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「真夏のシンデレラ」最終回感想

特に波乱もなく予定調和な最終回でした。

以下、ネタバレです。



夏海と健人と匠

交通事故で夏海をかばった幼なじみの大工の匠。彼は脚に大怪我を負い、大工に復帰することが難しいかもと医者に告げられ弱気になり夏海に「側にいて欲しい」と言ってしまう。
責任を感じた夏海は匠の側にいることを決意し、健人に別れを告げる。老成している健人は落ち着いて別れを受け入れる。

それにしても健人を演じてる間宮祥太朗、真夏の恋の物語の主人公のイメージではなかった。終始落ち着いており服装もシックな感じで老成という言葉がピッタリな感じだった。夏海は健人のどこに魅力を感じたのか。自分の周りにはいない落ち着いた大人の雰囲気に惹かれたのかな。夏海の周りの男って、年の割に幼い弟にクズの父親さらに自分勝手な幼なじみだけだしね。

夏海と別れた健人は仕事に打ち込む。後輩のミスで窮地に追い込まれたプロジェクトも健人の頑張りで乗り越える。しかし、充実感を感じられない健人はその原因に気付く。

夏海がそばにいないことに。

健人は夏海との交際に反対した社長である父の元へ行き「自分の人生を生きたい。夏海が必要」と訴える。最終回という空気を察した父親は「好きにしなさい」とあっさり認める。

いやいや、お父さん、あっさり認めすぎ!最終回を忖度し過ぎ!

父と健人の夏海を巡る確執なんてもっと早い段階で描くべきだったのでは?

「他人の人生を歩いているよう」と言う割に父親の別荘を使い倒してるしね、健人は。

建築士なら湘南のどっかに自分で山小屋を建てるくらいの気概を見せて欲しかった。そこで湘南ガールたちと出会い、一緒に小屋を建てるうちに色々とあって……もう終わったからこれ以上はいいか。

とにかく仕事を終えた健人は会社を出ながら夏海に電話をかける。

一方、沈みがちな夏海の様子に気付いた匠は健人の元へ行けと夏海の背中を押す。夏海が幸せになることが俺は嬉しいと。



匠、最後はいい奴になりました。高校のクズ教師に恋しなければ、君こそ夏海とお似合いのカップルになれたであろうに。

健人に電話をかける夏海。仕事中なのか留守番電話になってしまう。
急ぎ足になる夏海。その足元は健人からプレゼントされたクジラのサンダルが。そのサンダルが夏海を健人の元へいざなう。

夏海に電話をかける健人。つながると二重に聞こえる声。振り向く健人の目に夏海の姿が映る。

抱き合う二人。

めでたしめでたし。

アンドロイド成長物語

エリート研修医でアンドロイドの修。愛梨と別れ仕事に集中できるかと思いきや、そうでもなくて戸惑いを守に訴える。修と別れたばかりの愛梨に告った守はあっさり愛梨に振られ、再び修を応援することにした。

この切り替えの速さ、さすがです守君。その咬ませ犬の立ち位置は同情します。司法試験合格を祈ってます。

守の助言に押されたアンドロイド修。海辺にいる愛梨の元へ駆け寄る。その走る姿はぎこちない。手足の連動がイマイチ。涙も上手く抑制できていないし、体の操作がまだまだの様子。

「もう一度チャンスを」と頭を下げる修。
「うん、いいわよ」
驚いて顔を上げた修。
笑顔の愛梨。
「本当にいいの?」
「うん、だって修君と付き合えるのは私しかいないでしょう」
修の頬にキスする愛梨。

唇ではなかったことにフリーズしかかる修。修をアンドロイドから人間にすることが出来るのは確かに君だけだよ、愛梨ちゃん。

その後、一人前の顔をして健人に恋のアドバイスをする修。

修、成長速すぎ!

