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行儀が悪い姿勢は  体にはやさしい

椅子に座って足を組む、床に坐って
片膝を立てる、腕組みやポケットに
手を入れるのは行儀が悪く、
人前で行うと失礼に当たることも。

でも、これらの姿勢の癖は 
見た目には良くないかもしれないけど、
体にはやさしい体勢なのです。

目次

1 同じ体勢を続けると 体は悲鳴を上げ

2 姿勢の癖は 体をリセットする

3   貧乏ゆすりで 体をリセット

4    足組み癖は重心の偏りを自己調整する行為

5   頬杖や腕組みは、首肩にかかる負担を減らす

6   寝相が悪いのも 体をリセットする行為


1 同じ体勢を続けると                        体は悲 鳴をあげる


足組みや横座りをしていると、
「そんな恰好で座っているから
腰や膝が痛くなるんだよ」と
よくいわれます。

しかし、ネットで書かれている
「よい姿勢」を数時間取っていると、
疲れてくるし、腰も痛くなります。

お行儀が良いと言われている正座は、
30分もたたないうちに、
足がしびれたり膝が痛くなってきます。要するに、よい姿勢でも同じ姿勢を
長くとっていると、痛みやコリの原因と
なってくるのです。

同じ姿勢を取り続けるというのは、
思ったより筋肉を使うのです。

筋肉は、関節や体幹を動かすだけでなく
姿勢や体勢の維持にも大きく働いて
いるのです。


画面に向かい 集中して
デスクワークする場合などが、
その顕著な例です。


良い姿勢で作業しているつもりでも
体は硬直して固まります。

姿勢を維持する筋肉は、
使い過ぎると疲労して硬直して
固まってきます。
椅子に座っていた後、立った時に
腰が伸ばせない、伸ばすと痛い、
立ちっぱなしの後に 
しゃがみにくいなどの現象が
起きやすいのです。

ついつい座りっぱなしの時間が長くなるデスクワークは、重い頭を首や肩で
支えるので首や肩のこりに
つながります。

立ちっぱなしの体勢は、
体勢維持が不安定のため、
腰や脚に大きな負担が掛かります。

机や手すり、背もたれ、
壁などに体を接触せずに、
よい姿勢を保とうとすると、
限りなく体への負担は大きくなり、
あちこちが悲鳴を上げるのです。

姿勢の良し悪しではなく、
重心が安定するポーズをとることが
大切です。

つまり、時々、体をリセットさせてから、再起動させてやる癖を
習慣づけていただきたいのです。

 

  2 姿勢の癖は体をリセットする


椅子に座っていて足を組むと、
体に悪いどころか腰が楽になったり、
呼吸がしやすくなってリラックス
できたりします。

たまに、頬杖をつくことで、
重い頭を支え続けて
悲鳴を上げている首や肩を
休めることができます。

人前で正座を続けていて、
「どうぞ足を崩してください」と
いわれて、ホッとした経験のある方も
多いと思います。

あぐらにしろ、横座りにしろ、
立て膝にしろ、足を崩した途端、
痛みやしびれから解放されます。

腕組みポケットに手を入れるのは、
人前で行うと失礼に当たりますが、
実は体が安定するのです。

つまり、行儀が悪いとされている
姿勢の癖は、体を休ませてリセット、
リフレッシュさせるのに適しています。

これらの姿勢の癖は、
体を壊すどころか、
交感神経を緩めることで
体をリセットさせます。

それは、無意識のうちに偏った重心を
真ん中に寄せる姿勢に
なっているからです。

聞くところによると、
アメリカの学校では、
腕組みをしたり 頬杖をついて
授業を受けても、
日本のようにとがめられることは
ないそうです。

足組みも自由にしているとのこと。
結果としてその方聞いたことことがよく頭に入ってきて
効率は良いらしいのです。

たまには頬杖ついて首や肩をリセット


日本とアメリカの首脳が会談する時も、足を揃えて座っている
日本の総理大臣をしり目に、
米国の大統領は足を組んで座っている
ことが多いですね。

足を組む体勢から襲い掛かることは
やりにくいことから、
敵意がない=緊張感がない、
親しみを持っていることを
意味するのだそうです。

つまり、リラックスして
座っていることに繋がるのです。

パソコンでも、長いこと使い続くと、
繋がりが遅くなってきたり、
さまざまな不都合が生じてきがちです。

再起動することで サクサク行く場合
も多いですね!

パソコンと同じように 体も、
時々リセットしてから再起動すると、
能率も格段と良くなり、
体への負担の蓄積も解消されるのです。


3   貧乏ゆすりで 体をリセット


私が子供のころ、貧乏ゆすりをすると、
「行儀が悪いのでやめなさい」と、
祖母や母親に怒らたものです。

しかし、最近では、
貧乏ゆすりが体に良いと、
医師の先生も推奨されるように
なっています。

貧乏ゆすりは、固まった筋肉を緩め、
血行を促すため、
ディスクワークの人がたまに行うと、
席を立たずとも、
体をリセットできるためです。

最近、貧乏ゆすりが体に良いと
言われ始めました!


