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私がなにを言えるだろうか…

血液の癌なんです
転移はしてなかったんです』

見知らぬ老婦人が
突然、
ご自身のことを話されました
それは
ランチを食べるために
   立ち寄った
パスタのお店でのこと
隣りの席にお一人で
座わられてた
見知らぬ老婦人

話すキッカケを
与えたのは….私でした

案内された
テーブル席の椅子が
座るとミシッと音がするのです

ドリンクバーを取りに行く度に
座るとミシッと音がするので

『この椅子、座る度に
ミシッていうの!
私が太ってるからよねー』と
自分の息子に話してたら

隣りの老婦人と目があい

笑って下さった

そして
ご自分の病気の話しをされたのです

恐らく…
転移してなかったことを
誰かに聞いて
欲しかったのでしょうか?

その日は通院の日で
診断結果を聞いて
安心されて
病院のあとに
ランチを食べに来られたのだと
想像いたしました

私は、かける言葉が見つからず
ただ頷くだけでした…

そう、無責任な言葉は
言ってはダメですから…

この日まで
不安な思いで
過ごされていたことでしょう
転移して無いと聞いて
どんなにか安堵されたことでしょう

だから
言葉にして話したかったのだと
思いました

だから

その老婦人の
言葉だけを
受け止めることが出来たと
そう願っております

あの場面で
私が何を言えるだろうか…

ただ救いなのは

あの時
笑ってくれたから
きっと
少し心が軽くなったのではと
思っております



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