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生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚)

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本作メインヒロインのヒカリが過ごした、2289年6月30日の1日を描きます。
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生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) ~あらすじ~

 23世紀。第四次世界大戦により地上のほとんどが放射能等で汚染され、生き残されたのは頑丈…

WK2013
2か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) ~あとがき~

 第0部(前日譚)をお読みいただき、ありがとうございました。  第1部、または第6部をお…

WK2013
2か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 26)希望の大地

(火星授業記録その35)  みなさんといっしょに、20世紀以降の人類の歴史について戦争と…

WK2013
2か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 25)息子マモルの旅立ち

(火星授業記録その34)  再開したいと思います。よろしいでしょうか。  今日の授業のま…

WK2013
2か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 24)夫カゲヒコの顛末

 カゲヒコは、連邦A級規則の成立後すぐに、火星移住支援特別プロジェクトに転属となり、地球…

WK2013
2か月前
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生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 23)こどもたちの気持ち~再び~

(火星授業記録その31)  さて、これから地球のその後についてお話をする予定ですが、その…

WK2013
2か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 22)ヘプバーンと老占い師

「17時30分ですよ、ヒカリ」とアカネが告げる。  いつも通り勤務時間が終わった。 「明日からお休みですね」 「そう、お休みね」 「どうかよい休日を」 「アカネ、ほんとにいろいろとありがとう」  アカネともこれでお別れ、か。  帰り支度をしていたら、なぜだろう、無性に髪を切りたくなった。  バッグをオフィスに置いておき、PITだけ持って、ヘアサロンへ向かう。エレベーターで1階に下り、1ブロック歩いて5分ほどのところに行きつけの店がある。  スライドドアが自動で開くと、中か

生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 21)こどもたちの気持ち

(火星授業記録その29)  24人のみなさん、それぞれレフュージからまず月に向けてスペー…

WK2013
2か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 20)メイドノミヤゲ

 2282年10月に行われたカテゴリ分類の通知がきた。  わたし、夫のカゲヒコ、息子のマ…

WK2013
2か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 19)カテゴリ

 市民投票の実施が決まって、最初のうちは規則案に反対する声のほうが大きかった。  まだま…

WK2013
2か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 18)ターミナル・ケア

(火星授業記録その26)  2279年、連邦インパクト対策特別小委員会の存在が明らかにさ…

WK2013
2か月前
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生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 17)アーウィン部長奮闘す

 16時を回った頃、アカネが「ビデオ通信がはいりました」と言った。 「つないで」と言うと…

WK2013
2か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 16)両親との別れ

 わたしの両親との最後の面会は2年前、マサルおじいちゃんのケアからちょうど1年たったとき…

WK2013
2か月前

生き残されし彼女たちの顛末 第0部(前日譚) 15)マオ

「あー、それもこれも今日でおしまい、か」とマルグがぽつりとひと言。 「大変だったよね」 「うん」 「つらいこと、いっぱいあったよね」 「う、うん...そうね」 「よく頑張ったよね」 「...うん」  マルグがどんどん涙声になってくる。  わたしは立ち上がってマルグのとなりに腰掛けた。マルグの肩に右手を回し、そして左手を回した。 「言いたいこと、言っちゃいなよ」とわたし。 「...私だって...私だって、どれだけ言いたかったか!」  マルグの顔は涙でぐじょぐじょになっている。