どうする家康 第24話 感想 築山に集いし者も収奪者
なんだか登場人物全員が思考停止状態になった回でした。
なぜ戦をするのかと問う瀬名に、家康は貧しいからだと答える。飢えれば奪い合うしかない。だから戦いが起きるのだと。
まぁ正論ですね。
しかし瀬名は、奪うのではなく与え合うのだと説きます。米が足りないなら、米がたくさんある国から貰えばいいと。
はーぁ、生まれながら支配階級だった瀬名。瀬名以外も築山に集いし者たち皆は支配階級ばかりでしょう。何も生産していません。自分たちこそが生産者たちから奪っているくせにそこはいいのか。まずは自分たちの存在意義を問うべきだろう。
信康も戦が嫌なら出家するなり、帰農するなりすればいいだけ。徳川の嫡子の身分のままで戦は嫌とかアホか。まずは廃嫡を家康に申し出るべき。
築山に集いし者たちよ。まずは自らの存在意義を問い直すべきであろう。
家康と家臣団もどうかと思う。
設楽原の戦いで織田家の凄まじい物量に恐怖
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圧倒的な力の差に織田家の家臣になるしかないと家康と家臣団は納得
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瀬名の東国経済圏構想を聞く
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織田家を裏切る家康と家臣団。
いやいやいや、未だ実現の可能性すら見えない東国経済圏に惹かれて、南蛮貿易をも取り込み関西経済圏を実現している織田家を裏切る選択ってどうなの。
結局、築山に集った人々って穴山梅雪に久松長家と於大の夫妻、今川氏真と糸の夫妻。なにこのへなちょこメンバー。独立した大名いないやん。
これで家康と家臣団はよく織田を裏切ることにしたよね。設楽原の戦いは何だったんだろう?
織田が絶え間なく鉄砲を打ち続ける事を可能にしたのは大量の鉄砲と鉄砲玉と火薬を用意できたから。それは鉄砲の産地である堺や国友を織田がおさえているからこそであろうに。
さらに2年間も武田と徳川が空砲を撃ち合うってどうなの。それに消費される火薬ってどこから調達しているのか?その調達資金は結局、民から収奪しているからだろうに。それで与え合うっていう思考になり、周囲も賛同してしまうって…
家康と家臣団(言い換えれば、このドラマの制作陣)は徳川が戦国大名として存在している意味をもう一度考え直さなければならない。
瀬名が母親の論理でグイグイ押してくるのかとばかり思ってましたよ。そうであったなら、それはそれで正論であるし、板挟みになる家康の苦悩も理解できると思ってました。まさかの東国経済圏だったとは…瀬名を持ち上げ過ぎでしょう。
以上は大河ドラマの枠組みを前提とした場合の第24話の私見です。架空戦記ものなら有りかな。
服部半蔵と千代が登場したのは良かった。
ただ、お千代さんと大鼠の戦闘シーン自体は格好良かったけど、裏を返せば築山の防諜体制ボロボロやん。見張りの門番(仲間を裏切った山田?)もうちょっとちゃんと仕事しようよ。
それで「織田に洩れました」って、まるであり得ないことが起こったかのように驚愕する築山集団。これもダチョウ倶楽部の「聞いてないよ~」のギャクだったのだろうか。