フィンガー5讃歌
子どもの頃から記憶力があまりよくない。
ふとした出来事、エピソードといった、物語を伴う記憶は比較的よく覚えているのだが、名前とか英単語といった、文字列になるとからっきし覚えられない。
とくに人名は苦手で、何年も前からの知り合いの人なのに、どうしても名が出てこないことがある。
そういう時は、こっそりスマホの住所録で確認したりするのだが、スマホのない時代には確認する術がなく、ずいぶんヒヤっとしたものだった。
そういえば携帯電話の登場以前、よくかける電話番号というものは暗記しておくものだった。
恋のダイヤル6700である。(わからない人は無視してほしい)
わたしは中学入学のタイミングで引っ越したのだが、当初自宅の番号を覚えておらず、何かの都合でどうしても学校から自分の家に電話しなくてはならないことがあり、番号を担任のところまで聞きに行ったことがある。
しかもせっかく教えてもらった番号を、職員室から公衆電話に行くまでの間に忘れてしまって、もう一度聞きに戻ったのは、人生の中でもかなり恥ずかしい記憶だ。
他にも自分の車のナンバー、各種パスワードなど、気を抜くとすぐ記憶から消えてしまう。
さすがにキャッシュカードの暗証番号とか、頻繁に使うものは覚えているつもりでいるのだが、先だって、一年ほど使っていなかったキャッシュカードの番号がわからなくなり、ATMで適当に試していたらカードをロックされてしまったという、あまり笑えない経験をした。
これ、他の人は困っていないのかと思うのだが、困っていないのだろうなぁ。
数字や記号の類はともかく、人名が出てこないのは何とかしたいと思いつつ、もう何ともできそうにない年齢になってしまった。
今後はボケたことにして誤魔化そうと思う。
自主的認知症だな。
追記
ところで「恋のダイヤル6700」は今でもちゃんと記憶していて2番まで歌える。わからなかったら無視して、などと書いておいてなんだが、名曲なのでお若い人もYouTubeを漁ってみてほしい。
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