いのちの車窓から2 読了

星野源さんの「いのちの車窓から2」が9月30日に発売になった。7年半本当に待っていた。
本が大好きで購読しているダヴィンチ連載初回で星野源をきちんと知ったので、自分にとって文筆家星野源としての存在はとても大きい。だから、休載された時や2023年5月に連載が終わってしまった時には、締め切りのある連載を持つことはこんなにも大変なのだな、星野源さんの心身の健康が一番大事とファンとして理解しつつも、とってもとても寂しさがあった。
そのくらい単純に星野源の書く文章が好きなのだ。特に星野さんが出会って心を動かされた人の描写が好き。その時の星野さんの心の動きが素直に伝わってくる文章で、視点があたたかいから、直接会ったことはない方々なのにその人のことをとても愛らしく感じてしまう。
それに対して、ご自身の心の内を見つめている文章には苦しさと真摯さと、あと開示する事への少しの恥ずかしさも感じられてそこも好き。

連載終了後もご自身のメンバーズサイトのイエマガプラスで数行文章が読めるようになり、それで自分の文筆家星野源欲を紛らわせていたが、今回いのちの車窓から2の発売が決まって本当に嬉しかった。予約できるようになってすぐにネットで数冊予約したが、書店には数日前から並ぶと星野さんがラジオで話されていたので、2日前に15店舗以上さがしに行き(関東は2日前昼には並んでいなかった)、発売日前日の朝イチでお店で見つけた時はとても輝いて見えた。色味もなんだかゴールドっぽいし。

家に帰り、読むのが嬉しいようなもったいないような気持ちで読み始めたが、読み終わった時に思ったのは「ありがとうございます」だった。
再びこんなに心が動く文章に出会えて、自分は幸せ者だなと思った。
そして、変わらず文章に登場する全員が魅力的で大好きになった。新作4篇のうち3篇(「東榮太一という人」 「喜劇」 「あしびなー」)では大事な人のことが丁寧に綴られていて、それが本当に素晴らしかった。若い頃の恩師ともいえるお二人と現在のご家族への感謝と愛に溢れていた。
良きタイミングでその方々に出会い影響を受けた星野源さんから、自分はとても色々なものを受け取っている。

繊細で打たれ弱くて、自分の心の声に厳しくて気付きすぎるゆえに傷つきまくっていて、外的なものに傷つけられているのにまわりの人への感謝も忘れず、反省し謝る強さを持っていて、でもちょっとコミカルで、文章そのものが自分の思う星野源だった。
何より常に振り返り考え続けているところが大好きだ。

自分は心が強くないので、基本的に良くできたと思ったことがなく自分がしたことを反省している人生で、例えば相手に裏切られたとしてその瞬間は苛立ち怒りも感じるが、数分たつと傷ついた辛いの感情がきて、そのあと自分の何かが悪かったんだろうと反省時間になってしまう。その瞬間に相手への怒りではなくなってしまうからか相手にも辛さが伝わらない。
でも、いのちの車窓から2の最後の1篇「いのちの車窓から」を読んで、不思議とそれもまた自分なのだと思えた。

やっぱり願わくば、また定期的に雑誌などで連載を読みたい。リアルタイムの星野源の文章に触れたい。いや、わかっています、心身の健康が一番だって。音楽も俳優業もラジオも長く活動を楽しませてもらう気満々ですから。でも、今回のいのちの車窓から2を読んでしまうとね。

待っていて良かったです。
素晴らしいエッセイをありがとうございます。今まで星野源の文章に触れる機会がなかったたくさんの方にも届きますように。

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#読書感想文



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