中島みゆきの世界 【音楽+イラスト】
ずいぶん久しぶりnoteだ(^^)
GW狂想曲も終わり、再び日常に。
クラシックばかりでは肩も凝るので、たまには日本のポップスなどを。
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日本の大衆歌謡やポップスなどに何の魅力も感じなくなってずいぶん久しい。
しかし、唯一、中島みゆきの歌だけは今でもよく聴く。
若い頃から関心があった訳ではなく、むしろ彼女が中年を迎えた以降の曲に魅力を覚えるようになった。
きれいごとでだけで人生を生きてきた坊っちゃん、お嬢ちゃんには中島みゆきの世界の深みは理解できないだろう。
『倶(とも)に』
詞・曲 中島みゆき
♫
倶(とも)に走りだそう
倶(とも)に走り継ごう
生きる互いの気配が
ただひとつだけの灯火 ♫
♣ ♣
むしろ和声の進行もメロディも古い時代のものに属する。
しかし彼女の歌の魅力はそのようなところにあるのではない。
鼻歌のように自嘲気味に呟いていたかと思えば、時にすすり泣き、時に絶叫し、一転して深いブレスと力強い声で真正面から生きることの希望と決意を朗々と歌い上げる変幻自在の表現力。
人生の奥深い部分の哀しみと仄暗い情念のマグマを突き抜けて吹き上げる歌声は、ともすると時代遅れの革命歌のように聞こえなくもない。
しかし、少なくとも職業的に訓練され整えられた芸能人歌手の歌唱とは明らかに異なり、1960〜70年代の荒々しさと熱量をそのまま受け継いだ最後のフォークシンガーだろう。
♣ ♣ ♣
♫
風前の灯火だとしても
消えるまできっちり点っていたい
倶(とも)に走りだそう
倶(とも)に走り継ごう
生きる互いの気配が
ただひとつだけの灯火 ♫
一人ひとりが孤立して佇み、屈折を抱え込んだ今の時代において、もしも《支え合う》ということが可能だとすれば、こういう形しかないだろう。
♣ ♣ ♣ ♣
そんな彼女の歌手人生も、間もなく幕が下りようとしている。
名残り惜しいので、もう一つおまけに
やっぱり、これかなぁ…