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ちょこっと夏の思い出怪談話?PART1

 若かりし頃私も推し活(当時は追っかけと言った)をしていました。
 出待ち入り待ちに、ライブの後はファン仲間と飲みに行き、推しの話に花咲かす。
 時は平成でしたが、昭和のテクニック、ダビングがまだまかり通っている時代でした。
 あまりお金もなかったので、全てのCDを持っていたわけではなかったので、友達にCDを借りてダビングしたり、ダビングを重ねて音の悪くなったテープをさらにダビングしたりしていました。
 その最中に経験したお話です。

 それはライブの後ファン仲間達と飲んで騒いでカラオケなんかもして、終電で帰り着いてからの事でした。同郷の友人と一緒に参加したので彼女は私の部屋に泊まる事に。 
 興奮冷めやらぬ私達は深夜にも関わらず、ライブの話で盛り上がっていました。
 彼女は明日には帰ってしまうので、彼女の持参したテープをダビングしていたのです。
 ダビングの終わったテープを私は喜んでウォークマンにセットするとイヤフォンをしてワクワクしながら聴き始めました。
 するとザワザワという音と共にメインの音楽ではなく複数の話し声と言うか唸り声のようなものが聞こえてきたのです。
 え?ダビングのし過ぎと言ってもこれは…。
 友達にも聴いてもらった所、彼女はバッとイヤフォンを外しました。 
 ウォークマンが壊れているのかなと、まだ諦めきれなかった私はCDラジカセなら大丈夫かもと思い、そちらで再生を試みました。
 やはり複数の唸り声がザワザワと聞こえてきて、ゾワッと背筋が寒くなり
「止めよう。」
 彼女の一声で停止ボタンを押しましたが、なぬ?止まらない。何度押してもどこを押しても止まってくれない⁈
 怖い怖い!パニックになり、コンセントを引き抜いて、それはやっと止まりました。
 ゼェハアゼェハア。

 残念ながらそのテープは怖いので後日処分しましたが、友人が自宅でダビングしたテープをわざわざ郵送にて送ってくれたので、楽しく聴く事が出来ました。
 友よありがとう。

 今ならわかるのですが、夏で暑かったので窓を開けていました。(エアコンがまだ買えなかった。)
 そして我々は若くライブの後と言う事もあり、とてもエネルギッシュでした。

 そこから導き出される答えは…。 
 皆さん薄暗くなってきたら窓は締めましょう。
 良からぬものが入って来ることがあります。
 深夜2時とかもう絶対に駄目です。あっ。でも冷房ないとか言う場合は窓開けてないと命が危ないのでその限りではないのですが。と言うか冷房設置しましょう。防犯上の為にも。
 それから深夜の録音とか録画とかやめた方がいいです。写真とかもね。うっかり何かが…。

 若者の推し活エネルギーってきっとあちらさんにとって格好の餌食だった事でしょう。
 何?何か凄いエネルギー感じるけど行ってみようぜってな感じで思わず引き寄せられて来ちゃったんでしょうね。
クワバラクワバラ。

 ちなみに前の晩の夕飯にカレーライスを振舞ったのですが、彼女にとってはこちらの方が衝撃だったようで、次に遊びに来た時に言われた一言が
「また具のないカレーとワカメサラダがでるのかな?」
 でした。
 具はあったよ。人参とじゃがいもが。多分だけど肉も少し入ってたんじゃないかな。多分…。
 バランスを考えてサラダをつけたんだよ。ふえるわかめちゃんを。ドレッシングなんて割高だから醤油をかけたけど。
 ごめん。今ならもっとちゃんとおもてなしできる。

 懐かしい夏の思い出怪談話?でした。

夕暮れが迫り来るこの瞬間が好きです。


 

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