寿命は神様が決める事 自分らしい人生は自分が決める事

今の世の中では、人生に関する価値観の頂点に「健康長寿」が君臨している。
我が国の政府も国家プロジェクトとして力強く推進している。
この世に生まれたからには、健康で長生きしたいとは誰しもが願う事である。
この疑う余地のなさそうな絶対的価値観に、私は違和を感じている。
本当に「健康長寿」を皆が目指すべきなのか? と
恐らく一般論としては、健康長寿は悪い概念ではないだろう。
結果は喜んで受け容れよう。
国も意図的に推進している。
国が推進する理由は単純だ。社会保障費の抑制である。手間のかからない老人になって欲しいのである。
私は、「健康長寿」と同じ価値に「自分らしい人生の構築」を掲げたい。
人生の”量”(長寿)だけでなく、質(自分らしい人生)についてもっと大切にしなければならないと思う。
懸念するのは、高齢者以外の人口比率が減少している事だ。
超高齢化は総人口に対する比率であるゆえ、出生率や働く世代の人口減少が表裏一体で存在している。
若者や働き世代の”自死”があまりに多い。
家族計画として子供を設けない(または経済的に設けられない)若い世代の夫婦の考えも身近に聞かれる。
日本人として「自分の未来に希望を持てない」事が根底にあると考える。
国は社会保障制度の運営側から問題を考える為に、人口の数字を動かし得る部分のみに着目させ、啓発を図っている。それが、超高齢化や出生率なのだ。
「高齢者になったのだから元気で長生きしましょう」とか、「出産適齢期だからたくさん子供を産みましょう」等という、日本人としてどう生きるかというビジョンが全くない事を言うのは、もう終わりにして欲しい。
「日本人としてこれからの日本を考えてどう生きるか」をもっと真剣に考えよう。
未来の日本に希望を持てるような、「日本人らしい生き方」を考えよう。
まずはその礎となる「自分らしい生き方」についてもっと強くこだわろう。
「自分らしい生き方」の強化が「日本人らしい生き方」を築く。
ひいては日本人として強い誇りをもった親達が、漠然としてつまらない長寿志向にとらわれない、確固たる価値観のもと、多くの日本の子供を産んでくれるのではないかと考えている。
基本的な制度によって最低限の生活保障を得るべきだが、
貧しかろうが、万一短命だろうが、「自分らしく」、「日本人らしく」誇らしく生きていきたいと思う。
周囲の支援(社会)のあり方も大切だ。
長寿志向を盛り上げ過ぎず、短命を不幸にし過ぎず、その人らしい人生であるかどうかを最優先に考え、自分らしく生きたいという本人の意思と存在を、互いに認め合い、共存し合える社会にしたい。


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