『君の名は。』 【2019アニメ邦画】【タイムトラベラー:瀧と三葉】
【お勧めコメント】
タイムトラベラー 第20,21人目
新海誠監督・脚本作品、後に『天気の子』『すずめの戸締まり』を公開。
毎回、難解な作品だと思います。この作品もタイムリープと言っていいのか迷います。ただ、人格の入れ替わりにより、3年時間軸のズレがあるので、タイムリープと言えると理解しました。
入れ替わりによって、住民の被害を食い止めた。歴史を変えたことのタイムパラドクスはなかったのだろうか?
この映画の好きなところは、広い東京で運命的に二人が出会うところ。
入れ替わりとタイムリープを一緒にするなんて発想が凄い、流石は新海監督です。
では、また。
【作品情報】
『君の名は。』、2016年公開の日本のアニメ映画。コミックス・ウェーブ・フィルム製作。新海誠氏脚本・監督。主演(声の出演)は神木隆之介さんと上白石萌音さん。作画監督は安藤雅司氏、キャラクターデザインは田中将賀氏が務めた。
東京に暮らす少年・瀧(たき)と飛騨地方の山深い田舎町で暮らす少女・三葉(みつは)の身に起きた「入れ替わり」という謎の現象と、1200年ぶりに地球に接近するという「ティアマト彗星」をめぐる出来事を描く。
前作『言の葉の庭』から3年ぶりとなる、新海監督6作目の劇場アニメ映画。『星を追う子ども』以来2作目の製作委員会方式を取り、前作『言の葉の庭』が東宝映像事業部配給、全国23館だったのに対し、本作は東宝が配給を担当し全国約300館という大規模な興行となった。
日本国内の興行収入が250.3億円を超え、当時の日本歴代興行収入ランキングでは『千と千尋の神隠し』『タイタニック』『アナと雪の女王』に次ぐ第4位となった。世界での興行収入は3.61億ドル(日本円で414.4億円)を記録し、日本映画では世界歴代興行収入で『千と千尋の神隠し』に次ぐ2位。
【ストーリー】
東京の四ツ谷に暮らす男子高校生・立花 瀧は、ある朝、目を覚ますと飛騨地方の山深い田舎町である糸守町に住む女子高生で宮水神社の巫女を務める宮水 三葉になっており、逆に三葉は瀧になっていた。2人とも「奇妙な夢」だと思いながら、知らない誰かの一日を過ごす。
翌朝、無事に元の身体に戻った2人は入れ替わったことをほとんど忘れていたが、その後も週に2、3回の頻度でたびたび「入れ替わり」が起きたことと周囲の反応から、それがただの夢ではなく実在の誰かと入れ替わっていることに気づく。性別も暮らす環境もまったく異なる瀧と三葉の入れ替わりには困難もあったが、互いに不定期の入れ替わりを楽しみつつ次第に打ち解けていく。
しかし、その入れ替わりは突然途絶え、何の音沙汰も無くなった三葉を心配した瀧は、記憶をもとに描き起こした糸守の風景スケッチのみを頼りに飛騨へ向かう。瀧の様子を不思議に思い、心配していた友人の藤井 司とバイト先の先輩の奥寺 ミキも同行する。しかし、ようやく辿り着いた糸守町は、3年前に「ティアマト彗星」の破片が隕石となって直撃したことで消滅しており、三葉やその家族、友人も含め住民500人以上が死亡していたことが判明。この事実を知った瀧は、激しくショックを受ける。
しかし、瀧は以前三葉と入れ替わっている時に口噛み酒を宮水神社の御神体へ奉納した記憶を思い出し、2人と別れて町のはずれのカルデラの中心にある御神体へと一人で向かう。そして、その御神体が実在していたことで「入れ替わり」が自分の妄想ではなく、2人の入れ替わりには3年のタイムラグがあったことを確信する。瀧はもう一度入れ替わりが起きることを願いながら、3年前に奉納された三葉の口噛み酒を飲む。
目覚めると隕石落下の日の朝の三葉の身体に入っていた瀧は、三葉の友人である勅使河原 克彦、名取 早耶香の2人と共に、住民を避難させるために変電所を爆破し町一帯を停電させ、町内放送を電波ジャックして避難を呼びかけるという無謀な作戦を画策する。しかし、その計画の要である三葉の父(町長)・俊樹を説得しようとするが、妄言だと一蹴される。
避難計画は順調に進まず、三葉本人なら町長を説得できると思った瀧(身体は三葉)は、三葉(身体は瀧)に会うため御神体がある山を登る。その途中で、瀧は当時中学生だった3年前、見知らぬ女子高生に声を掛けられたことを思い出す。その女子こそが、瀧に会うためにはるばる東京へやって来た、三葉だった。三葉の自分に対する想いに初めて気づいた瀧は、涙を流しながらも、山を登り続ける。一方で三葉は瀧がどのようにふるまうか期待と不安を抱いて東京に行ったのだが、瀧が自分のことを知らないと分かった後、町に帰ってから髪を短く切っていた。
