下呂一人旅(3)

前回までのあらすじ
小学生の休日

1日目夕方: 下呂温泉 小川屋

また下呂の温泉街に戻って来た。
宿は直前に決めたので、温泉も食事もついてない。
せっかくなのでどこかで日帰り温泉に入ろうと決めた。
調べると結構たくさんの宿で日帰り温泉ができるようで、場所を決めかねてその辺を何往復もしていた。
途中、公園のような場所にいくつかの屋台が出ており、昭和の歌謡曲が大音量で流れていた。田舎に昭和の曲、めちゃくちゃ日本を感じた。
だが2週目に通りかかった時の曲はグレンラガン。平成に時が進んでいる!
3週目はLisaの紅蓮華。令和までいくのか!

思いがけず時をかける公園に出くわしたが、結局一番有名っぽい小川屋という宿の温泉に決めた。

途中通りかかった卓球スペースに懐かしさを感じつつ、脱衣所に向かった。
駅と温泉街の往復、川遊び、合宿村等、今日はだいぶ歩いているので、さすがに疲れが溜まっている。しかも夜になると気温も下がり、手足は冷え切っていた。
そして湯船に浸かった瞬間思った。

正直、温泉舐めていた。

こんなに幸せを感じるんだな。
家で寝てた方がいいなんてハスに構えていた自分を殴りたい。
内風呂も露天風呂も最高だった。
完全に満足した僕は、最高の気分で湯から上がった。

1日目夜: 鶏ちゃん丼

次に夕飯を食べる場所を探さねばならない。
これは昼飯よりもさらに高難度の課題だが、実はもうすでに温泉街をうろうろしている最中に目をつけていた店があった。
温泉街のメインの通りからは少し離れた所にあり、地元の定食屋っぽい感じ。
ここなら1人で入るハードルも低そう。
気がかりだったのは17時の時点で全くお店がやってる雰囲気がなかったことだ。
もう少ししたら開店するのだろうか。それとも以前やっていた店の跡地なのか、今日は定休日なのか。
外見だけ見ると閉店してる可能性も十分あるなという感じだった。

温泉から出て、店に向かうと明かりがついているのが見えた。
やった!
あとは混んでさえなければ完璧。
扉を開けると客はカウンターにサラリーマン風の男の人が1人と、奥に少し人がいる気配がしただけ。

僕は入り口のメニューで目をつけていた鶏ちゃん丼を頼んだ。
その店は老夫婦が2人で営んでいるようで、昔ながらの定食屋という雰囲気に、カウンター横に設置されたテレビを見ながら食事をすることがすごく懐かしさを覚えた。


食事を終えるとそのまま宿に向かった。
ケチってゲストハウスにしたのだが、一緒に泊まっていた女の子と仲良くなるみたいな展開も期待していた。
まあ結果として他の宿泊者と会うことすらなかったが。
まだ時差ボケが抜けていない上に昼間の疲れもあって9時くらいにはもう眠りに落ちた。



2日目に入ったと思ったらもう最終回


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