淡月

思いついたことをとりとめもなく書いていきます。

淡月

思いついたことをとりとめもなく書いていきます。

マガジン

  • オフコース

    オフコースの曲の感想等

  • 感想

    ドラマ等の感想

  • 短編小説「思い出を盗んで」

    オフコースの「思い出を盗んで」という曲にインスパイアされた短編小説です

  • 風·伊勢正三

    フォークデュオ風の曲の感想等

最近の記事

  • 固定された記事

オフコース&小田和正「秋の気配」その1

今年は本日8月7日が立秋とのことですが、立秋とは暦の上では秋の始まりということですね。夏の暑さが極まり、秋に向け季節が移り変わり始める日という意味だそうです。つまり暦の上では立秋が夏の暑さのピークであるとされ、立秋の翌日からの暑さは「残暑」と呼ばれるとのことです。なるほど、明日以降は「暑中御見舞い」ではなく「残暑御見舞い」になるわけですね。 ところで「秋の気配」と言えば、オフコースの名曲「秋の気配」が思い浮かんできます。オフコースとは80年代に活躍した伝説のバンドですが、メ

    • オフコース『YES-YES-YES』

      この曲も有名な曲ですね。 1982年6月30日のオフコース武道館10日間公演が終った後、会場の撤収作業が行われる中で会場に残ったファンが『YES-YES-YES』のテープに合わせて大合唱をした伝説。 『YES-YES-YES』のレコードから聴こえる心霊現象。 これについてはこちらが詳しいです↓ こういう逸話を持った曲なので私などが語るまでもないといったところですが、人それぞれその人なりの思いがあるでしょうから、私なりの感想をひとつ。 まずはこの曲を巡る時系列を見てみ

      • ドラマ『海のはじまり』第10話感想 家族の形と縁

        和田長浜海水浴場 「ここがその海岸らしいですよ」 古居真郎、通称マーロウはそう言いながらクルマを停めた。 参考:マーロウ登場の経緯↓ 「あゝ確かにそれらしい風景だな」 私はクルマを降りながら辺りを見回した。私は東京に来るついでにマーロウを呼び出し、ドラマ『海のはじまり』のロケ地でも案内してほしいと彼に頼んだ。それならばと、マーロウはドラマの象徴とも言うべき和田長浜海水浴場までクルマを走らせてくれたのだ。 「あの辺りを水季と海は歩いていたんだな」 私は海辺の方を

        • ドラマ『海のはじまり』第9話感想 さらば愛しき女よ、再び

          前回の特別編の感想の続きみたいなものです。 さらば愛しき女よ、再び マーロウ再び 「うーん…」 私は『海のはじまり第9話』を見終わって言葉もなかった。 「先週の特別編に続いて『さらば愛しき女よ』再びか…」 私はそう呟くとグラスを傾けジン・トニックを飲んだ。 「確かに連続しての別れ話は辛いですよね」 「全くだ、それも男が連続して振られる話だからな、って…あなたはどなたですか?」 私はいつの間にかテーブルの向かいの席に座っている男に尋ねた。暑いのにダブルのスーツを

        • 固定された記事

        オフコース&小田和正「秋の気配」その1

        マガジン

        • オフコース
          68本
        • 感想
          20本
        • 短編小説「思い出を盗んで」
          8本
        • 風·伊勢正三
          20本

        記事

          ドラマ『海のはじまり』特別編 感想 さらば愛しき女よ

          『海のはじまり』特別編は、主役の目黒蓮の体調不良により通常回が中止になり急遽放映されたものだ。目黒蓮の体調の回復を祈るばかりである。 この特別編がこのドラマの中でどういう位置付けになるのかは分からない。蛇足だったかもしれない。と言うのは、私にとって南雲水季という女性の心情がいまいち理解できなかったからだ。ただ、南雲水季と津野晴明の恋愛が終わった事は理解できた。 この特別編を見終わった私の脳裏に浮かんだのは『さらば愛しき女よ』である。これはレイモンド・チャンドラーの名作と誉