この10年で、「貧乏ゆすり」に対する常識が変わりました。
体を動かして仕事をしたり、遊んだりするよりも、
椅子に腰かけて過ごす時間が長くなったことにより、
筋肉や関節が固まる傾向になったことが原因のようです。

貧乏ゆすりは医学的は「ジグリング」
とも呼ばれ、
正しいやり方は
椅子に座って股関節と膝関節を
直角に曲げて、
足趾の先を床につけて踵を浮かせて
上下させます。

ディスクワークの方、
車の運転が長い方など、
30分おき、または、信号待ちの時などに
貧乏ゆすりをすると、次のような
効果が期待できます。

①  血流を改善させる


ふくらはぎの筋肉が緩むことで、
圧迫されていた静脈が開放されて、
全身の血行がよくなります。

これにより、むくみや冷えの改善、
血栓の予防などの効果が期待でき、
エコノミークラス症候群の
予防にもなります。

  ② 集中力を向上させる


血液循環が促進されることで、
頭に血液がめぐりやすくなり、
集中力が増すメリットもがあります。

③     デスクワークで  長時間         座りっぱなしの人のリセット


デスクワークは、長時間
座りっぱなしになる事が多く、
血行不良むくみ、筋肉や関節が固まることによる腰痛坐骨神経痛
肩関節痛膝関節痛が起こり易く
なります。

30分に一回くらい、席を立つ代わりに
貧乏ゆすりをすると、
足の血流改善効果が期待できます。
血流、リンパの流れが
良くなることで
脚の冷えやむくみなどの
軽減につながります。

また、動かさないことで
凝り固まりやすくなる
下肢の筋肉の柔軟性を高める効果も
期待でき、腰痛の予防にもなります。

立ち上がった時に腰や膝が
伸ばしにくい、
動き初めの痛みがある人に
おすすめです。

④    変形性股関節症、五十肩などの運動法に最適


股関節や肩関節などの、 
ハマりが不安定な関節
負担をかけずに運動ができます。

貧乏ゆすりをすることで、
股関節や膝関節の関節軟骨の
栄養補給が促進され、
関節症の痛みの軽減や軟骨の再生、
関節可動域の拡大などの
効果が期待できます。

四十肩・五十肩の人も、
腕を細かく振ることで、
関節に負荷をかけずに運動ができ、
可動域の確保と増大に効果的です。


4    足組み癖は重心の偏りを自己調整する行為


椅子に座ると、重心側のお尻が
椅子の座面に密着
し、
腰痛や坐骨神経痛の原因となります。

そんな時、重心側の足を組むことで、
重心の位置は逆方向に移動して、
真ん中に寄ります。

つまり、足を組むことで偏った重心を
自己調整することができるのです。

足を組むことで右に偏った重心が
左方向に移動する

足を組む癖は体をゆがませるので、
たまに逆側の足を組むように
気を付けるようにという
ネット情報を見ますが、
いつもと逆の脚を組むと、
さらに、重心の偏りは増大します。

右重心タイプの人は、右足を上に組むと重心は左に寄ります。
しかし、左の足を組むと
重心はさらに右に寄ってしまうのです。

むしろ、足を組む行為は、
重心を安定させる魔法
なのです。

椅子に座る時間が長い場合、
たまに、組みやすい側の足を組んで、
重心側の腰やお尻に掛かる負担を
リセット
することが おススメです。

右重心の人は、足の裏を合わせ
て股関節を開く体勢では、
重心は大きく右に移動します。
この場合、立て膝やあぐらをすることで、重心が安定します

この立て膝やあぐらの癖に、
ちょっとした魔法をかけると、
重心が真ん中に寄って
さらに安定します。

右重心の場合、立て膝している側の
すね
を左手で触ってみましょう。
あぐらの場合は、下に組む側の
太もも
を触ります。

その瞬間、右に偏った重心が
真ん中方向に移動します。


左重心
の場合は、立て膝では
右手で右のすねを触り、
あぐらでは右手で右の太ももを
触ればよいわけです。

あぐらや立て膝で、
重心側と逆の手で頬杖をついても、
偏った重心は中央に寄ります。

このポーズをすると
左に偏った重心が
右に移動して安定します

実は、重心は、下半身にある
おへその下の重心のほか、
上半身にも重心があります。

鳩尾(みぞおち)の上、
胸骨という骨の尖端(剣状突起)です。

下半身の重心が偏る方向と
上半身の重心移動の方向は、
左右逆になることを 
うまく使うわけです。

立っている時も、腕を組んだり
重心側と逆側のポケットに
手を入れる
ことで、重心は真ん中に
寄り、体勢が安定します。

行儀が悪いという姿勢や癖は、
えてして体にはやさしいのです。

座る時も同じです。足の裏を合わせて
股関節を開く体勢では、
重心が顕著に偏ります。
立て膝あぐらを行うことで、
重心側に偏っていた寄っていたのが 
真ん中方向に戻ります。

