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生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚)

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本作メインヒロインのヒカリが過ごした、2289年6月30日の1日を描きます。
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2024年10月の記事一覧

生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) ~あとがき~

 第0部(前日譚)をお読みいただき、ありがとうございました。  第1部、または第6部をお…

WK2013
2か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 26)希望の大地

(火星授業記録その35)  みなさんといっしょに、20世紀以降の人類の歴史について戦争と…

WK2013
2か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 25)息子マモルの旅立ち

(火星授業記録その34)  再開したいと思います。よろしいでしょうか。  今日の授業のま…

WK2013
2か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 24)夫カゲヒコの顛末

 カゲヒコは、連邦A級規則の成立後すぐに、火星移住支援特別プロジェクトに転属となり、地球…

WK2013
2か月前
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生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 23)こどもたちの気持ち~再び~

(火星授業記録その31)  さて、これから地球のその後についてお話をする予定ですが、その…

WK2013
2か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 22)ヘプバーンと老占い師

「17時30分ですよ、ヒカリ」とアカネが告げる。  いつも通り勤務時間が終わった。 「明日…

WK2013
2か月前
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生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 21)こどもたちの気持ち

(火星授業記録その29)  24人のみなさん、それぞれレフュージからまず月に向けてスペースプレーン型のシャトル便で向かいましたよね。それから、いったん月の居住区に下りたってしばらく月で過ごしてから火星向けの便に乗った人と、シャトル便から月の上空で火星向けの船に直接乗り移った人とがいると思います。  たぶんみなさんのほとんどは2287年、地球と火星が最接近するタイミングに行われた「大移動」のときに火星に来たのだと思いますが、いかがでしょう。そうだという人、手をあげてください.

生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 20)メイドノミヤゲ

 2282年10月に行われたカテゴリ分類の通知がきた。  わたし、夫のカゲヒコ、息子のマ…

WK2013
2か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 19)カテゴリ

 市民投票の実施が決まって、最初のうちは規則案に反対する声のほうが大きかった。  まだま…

WK2013
2か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 18)ターミナル・ケア

(火星授業記録その26)  2279年、連邦インパクト対策特別小委員会の存在が明らかにさ…

WK2013
2か月前
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生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 17)アーウィン部長奮闘す

 16時を回った頃、アカネが「ビデオ通信がはいりました」と言った。 「つないで」と言うと…

WK2013
2か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 16)両親との別れ

 わたしの両親との最後の面会は2年前、マサルおじいちゃんのケアからちょうど1年たったとき…

WK2013
2か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 15)マオ

「あー、それもこれも今日でおしまい、か」とマルグがぽつりとひと言。 「大変だったよね」 「…

WK2013
2か月前
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生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 14)マルグ来訪

(火星授業記録その23) ――質問です。  はい。Oさん、どうぞ。 ――国際連邦のスタッフが、戦争前に月の居住区に移ったということですが、これって、なんか自分たちだけ生き残ろうとする、卑怯っていうか、よくないことのように思えるんですけど、そういうことは当時言われなかったのですか?  するどい質問ですね。たしかにそのような批判もあったようです。  けれども私は、仕方がなかった、というか、もっと突っ込んでいうと、結果的に人類のためになったと考えます。これから再びお話しす