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ソロキャンプ 2021.11.5-6①ごはん編

週末に、5回目のソロキャンプに出かけてきました。ソロキャンプに行くのは今年の4月以来、実に半年以上ぶり。


なぜ半年も出かけていなかったかと言いますと、私は秋~春にかけてしかキャンプをしないと決めているからです(今のところ)。ソロキャンプを始めるにあたっての最大の目的、星空の撮影練習は寒い時期がベストだから、というのがその理由。あと暑いのが苦手なのと、混んでいる場所に行くのも苦手なので、いわゆるオンシーズンと呼ばれるあたたかい時期は出かけないことにしています。そして何より、虫が恐ろしい。


ということで半年ぶりのソロキャンプでしたが、最大の目的である星空撮影練習もでき(なんと1年ぶり!)、非常に有意義な一夜を過ごすことができたので、のちのち自分で振り返ってニヤニヤするために詳細を記録しておこうと思います。例によって写真が多くなったり、無駄に長文化するかと思いますが、よろしい見てやろうという寛大なお心の方は、どうぞお付き合いください。


さて、5回目のソロキャンプ。今回の目的地は「日本一の星空」で有名な、長野県阿智村を目指すことにした。阿智村は、私がちょうど1年前に初めてソロキャンプをした場所でもある。

ちなみに今年の春には、桃の花に逢いにも出かけている。


今回も昨年と同じキャンプ場にお世話になろうかな、とも考えたのだけれど、同じ村内に良さげな別の場所を見つけたので、今回はそちらにお世話になることにした。


わがまちから長野県阿智村までは片道300km、車でおよそ4時間半かかる。長野までのルートは、東名高速から八王子方面を抜けて中央道にアクセスする経路が最速なのだけれど(こっちだと4時間弱)、私はいつも御殿場へ下って河口湖方面を抜け、大月から中央道にアクセスするルートを取っている。ちょっと時間がかかるし高速代もかさむのだけれど、道中の景色がとてもうつくしいのだ。お天気に恵まれれば、富士山がドライブのお供になってくれる。

そんなわけで、11/5の朝8時過ぎに自宅を出て、久しぶりのロングドライブに挑んだ。

車の運転は苦にならない方だけれど、普段乗り慣れていない高速道路を走る時はかなり緊張するのか、脇汗と手汗が酷いことになる。脇汗はTシャツが受け止めてくれるけれど、手汗はそうもいかないので、ハンドルが常にみずみずしいお肌を保つことになり、ハンドルは快適かも知れんが私はなかなかに不快。高速を走る時は、手汗拭き用のハンドタオルを常に膝の上に待機させながら運転している。(ちなみに夏場はケツ汗対策でバスタオルも必須。汗かき大魔神のつらみ。)

この日は朝からいいお天気で陽射しもふんだんに注いでいたため、否応なしに手汗も凄まじいことになった。今度高速乗る時は、両手を貴族のラップでピチットすべきか。



手汗と格闘しつつも、富士五湖道路・中央道からの素晴らしい景色ににやにやしつつ、13時ちょっと前に目的地に到着。

今回お世話になったのは、ふるさと村自然園せいなの森キャンプ場さんです。


場内には南沢山への登山口もあるそうだ。


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さっそく管理棟にてチェックインをする。信州、すでに紅葉真っ盛り。最寄りのIC(飯田山本)からここまでの道のりも、思わず車を停めて写真を撮りたくなるような景色が広がっていた。

売店で薪を購入し(600円)、予約しておいたサイトにてさくさく設営開始。秋冬はとにかく日が落ちるのが早いので、かけつけ一杯キめたい気持ちをぐっとこらえて設営作業をする。


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今回お世話になったサイト。周囲を木立ちに囲まれているけれど、頭上は開けているので星空を眺めるのにはぴったりだ。地面は細かい砂利、っていうか砂?で、かなり柔らかかったのでペグ打ちが非常に楽だった。それゆえ、かなり深くペグを打ち込んでおかないとすっぽ抜けると思う。


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寝床も準備完了、これでいつでも酔いつぶれられる。枕元にあるザックが、お前これから山に登るの?ってくらいパンパカパンですが、中身は全て防寒着です。


ひと仕事を終えて空を見上げれば、ピーカンの上天気。否応なしに夜への期待が高まってくるのを感じつつ、持参した缶チューハイを一本開けてからトイレの確認に出かけた。


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出かけた、と言ってもトイレは目と鼻の先だ。道を挟んだ反対側に、水場とお手洗い、シャワー室が設置されている。


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すみずみまでお掃除の行き届いたお手洗い。管理するスタッフの方々に感謝。キャンプに来て何が気になるかってお手洗いの清潔度ですよねえ。こちらは人体センサー付きの照明もついていて、真夜中に千鳥足でも安心仕様。ガンガン呑めるな……ますます浮かれ気分が高まる。


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水場もピッカピカな上に、なんとお湯が出る!洗剤と綺麗なスポンジまで設置されていて、至れり尽くせりじゃん……かしこみかしこみ。

トイレと水場の様子も確認できたので、自サイトに戻る。


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この時点で気温は10℃を切っていた。おいマジか。IC出た時は20℃あったのに……。昨年来た時よりも冷え込みペースが早いような気がした。