御神体のところで瀧の姿で目覚めた三葉は、外輪山に上り彗星の破片の落ちた町の跡を見た。一方、三葉の姿の瀧は三葉の名を叫びながら外輪山を駆け上がっていった。2人が生きている世界には3年のタイムラグがあったため、時を超えて聞こえる声を頼りに互いの姿を探すが、声だけで姿は見えなかった。しかし黄昏が訪れるとお互いの姿が見え、入れ替わりが元に戻り、初めて2人は時を超えて、直接会話することができた。周囲は暗さを増してカタワレ時も終わりかけている時、瀧はフェルトペンを取り出し、「目が覚めても忘れないようにさ」と言いながら三葉の手のひらに何かを書く。そして、「名前を書いておこうぜ」と続けて三葉にフェルトペンを手渡す。しかし、三葉が瀧の手のひらに文字を書き入れようとした瞬間にカタワレ時は終わってしまい、2人はそれぞれ元いた世界へ引き離されてしまう。
三葉は、瀧から住民らを救出する計画を引き継ぎ下山する。勅使河原と計画通りに町を停電させ、早耶香が避難指示の放送を流すが、その電波ジャックも町役場に見つかって阻止され、避難は進まない。改めて父親を説得するために町役場へ向かう三葉だったが、途中の坂で転倒してしまい諦めかける。いつの間にか瀧の名前を忘れてしまっていた三葉は、名前を思い出すために手のひらを開く。そこには「すきだ」と書かれていた。その言葉に励まされた三葉は前を向いて、再び町役場へと走り出す。そしてその後、ティアマト彗星の破片が糸守町に落下した。
月日は流れ、瀧が「入れ替わり」という不思議な出来事に遭ってから5年後、たまたま住民が避難訓練をしており、ほとんど死者が出なかった糸守町への隕石衝突から、8年後へと舞台は移る。
瀧は就活に苦戦する毎日、三葉たちは東京で暮らしていた。たまに町中でお互いの気配を感じることはあったが、もはや入れ替わりのことは忘れており、ただ「漠然と『誰か』を探している」という、切実な思いだけが残っていた。
さらに月日が流れたある春の日、たまたま並走する別々の電車の車窓からお互いを見つけた2人は、それぞれ次の駅で降り、互いの下車駅に向かって走り出す。そして、ようやく住宅地の神社の階段で再会した瀧と三葉は、涙を流しながら互いの名前を尋ねた。
【主要人物】
立花 瀧(たき)声 - 神木隆之介
本作の主人公の1人。東京の都心に住む男子高校生。2016年夏の時点で17歳、東京都立神宮高校の2年生(2年C組の隣のクラス)。実際は三葉より3歳年下。誕生日に関しては、新海は「僕のなかでは2人ともなんとなく12月1日生まれということにしていました」と述べている。
霞が関勤務の父と2人暮らしのようで、新海は「母親は数年前に離婚したんだと思っています」と述べている。家からは東京タワーが見える。絵を描くことが得意で、建築や美術に興味を持っている。
日々友人らと楽しく過ごし、イタリアンレストラン「IL GIARDINO DELLE PAROLE」でウェイターのアルバイトをしており、同じバイト先の先輩・奥寺ミキへ密かに好意を寄せている。
好色な一面もあり、宮水三葉と入れ替わった日は起床後に毎回彼女の胸を揉んでおり、その様子を起こしに来た妹の四葉に見られていたため、カタワレ時に入れ替わりが解けて直接2人が出会った際には、三葉に文句を言われていた。
外伝小説では三葉になっている時に炊事当番として、レストランの料理を簡略化したものを振舞っている。
宮水 三葉(みやみず みつは)
声 - 上白石萌音
本作の主人公の1人。山深い田舎町の岐阜県糸守町に住む女子高校生。2013年夏の時点で17歳、岐阜県立糸守高校の2年3組。実際は瀧より3歳年上。黒髪をえんじ色の組紐で結んでいるが、終盤では組紐をカチューシャにしている。好きな動物はハリネズミ。大雑把だが裁縫が出来るなど女子力はある。
妹の四葉とともに宮水神社の巫女を務める。母親の二葉はすでに病死、町長である父の俊樹は家を出ており、祖母の一葉、小学生の妹の四葉と3人で暮らしている。祖母との衝突の末に出ていった父親に対し、複雑な感情を持っている。
家系の神社や父の選挙運動、田舎の生活などに嫌気がさしており、東京での華やかな暮らしに憧れている。エピローグでは東京で暮らしている。
性別的な矜持から立花瀧との入れ替わりでは、彼が勝手に自身の体を触ったり、入浴したりすることを禁止している。