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【読書感想文】高学歴男はなぜモテないのか

イントロダクション

エッセイストの犬山紙子氏が今までに見聞きした高学歴男性の「痛い」エピソードを披露する。高学歴男子と銘打ってるが、中身としては【こんな男が嫌われる! 】というもので、学歴はあまり関係ない。エッセイストとしても高名な同氏の意地が悪い、しかし鋭い鑑識眼が光る。

ポイント1.「高学歴男」はモテそうでモテないという生き地獄

まず、高学歴男性に殊更興味を持つのは高学歴男性が周囲に「居ない」女性であろう。高学歴女性は良くも悪くも気になる男性を落とす方法を考え、アプローチするだろう。つまり高学歴に惹かれる女性はその時点で高学歴に幻想を抱いており、そこからの減点方式で見られる。

そもそも恋愛で結局重要なのは、コミュニケーション力と打たれ強さで学歴はあまり関係ない。(収入は関係ある)。むしろ頭が半端に良い分、自分を守る術に長けてるので恋愛市場からドロップアウトしがちだ。

ポイント2.女性の感情を無視した「的外れアプローチ」
正直学歴は関係ないと思うが、
高学歴男性のしがちな行動の1つが理屈や議論化のように会話してしまうといった、女性の感情を無視した挙動をすることだという。具体的には以下の行動だ。
・女性の嫌いなタイプ上位に来るのが屁理屈攻めする男
・映画鑑賞中に先を予想して喋ったり独りよがりな解説を入れる男
・やたら上手いことを云おうとする男、大喜利をみんなの前でやるなど。「TPOとは?→とっととポロリしろおっぱい」ドヤ。みたいな。
そういうやつは大体「俺面白いだろあーん?」オーラが出てるらしい
・「あえて言うけど」「いい意味で」を多用する男
・すぐ分析したがるところ。分析好きと説教好きは同じタイプである。

ポイント3.痛い行動とは
痛いとはどういう状態だろうか。「格好いいと思われたい」「(女性を)持ち帰りたい」などの下心故の不自然な行動が、周囲にバレている状態のことだ。こういうのは大抵、伝わっている。例えば…
・硬派を気どる男
・他人の童貞などコンプをいじることで、上の立場に立とうとする人
・モテようと過去の彼女の秘密をあっさりネタにする人

しかし人間、痛いところは誰しもあるもの。じゃあ痛い人と痛くない人の違いはというと、犬山氏は「かわいげああるか」だと分析する。例えば…
・好きな女の子の前でお酒に強いふりをする
・実は、○○ちゃんはどうなの~?みたいなセクハラでなければ、下ネタはOKなんだとか。(これ痛いとか言う話か?)
・セフレいる?→俺は本気だったのに向こうは遊びだったことはあるかな、とか。
非モテをアピールしながら…
・彼女がいないと言いながら、「1年くらいいない」という引かれない程度の痛さ(これは計算)
・俺セックスが下手そうな顔ってよく言われるんですよ~
というように女にいけるかも?と思わせつつ引かれない程度のスパイスをちりばめるのは恋愛強者

最後に


この本はエッセイとしてとても面白いものなのだが、基本は女性が一方的に男性を値踏み、けなすものだ。正直、本書を取るのは男性が多いと思うが、女性の方が楽しめるんではないかと思う。

本書には犬山氏が集めた女性達が高学歴男性について語る座談会があるが、ものすごい勢いで些細な言動や立ち振る舞いを馬鹿にする。「え?俺の彼女?美人だよ?」みたいな惚気すら馬鹿にするのは容赦がない。ちょっと嫌らしいのは犬山氏は割と女性のことも適度にディスるので一見中立の様な位置を維持すること(笑)

畢竟、本書の見解に正義や公平性などは根底になく、高学歴・高収入男性が「一方的に女性側のモノサシに従って気に入られるにはどうすればいいか?」という本であることは要注意だ。

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