防災食の下剋上【パスタの乱】
ライフラインのなかでも群を抜いて重要なのは
水道と電気
ガスや電信も重要なインフラだが
生死に直接※影響しない。
※間接的な影響は絶大
北海道や千葉県で長時間の停電が問題になったのは
電気が通じないことだけではなく
水道水の供給も滞ったからだ。
あえて申すまでもないが大規模な水道施設に
ポンプは不可欠
ポンプを動かすには電気が必要
逆説的に【水道が復旧したらどうにかなる】
水道さえ無事ならお米を研いで自家発電機で
炊飯器を利用する。
カセットコンロで飯盒炊爨する。
その選択が可能になる。
しかし水道が止まったらお米を研ぐのは厄介だ。
【無洗米】があるじゃないかと
お叱りをうけそうだが
無洗米の流通比率は10%以下
農林水産省の少し古い統計によれば
平成18年度における
付加価値米の流通比率は17%である。
付加価値米とは【南魚沼産こしひかり】
などの【特別栽培米】と【無洗米】等の総称
付加価値米における【無洗米】の比率はおよそ40%
15年ほど前の数値で若干【無洗米】が
増えているかも知れないが当時の水準で
全流通米の7%程度が無洗米だった。
現状でも1割は超えていないだろう。
電気があれば普通精米を無洗米化するのは
それほど困難ではないが電気も水道も
途絶している状況を鑑みれば本末転倒
【無洗米を被災地へ集める】
のはライフラインが復旧すれば可能だろうが
自宅へ無洗米を保管している家庭以外は【ごはん】
が防災食の主役にはならない構造
私のようなひねくれ者は
『研がないで炊けばいいじゃないか!』とか
『備蓄用に無洗米を保管すればいい』と
異議を申し立てそうだ。
しかし、なるべくおいしい食事で士気を保ち
災害に立ち向かうという【防災食】の意義に反する。
『糠(ぬか)臭いごはんでも食べないと空腹で死にそうだ』
とならない限り【ごはん好き】国民の心は動かないだろう。
いつ訪れるかわからない災害に備え【無洗米】を退蔵しては
ローリングストックにならない。
米の劣化も防げない、精米したお米はなるべくすみやかに消費したほうが良い。
喜ぶのは【コクゾウムシ】くらい。
自動詞に【廃(すた)る】という語がある。
すたるのは【男】と【米】だけ。
日本人がどれほど米を愛しているのかわかる言葉である。
やはり【糠臭い】ごはんは炊き立てでも食べたくない。
水不足の救世主【パスタ】の出番がいよいよ待望される。
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