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けテぶれ 分析改善月間
はじめに
本学級でけテぶれ学習を行っている。1学期は、この学習の良さを子供たちが感じ、この学習方法を使った学習習慣をつけることができた。2学期はけテぶれ学習の質もさらに上げようと、1ヵ月ごとに計画も改善したり、分析を改善したりすることをねらっている。このように何について意識するかを焦点化して取り組むことで、子供たちの意識も取り組む姿勢も変わってくるのではないかと考えた。
9月に行った計画改善月間
ここでは9月に行った計画改善月間の取り組みについてもリンクを載せる。ぜひ興味ある方は読んでもらいたい↓↓↓
10月に行った分析改善月間
各週の重点目標
1.第1週目の重点目標
はじめの1週間は、
どこが間違っていたかを書く
ということができることに重点目標を置いた。
これは、けテぶれ学習でテストを行った後、丸付けをするが、1学期は1番が× 、3番が×と間違った問題のみを書いている子が多かったからである。このように間違った問題ばかり抜き出しても自分の苦手を見つけることにはつながらないと思う。
そこでどこが間違っていたのかを具体的に書いてみようという活動を取り入れた。すると
文章問題になると間違いが多くなる。
漢字の学習では止めはねがバツになることが多い。
長さの足し算は合っているが単位変換でバツになってることが多い。
と、子供たちが記述していた。これを見て、例として、以下のように付け加えた。
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このように例を付け加えたことでどこが間違っていたのかを具体的に書くということの具体的という意味が、子供たちに明確に伝わったと感じた。
2.第2週目の重点目標
2週目の重点目標は、
気持ちを書く
ということである。それは当初から子供たちは悔しい嬉しいなど、気持ちを書いていたにも関わらず、どこが間違えだったか具体的に書くという重点目標を置いたことで、分析の欄に気持ちが全く記述されなくなってしまった。
そこで急遽この重点目標を置いた。やはり学習の原動力はやってみてどうだったかという嬉しい悲しいとという気持ちだと思う。前にも述べたが、
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粘り強さというものは達成動機と見込みと達成後の喜びの掛け算となっている。そのため、達成後の喜びを目指している最中である現在、この今現在の結果をどう受け止めるのか、この気持ちもしっかりと自覚することが大事だと考える。
そこで第2週目はどこが間違いだったか、具体的に書き、さらに、その時の気持ちを記すというところまでを重点目標とした。その結果、
悔しいからもっとやる
嬉しかったからさらにやる
というように内面から学習に対する動機が生まれるため、練習で工夫して練習を行う子や2週目のけテぶれを行ってくる子が1週目よりも17ポイント高くなった。
また、ここでも、子供たちの記述から、例を作り、以下のように記していった。
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3.第3週目の重点目標
第3週目は、レベル1でどこが間違いだったかを具体的に書いた後、どうして間違えたのかを明確にすることができるということを重点目標に掲げた。この意図は、けテぶれ学習でテストをした時に出る間違えや誤答は、過去に間違えに至った要素があるという視点をもち、学習過程を振り返りこの原因を解明し克服してほしいと思ったからである。
この分析はとても大事である反面、その原因も考えなければいけないためとても難しいことである。そのため今回は、子供たちに以下のように例を提示した。また計画を妨げる4つの要素も以下のように明示した。
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すると、この例をもとに
授業中に、友達から分からない問題の説明を聞いてばかりだったので、次は自分で解くことをしたい
朝宿題をやっているから、焦っていて、止めはねもいい加減にやっていた
など自分の過去や普段の姿を振り返り、原因を突き止めることができる子もいた。
4.第4週目の重点目標
第4週目は、
練習の仕方や活かし方を書く
ということも重点目標とした。ここでは達成したい目標と現状を比較してどんな練習をすると良いかけテぶれ学習のテストの結果をもとに考えていった。ここでは以前に行ったけテぶれ交流会をもとに
間違えた感じの熟語を書く
似た問題を探して解く
などの以下の例を載せておいた。
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すると、子供たちはそれ以外にも工夫して練習を行い、
問題の数字を変えてみる
間違えた漢字を分解してみる
などの練習方法を発明していた。
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ポスターにまとめる
間違えた問題がどんな問題なのか、その時の気持ちはどんな気持ちなのか間違えた原因は何かなど分析の中でも焦点を絞ることで、一つ一つの分析の質を高めることができた。そしてこれらを以下のけテぶれ学習の分析改善ポスターとして1枚のポスターにまとめることができた。そして、これを掲示をした。
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このように、みんなで作り上げ納得感のあるポスターになったからこそ、
自分の分析はレベル何が使われているのか気にしたり、今日はレベル3を頑張ろうと目的を持って行動したりすることができるようになった。
分析レベルが分かるようにマークで可視化
自分がどのレベルで分析をしているかということを目で見て、すぐにわかるようにするために、けテぶれ学習の実践者がよく使っている以下のマークを使うことにした。
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すると、子供たちは、文章でなく、箇条書きで書くことができる。さらに見てどのレベルがないかすぐ分かると好評だった!
素敵な分析を広げる
素敵な分析についてけ広げるためテぶれ大賞として掲示板に貼り出し共有していった。
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するとその掲示板を見てそれを真似するというまねぶをする子が多く出てきた。さらに子供たちは素敵な記述の共通点から
こういう風に書いたらいいんだ
と、話型にしてまとめている姿が見られた。その発見を私も認め、ポスターに追加して貼っていくことにした。
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すると、その掲示板を見て
〇〇に当てはまるところや△△に当てはまるところも、自分で工夫し、バリエーションをクラス全体として増やすことができた。
計画ポスターとの比較
分析も計画の時に作ったポスターと同じようにみんなでより良いポスターが作れたね
と言うと、でも前は計画ストーリーがあったけど、今回は分析ストーリーがないと言っている子が出た。そのため分析ストーリーできないかなぁと言うと
レベル3とレベル4がつながれば分析ストーリーになるよ
ということに気づいた子がいた。
本当は、レベル1からレベル4まで全てつながる
そんなつもりで私は考えていたが、そこまでは子供たちには、まだまだ伝わっていないようだった。
きっといつか気づくだろうと思い、ポスターはそのままではあるが、気づくための仕掛けはどんどん施していきたいと思った。
まとめ
教師がこれをやるといいよ。あれをやるといいよと指示命令をすることも大切なときもあるかもしれない。しかし本当は指示命令ではなく、子供の内側からこうするといい。あぁするといい。という行動目標が出てくると子供たちにあった持続可能で頑張れる目標になってくると思う。子供たちがやる気を持って頑張れる行動目標をこれからも一緒に紡いでいきたい。
紡いでいくときっと下のような成長を実感できる記述がたくさん出てくるのではないかと思う。
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自分に合う学習方法を見つけようとする記述
参考・引用文献
※1 主体的に学習に取り組む態度 その育成と学習評価 東洋館出版 田中保樹、三藤敏樹・髙木展郎著