A先生との出会い 〜これからの事〜
私 浸潤性小葉癌のお話です
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A先生との出会い
いろいろ持参したものをガンセンターの受付で渡して、座る所を探すのも必死な待合室でモニターに自分の番号が出るのを待った。
番号が出て診察室に入ると、明るい優しい声の白髪の先生がいた。
「はーい。いろいろ見せてもらいましたからね。まずは診察するので見せてくれるかな?」
と言われ、上半身の衣服を脱いで診察台の上に横になった。
「これ、自分で見つけたの??すごいね!!どうやって分かったの??」
と、先生に聞かれて私は
「いや。違います!市の健康診断で。自分では触っても全然分からないです。」
と答えた。
「えぇ?市の健康診断?その検診の人、よく見てくれたねぇー!」
と言う感じで、良く見つかったね!と言う事をかなり言われた。その言葉の意味をこの時は全然分からなかったけど、これから先、ホント良く見つけてくれたなぁー!と、あらためて感謝する事になる。
今後の治療の事
先生からこれからのいろいろな方針を聞いた。
これから行う手術に向けての治療の事。
「お子さんはいますか?」
私が
「いません」
と答えると
「これから先、お子さんを希望されますか?治療中は妊娠する事が出来ません。もし、希望するなら、卵子凍結してから手術とかの話になるんですが、年齢的に現在38歳なので、この先妊娠する事もあるかも知れませんが乳がんの治療薬は少なくても5年は飲んでもらいます。治療は10年です。どうされますか?」
と、優しく言われた。
優しく言われたその言葉の先にある事は言わずもがな理解出来た。
目の前に現実を突きつけられて、諦めていた気持ちがまた思い出される様な感情が込み上げてきて、とても悲しかったけど、子供の事はもう諦めていたし、旦那さんとも話して、私の命を優先してすぐに治療を進めて行く事に決めた。
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