぼほぼ初めてだったと思う。

検査の結果ひどい虫歯こそなかったが、数本治療することになり、数か月かけて治療した。
「半年後にまた状態を見せに来てくださいね」
と言われて半年後に行くと、また数本虫歯になっていた。

歯石や着色を取り除き、状態を良くしてから虫歯を治療する。
数か月後かけて治して、また半年後に行くと、前回よりは減っていたが虫歯はできていた。

歯ブラシの使い方を教えてもらい、磨き残しも減っていき、
歯周ポケットができやすい箇所も把握して重点的に磨き、
虫歯になる本数も減っていったが、
半年治療⇒半年空けて検査⇒半年治療⇒半年空けて検査・・
の年間ルーティーンは続いていった。

結果的に虫歯になっていたことは悔しいが、
定期的に歯科検診に行って、専門家である歯科医に状態を確認してもらうことは続けていてよかったと思う。
引越しで住まいが変わっても、同じ歯医者に通い続けた。
初期と経過を知っている歯科医に診つづけてもらいたかったからだ。

私の武器は、歯ブラシ一本。
歯磨き粉も数百円前半の安価なもの。
習ったとはいえ磨き方は雑。
いま考えると、ドラクエの初期装備くらい心もとない武器で、それすらまともに扱えない初心者だ。
たまに昼食後に口をゆすぐので、レベルは3くらいはあったかもしれない。

結婚を機に、武器は電動歯ブラシに進化した。
望んでそうなったというよりは、妻が電動歯ブラシを使っていたので、使ってみることにしたのだ。
歯科医によっては手磨きを推奨しているかもしれないが、私には合っていた。
それまでよりも短い時間で、奥の方まで磨くことができる。
事実、歯医者で調べる「磨き残し率」は向上していた。

歯磨きへの意識、特に「予防」を意識するようになったのは、妻が妊娠してからだ。
女性は妊娠中に虫歯になる確率が上がるとともに、赤子に虫歯菌を移さないために、虫歯予防と治療が求められる。
との話があって、家に本格的なフロスがやってきた。

それまでも糸ようじや歯間ブラシを使って、ときおり歯間ケアをすることはあったが、ロールタイプのフロスで力強く磨き始めた。
定期的な検診と、日々の予防。
育児休業中は、こどもと接する機会も時間も長くなる、というよりほとんど一緒に過ごす。
私自身は虫歯治療を終えたばかりであったので、虫歯にならないように歯磨きの回数を増やし、ホルダータイプのフロスを使うことにした。

夜寝る前だけ磨いていたが、プラーク(歯垢)は数時間でできると聞いて、朝食後も磨くようにした。
ロールタイプをする気力と時間はなかったので、簡易的なホルダータイプを選んだが、週に1回はするようにした。
ただ本当は毎日した方が良いらしく、人によっては毎食後やっているらしい。が、さすがにそこまでは出来なかった。

最近はそれらに加えて、ワンタフトの歯ブラシも加えて、歯と歯茎の境目や、かぶせモノと歯の境目などを重点的に磨くようにもしている。
おかげですべて自分の歯で生活ができているし、これといった虫歯は出来づらくなってきている。

こどもと近い距離で接したいから、虫歯にならないように予防する。
虫歯になって治療してからでは遅いのだ。
虫歯になるには3要素(歯、糖、虫歯菌)が必要と産前産後に聞いたことがある。
つまりこどもの口腔内に「虫歯菌」が入ることがなければ、どうやっても虫歯にならないのでは・・?
やや極端かもしれないが、そう考えて私たちは自分たちの虫歯菌根絶を目指して、こどものために日夜、歯を磨いている。

#いい歯のために

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