私個人としては修を押してました。エリートだけど人並みの感情が理解できないというアンドロイドっぽい演技が良かった。

シングルマザーと変態医者

初回、シングルマザーのオグ姉が海で溺れ、それを助けたライフセーバー。彼はその後自分の部屋にオグ姉を連れ込み裸にしてベッドで一緒に寝る。その彼は後に医者でもあると判明。

非常識な行為だろうに。救急車呼べよ。よくこんな脚本書いたし演出も認めたよな。こういう行為が許されたのは一昔前の事でしょうに。今では法改正もされてるしね。いまだにこういう脚本や演出をするってどうなんだろう?時代設定が一昔前ならいいけど、今年の夏の設定なのに。

脚本家は女性のようだし看護師の経歴をお持ちのようですが、この感覚で大丈夫だろうか。

これって刑法第178条2項に抵触する可能性ありでしょ。未遂犯への処罰規定もあるようだし。法律に詳しくないけど、この医者はオグ姉が訴えたらヤバい思う。

これ以来、この人物には好意の目で見れない。演じた役者さんに罪はないのだが。

普通に救急車呼んで、病院まで同乗して状態が落ち着いた事を確認して名前を告げず去る。気が付いたオグ姉は命の恩人を探す、という流れで良かったと思うのだが。ライフセーバーも医者だし、医者のツテをたどれば見つけやすいだろうしね。探しているうちにオグ姉に医者への恋心が芽生えても不思議じゃない。まぁ過ぎた事を言っても仕方がないけど。

そんな医者に九州へ転勤話が持ち上がる。唐突すぎるやろ。健人の父といい医者といい最終回でいきなりはないよ。もう少し早い回で転勤話を出して葛藤する様子でも描けば医者の人格に深みがでたのにね。

医者はオグ姉に求婚。オグ姉は「湘南で生まれた女やさかい、九州ヘはようついていかん」と名曲「大阪で生まれた女」ばりに断る。

荷物を段ボール箱に詰め込む医者。最後に残ったのはアニメ映画「秒速5センチメートル」のDVD。

そう言えば、以前、この二人はこのアニメ映画で盛り上がっていた。「秒速5センチメートル」は遠距離恋愛の悲劇を描いたアニメ映画なので、その伏線の回収だったのだろう。この二人はこうなる運命だった。

九州で「秒速5センチメートル」を見るたびにオグ姉の事を思い出したりするのだろうか。

ちなみに、「秒速5センチメートル」を未見の、特に男性諸氏。見ると心がえぐられる可能性があるので御注意を!

まとめ

最終回も突っ込みどころ満載だったけど、予想通りの着地点だった。

オグ姉は離婚したシングルマザーなので「シンデレラ」にはなり得ない。

大工の匠と司法試験浪人の守は、その設定上「王子様」ではない。

結局、王子様キャラは、大会社の御曹子の健人とエリート研修医の修であり、シンデレラは夏海と愛梨である。夏海はガラスの靴ならぬクジラのサンダルで王子様の城(東京の会社)まで会いに行ったという結末。夏海は家族全員駄目駄目だったので幸せになってほしい。

匠は夏海の食堂の備品などを魔法のように修理をよくしてたし、最後は夏海の背中を押したし、カボチャの馬車を用意した魔法使いの役割だったのかも。

匠の高校の先生とライフセーバー医師は必要だったのだろうか。二人とも人格が崩壊してた。

それにしても、これだけ盛り上がらない恋愛ドラマも珍しい。歯車が噛み合っていない感じだった。

弟の彼女の妊娠騒動とクズの母親、このエピソード、わざわざ二話分を使う必要があったのかいまだに謎。もっと他に描写しなければならないことが多々あっただろうに。

最後、健人が「冬になったら沖縄にクジラを見に行こう」って言ってた。もしかして続編?まさかね。

「真冬の白雪姫」

あれだけ活発だった夏海が引きこもってしまい周りが夏海を沖縄へ連れ出そうと四苦八苦。成長した修の活躍で…

やっぱり無理か。名前がね。いやいや、実は冬海という異父妹がいて…あの母親ならあり得るし…春海に秋海、四季シリーズが作れそう。

とにかく、ひと夏の恋は無事に実を結んだのでした。来週からは突っ込めないと思うと少し寂しい。

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