ちょっとびびりつつも、高まりの頂に向けてぐんぐん上昇する浮かれ気分は変わらない。浮かれ気分に任せて、滅多にやらない自撮りにも挑戦したほどである。


この時の投稿にはずいぶん大勢の方から、分不相応すぎるお褒めをあずかりまして……本当にうれし恥ずかしこそばゆしでした。皆さま、本当にありがとうございました。たとえそれがお世辞や大人の気遣いであろうとも、容姿を褒められることに縁遠い人生を送っている民にしてみたら玉(ぎょく)です、玉(ぎょく)。玉(ぎょく)であります(大事なことなので3度言いました)。生涯の宝として大切に持ち歩かせていただきます。鉈と酒に反応してくだすった方が多くてめっちゃうれしかったです


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今までのソロキャンプでは毎回呑み切れなかった酒を持ち帰っていたので、今回は少し控えめに用意したものの……ウーム、大丈夫かしら。足りるかしら。ソロキャンプ来て夜中に酒が切れることほど恐ろしい惨劇はないですからね。


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薪割りは鉈派です。もっとも、マイ焚き火台は多少大きな薪でも寛容に受け止めてくれるタフ・ガイなので、よっぽど大きいのが当たった時くらいしか割らないけれど。


薪割りの儀が終わったら、すぐに今夜の晩ごはんの支度に取り掛かる。火が落ちる前に調理を済ませておかないと、どこに何があるんだか分からなくておろおろする羽目になるし(体験談)、夜はとにかく星撮り練習がしたいこともあり、サクサク調理を進める。

この日のキャンプ飯は、ポルトガル風たこ焼きとレンズ豆のスープを作りました。


ポルトガル風たこ焼きってのは、敬愛する玉村豊男さんの著書『毎日が最後の晩餐』に出てくる料理。市販のたこを適当な大きさにカットして、真っ黒な焦げ目がつくまで焼いて、オリーブ油と唐辛子、しょうゆをかけるだけというシンプルレシピ。玉村さんは現地にて、玉ねぎとじゃがいも、黒オリーブを合わせたたこのグリルにいたく感激なさったそうで、帰国後に色々と試行錯誤の末、このレシピに辿り着いたらしい。

見るからに白ワインと永久運動できそうなこいつを、ぜひ炭火で作ってみたいと思っていた。

ところが……


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炭火の上にしばらく転がしてみたものの、一向に黒焦げる様子がない。火力が弱すぎるんだな……このままだとたこが黒焦げになる前に真っ暗になってしまうし、そうなると粗忽な私が焼かなくていいものを黒焦げにする危険性が高まってくるな。やべえ。

(ちなみに奥に転がっているのは、各方面でいたいけな乙女たちをたぶらかしている男爵野郎。自宅でレンチンしたやつを持参)


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危機感を覚えたので薪をぶっこんでみることにした。


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おお、いい感じいい感じ!

この煉獄の赫き炎刀が、お前を骨まで焼き尽くす!!


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骨まで焼き尽くされる前に網から引き上げまして


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オリーブ油と唐辛子、しょうゆ少々をたらり。それだけなのだけれど……これがねえ、びっくりするほどおいしかった!玉村さんの書かれていたとおり、たこがプリンプリンにやわらかくなっている。加熱によってマシマシになったたこの旨みを、まろやかに包み込むオリーブ油。ほどよく塩っけを添えるしょうゆ。そしてピリリと辛い唐辛子の刺激!これらに包まれたたこを噛みしめると、モキュッとした食感と共に口の中いっぱいに海の香りが広がってゆく。これは白ワインがすすむくんだわ~!


たこ焼きに奮闘している間に、ガスバーナーで仕込んでいたスープもいい感じに仕上がってきた。


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自宅でカットしてきた玉ねぎ、セロリ、にんじん、自家製パンチェッタに、レンズ豆と缶詰のトマトをぶっこんで煮るだけ。家でもよく作っているいつものスープだけれど、寒い季節のソロキャンプには、こういうアチアチな汁物が欠かせない。

味つけはコンソメキューブと塩こしょう、乾燥ハーブ軍団(今回はバジルとオレガノ)。最後に粉チーズ入れたらできあがり。


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屋外なので大好きなアク取りが存分にできなかったけれど、安定のウマさ。これまた白ワインもすすむし、缶チューハイも調子よく空いてゆく。

炭火(と赫き炎刀)で焼いた男爵は、ほっくほくでめちゃくちゃ甘く焼きあがっており、何もつけないままでそのままペロリといただきました。


晩ごはんがあらかた終わる頃には、周囲はすっかり暗くなっていた。夜空に少しずつ星が瞬き始めたけれど、依然として雲ひとつない快晴はキープされている。今や私のテンションは「いつでもイケるぜえ……お望みとあらば、超でけェやつをGAN-GANぶち上げてやるぜ?!」状態だ。

けれど星撮り練習をするには、もう少し宵闇が深まり、星が一段とその輝きを増してくるまで待ちたい。


よろしい、ならば焚き火だ。


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星撮り練習と同じくらい楽しみにしていた焚き火。うつくしく揺らめく炎の動きは、いくら眺めていても見飽きるということがない。ソロキャンプ始めるまで、焚き火がこんなにも楽しくて癒される行為だとは思いもしなかった。

パチパチ、と薪のはぜる音を楽しみつつ、赤ワインに切り替えて炎に魅入る。至福のひとときだ。

ちなみにソロキャンプに欠かせない王族ウィンナー・ジョンソンヴィル(チーズ味)も焚き火で焼いて食べたのだけれど、なにぶん真っ暗だったので写真が撮れなかったのが残念無念。次回はぜひとも、明るいうちに王族直火焼きを楽しみたいと思う。


焚き火を見てひたすらニヤついているうちに、いよいよ夜空の満天の星が瞬き始めた。そろそろ出陣の時間のようだ。


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次回はへっぽこなりにがんばった星撮り練習について書きたいと思います。


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