          ドラマ『海のはじまり』特別編 感想 さらば愛しき女よ

          ドラマ『海のはじまり』第8話感想 代弁者と二人の夏

          この前の水曜日、仕事で東京へ行った。帰りに山手線に乗ってると車窓を激しく叩く雨音が響いてきた。そのうち大雨警報や洪水警報が出されたが幸い東京駅に着いていたので雨を避けられた。しかし、東海道新幹線が上下線とも運休。復旧次第次々と発車する感じだったので仕方なくホームで待つことに。そんなわけで今回も鳩サブレーを買えなかった。 四半世紀 夏のこれまでの人生をざっと振り返ってみる。私の記憶だから間違っているかもしれないが時系列を書いてみる。 3歳 両親が離婚。 10歳 母が再婚

          ドラマ『海のはじまり』第8話感想 代弁者と二人の夏

          ハードボイルドとフェミニズム サラ・パレツキー『サマータイム・ブルース』

          最近は今夏の月9ドラマ『海のはじまり』を視聴し感想を書いているのだが、そのドラマの登場人物の一人の言動が私としてはハードボイルド的に見えたので、そのように形容して書いた。 ハードボイルド…久しぶりに私の脳裏に浮かんだ言葉。今ではあまり聞かなくなった言葉。私が二十代の頃はハードボイルド系のミステリー小説をよく読んでいたことを思い出した。ハメットやチャンドラー、マクドナルドのいわゆるハードボイルドスクールに始まり、ロバート・B・パーカーの作品等など。 ハードボイルド(hard

          ハードボイルドとフェミニズム サラ・パレツキー『サマータイム・ブルース』

          ドラマ『海のはじまり』第7話感想 ハードボイルド津野晴明

          このドラマの登場人物で不思議な立ち位置にいるのが津野晴明。この第7話では津野の人物像が明かされた回だった。 津野晴明はどうして月岡夏にきつく当たるのか。南雲朱音はどうして津野晴明と一定の距離を置こうとするのか。このような疑問があったがそれが解消された回だった。 津野晴明と南雲水季 水季が海を産んで海が3ヶ月頃に水季は図書館に就職した。それが水季と津野の出会いだった。 1歳になった海を迎えに行った水季が忘れ物を取りに戻ってきた。偶然居合わせた津野は水季に言葉をかける。

          ドラマ『海のはじまり』第7話感想 ハードボイルド津野晴明

          ドラマ『海のはじまり』第6話感想 水の流れた跡と水茎の跡

          この第6話は南雲海という存在が起こした波紋がようやく落ち着き、それぞれの心が静かな水面を取り戻した感じで穏やかな時間が流れた。 ただ、その静かで透明な水面は覗き込むものの立場によって見え方が違うはず。鏡のように水面に映る自分の表情を見るもの。水底に眠っている何かを見極めようとするもの。 月岡ゆき子や南雲朱音は前者である。水面に映る自分や家族の姿を見て将来を見据える。逆に月岡夏や百瀬弥生は後者である。南雲水季の心情に思いを馳せ、その水底を見極めようとした。 名前をつけて保

          ドラマ『海のはじまり』第6話感想 水の流れた跡と水茎の跡

          ドラマ『海のはじまり』第5話感想 女は弱し、されど母は強し

          レ・ミゼラブルの作者ヴィクトル・ユーゴーの言葉に「女は弱し、されど母は強し」というのがある。『海のはじまり第5話』は、まさしくこの言葉を体現した回であった。 女は弱し 月岡家の面々は夏と百瀬弥生の結婚話を期待して夏を迎え入れた。しかし、夏の「子どもがいる」という言葉に一同は戸惑いを見せるが今時珍しくもないと喜びを表す。 一同の喜びの声に躊躇する夏。 「弥生さんの子じゃない…」 その言葉に思わず立ち上がる母。 ここからの母は凄かった。月岡ゆき子を演じる西田尚美、改め

