行動できない人が考えていること
いつもお世話になっております。「わたし・みらい・創造センター(企業教育総合研究所)」副センター長 加井です。
今日は「自分で考えすぎてしまう」あまり行動できなくなってしまうパターンについて少し斜めから見てみようと思います。
■人間の最大の強みとは?
お打ち合わせや研修のとき、私はよく言います。
「自分で考える力が必要ですね」
「自分で考える力をつけましょう」
私たち人間の最大の強みは「考える」こと。
適切に考えられていれば決断・行動力が高まり、自律性のあるメンバーになっていきます。
■じつは「考える」ってクセモノ
でも、実は、この「考える」ってクセモノです。何でも考えさせればいいってものではないのです。
考えてしまったからこそ、
「あの時、先にやっておけばよかった」
「チャンスだったのに一歩踏み出せなかった」
となる場合もあります。
私たちの行動を妨げる一番の原因は「余計な事を考えること」なのです。
■「考えすぎてしまう」の正体
「考えナシに行動する」と「よく考えて行動する」とでは、後者の方が少し賢そうな印象です。
でも、考えるべきことを本当に考えたのでしょうか。
充分考えて答えを出したように見えて、じつは考えているのは「答え」じゃなくて「言い訳」だったりします。
つまり、すでに感情で決めていた答えにもっともらしい理由を付けただけ、
ということです。
ここで優先される感情は「不安」。これは爬虫類脳が支配する感情です。
爬虫類脳という脳の原始的な分野が決定した答えに、論理性をつかさどる分野がフル回転してうまく理由付けをしてしまう。
これが「自分で考えすぎてしまう」という行動の正体です。
■決断の連続は消耗する
「自分で考えさせる」方針で社員を育成したいのに、言い訳ばかりでうまくいっていないなら、このような思考が裏側で働いているかもしれません。
一般的に現代人は、1日に9000回以上もの決断をしていると言われています。
細々した決断にエネルギーを使ってしまい、ここぞというときに冷静な判断ができなくなってしまう。そんな事を繰り返している人が意外に多いのです。
■情報整理が解決のカギ
自分で考えようとするあまり、逆に行動できない状態に陥ってしまう。
こんな時は、本人が頭の中で抱えている情報を整理するのが効果的です。
おおげさに考える必要はありません。付箋と紙とペンがあれば30分程度でできます。
1)もやもやしていることを付箋に一つずつ書き出す
2)紙の中央に線を引いて左側に「コントロールできる」、右側に「コントロールできない」と書く
3)それぞれのエリアに付箋を貼り付けてもやもやを選別していく
ここまでやったら「コントロールできない」エリアの項目はすっぱり切り捨てましょう。そして「コントロールできる」エリアの項目を実行していくのです。
これだけで行動がついてくるようになります。ぜひ試してみてください。
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