つまり、姿勢の癖は体に悪いと
いうより、その行為により
重心が安定することで、
体が疲れにくく、負担が掛かるのを
防ぎます。

足組みや立て膝をすると
重心が安定して楽なため、
無意識で行っていることが多いです。

だからこそ、姿勢の癖を見るだけで
生まれ持った重心タイプを知ることが
できる
わけです。

5   頬杖や腕組みは、 首肩にかかる負担を減らす


頬杖腕組み
ポケットに手を突っ込む癖は、
人前で行うと失礼に当たるかも。
しかし、これらは、
上体の重心を安定させ 
重い頭を支える首や、
ハマりが浅く不安定な肩関節を
安定に導く行為なのです。

頬杖をつくことで、
重い頭を支える首や肩はもちろん
噛みしめによる顎への負担も
リセットできる 


頬杖は、顎をゆがませると言われますが、コレもちょっと違います。

非重心側の顎を手のひらで受けると、
下あごのズレに沿う形の
頬杖となります。

また、重心側の顎を中手骨の甲側で
受ける
と、下あごのズレに沿う
頬杖となります。

ポケットに手を入れる場合、
荷重側の手を同側じのポケットに
入れることで、重心が安定します。

肩関節は可動が大きいのに
ハマりが浅く不安定なため、
手をポケットに入れることで、
荷重側の肩にかかる負荷を
減らすだけでなく 
同側の足腰への負担も減らすことが
できるのです。

非重心側=荷重側の肩が 
なで肩のように下がる人には、
とりわけ効果的です。

片側のポケットに手を入れることで
荷重側に掛かる負荷を
減らすことができる。


腕を組む行為も、重心を安定させます。腕をしっかり組む場合、
非重心側の腕を上にして、
重心の肘の間に逆側の手を
差し込みます。
または、重心側の手で下から
逆側の肘をつかむ形で行います。

腕を組むことで、
右側に偏った重心が 
左に移動する


例えば、右重心の場合、
右上腕を上にして組むことで、
上体の重心が左に移動して、
右に偏った全体の重心が
中央方向に戻るのです。

重心を安定させることで 
筋肉や関節はリセットされます。
人間は、両脚で体を支え、
二足歩行が故に
不安定な要素が強く見られます。

同じ体勢を撮り続ける時、
よい姿勢を取らなければならない時も、
たまには重心をリセットして、
筋肉を休めてあげることが
必要なのです。


6     寝相が悪いのも 体をリセットする行為


朝起床時に、肩の関節や首が固まって
動かしにくい、腰が伸ばしにくい、
伸ばすと痛いという人が
多くみられます。

寝違えはもちろん、ぎっくり腰
朝に起きやすい傾向があります。
同じ体勢で寝ていると寝ている間に、
筋肉や関節が固まってしまうためです。

本当は、寝相が悪いのは、
体には良いことなのです。
ゴロゴロと動くことで
寝ている間に、体がメンテナンス
されるからです。

寝返りを行うことで、
固まりかけた筋肉や関節が緩み、
滞った血行が改善されるのです。

寝相が悪い方が、体がリセットされ
起床時のぎっくり腰や
寝違いのリスクが減らせる


昔は、寝相が悪いのは行儀が
悪いと言われていましたが、
本当は、知らぬ間に体を
メンテナンスしていたわけです。

寝ている時は、副交感神経
活発に働きます。
寝返りもそのメンテナンスの
一環として行われるのです。

ストレスや疲労の蓄積で、
寝ている時に交感神経のスイッチが
切れない
と、副交感神経が働かず
寝返りも満足に打てません。

そうなると、同じ寝方を続けることに
なり、朝起きた時に、筋肉や関節が
固まって作動しないのです。
 


<おわりに>

寝相に限らず、
行儀が良いと言われる
姿勢・体勢や動作
は、
交感神経が優位に働いており、

行儀が悪いと言われる
姿勢・体勢や動作
は、
副交感神経が優位に働いているのです。

つまり、楽な姿勢、体勢は
体に負担が掛からず、
筋肉や神経をリセットして、
痛みを和らげてくれます。

しかし、時と場合によっては、
見栄えも大切なこともあります。

体に負担が掛からず かつ、
姿勢がよくなる【重心の魔法】
当サイトでお伝えして
行けたらと思っております。




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