          ドラマ『海のはじまり』第5話感想 女は弱し、されど母は強し

          ドラマ『海のはじまり』第4話感想 空虚な器

          今週は仕事で上京する機会があり、その上京の車中で「帰りは鳩サブレーでも買って帰ろう」などと考えていたが帰りの荷棚には夏限定の東京バナナが揺られていた。ようやく時間ができて、第4話の感想でも書こうかと思い、タブレットを開きアイスコーヒーを淹れ東京バナナを食べようとした時「あっ、鳩サブレー…」と思い出した次第。老いを実感してしまった。 さて、この第4話、南雲水季と百瀬弥生のそれぞれの妊娠とそれをめぐる周囲の反応が描かれた回であった。 空虚な器 この日本には割れてしまった器な

          ドラマ『海のはじまり』第4話感想 空虚な器

          ドラマ『海のはじまり』第3話感想 返す刀

          このドラマ、私にとっては印象的な会話やセリフが多いように思える。 投じられた小石 第1話の終わり、夏は海に水季の動画を見せ、動画の再生が終わった時に何気なく「はい、終わり」と海に言った。海は「終わり」という言葉に引っ掛かり夏に「終わるとどうなるの?」とか「ママは終わちゃったの?」とかの疑問を口にし、その自然な流れで夏に「夏君のパパはいつ始まるの」という言葉を発した。 幼い海にとっては何気ない疑問だったが大人の夏、そして視聴者の私からすれば強烈な言葉だった。その言葉は夏の

          ドラマ『海のはじまり』第3話感想 返す刀

          ドラマ『海のはじまり』第2話感想

          冒頭シーン ランドセルのフタ(かぶせ)の開け締めを繰り返す南雲海。それを見ている南雲水季。 海が水季を見る。 「欲しい?」 笑って首を振る水季。 「ううん、それは海の…似てるなって思って見てただけ…夏君に」 「夏君…?」 「海のパパ」 「パパいるの?」 「いるよ。パパがいない子はいないよ。パパって絶対いるの。パパがいないとママもママになれないから」 「ふうん…」 「パパがふたりいる人もいるの。いていいの…夏君、会いたい?」 「ママは?…海とパパ会ってほしい?」

          ドラマ『海のはじまり』第2話感想

          ドラマ『海のはじまり』第1話感想

          母とその娘らしき二人が海辺を歩いている。 「どこから」 「どこから…何が?」 「海…どこから海?」 「水があるところからじゃない」 打ち寄せる波を指差す母。 「ここから」 引いていく波を見た娘。 「ここは海じゃなくなった?」 「別にここからが海、とかってないんじゃない…分からないけど」 考え込む娘を見る母。 「海がどこからはじまっているのか知りたいの?…うーん、難しいな…」 水平線を指差す娘。 「終わりはあそこ?」 「あー…水平線ね、あれは終わりじ

          ドラマ『海のはじまり』第1話感想

          記憶の不思議 『男達のメロディー』

          先日、首の血管を手術しなければいけなくなったという知人と話す機会があった。その知人は過去に軽い脳梗塞を起こしたことがあり定期的に検査しており、それにもかかわらず今回の状態になってしまったことに納得がいっていない感じだった。で、いろいろ話しているうちに「怖さ」を感じていることが伝わってきた。「怖さ」を感じ、現状を直視したくないので検査の不備などに当たっていると思えてきた。 確かに手術とかって「怖い」だろう。特に首なんて人間の急所でもあるし出来れば手術なんてしたくないよな~と思

          記憶の不思議 『男達のメロディー』

          小田和正 『小さな風景』

          息切れしたので道端のベンチに腰を下ろした。両膝に肘をついて呼吸を整える。 ほんの数ヶ月前には彼女と一緒に軽々と走っていた公園。今では少し歩いただけで足元がふらつく。身体中に染み渡ったアルコールが抜けきるにはまだまだ時間がかかりそうだ。 だいぶん呼吸が落ち着いてきた。足元に目を向けるとタンポポが二つ三つ可愛らしい花を咲かせていた。中には綿毛になっているのもあった。 今まで数え切れないくらい彼女とジョギングしたり散歩したりした公園の小道だったが、こんな風景があったことに驚い

          小田和正 『小さな風景』