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連絡帳をやめ予定表を配布〜意図とその効果③〜
はじめに
12月はじめから連絡帳を書くことをやめ金曜日に1週間の予定表を子供たちに渡すようにしている。
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今回のnoteは、その意図と実感している効果について載せていきたい。
1週間の週の予定表を配る意図
私は、3年生に、連絡帳の代わりに1週間の予定表を配るようにし始めた。その意図は、以下の通りである。
1.連絡機能について
①忘れ物の減少
②保護者の負担軽減
2.目標について
①1週間の目標を常に目にし、意識し続けることができる
②目標に対する手段を評価改善できる
③目標自体を評価改善できる
3.学習について
①その日の学習の反省
②学習を自ら計画的に進めることができる
③学び方の評価改善
④やるべきことの整理
それでは、それぞれどのような仕掛けを施すことによって、上記の意図を達成することができようにしたのかを話していきたい。今週は、③学習についての意図と仕掛け、その効果について述べていきたい。
過去のnote↓↓
1.学習について
1週間の予定表を配り、毎日宿題だけを書くようにしている。
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その日の学習の反省
毎日の授業の中でこの授業は理解できた、この授業は理解ができなかったということが必ずある。しかし、1日が終わり家に戻るとどの授業が理解できていなかったのか振り返ることはまずないであろう。むしろ、その日の理解度は忘れてしまっているかもしれない。
そのため、授業終了時や1日の繰り返るときに、自分の学びの状態を振り返り記すことができるように、予定表に書かれている教科の下を少し開けた。
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さらに学びの状態をルーブリックにして提示したものを載せている。
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それを見て授業の終わりや1日の振り返りの時に自らの学びを振り返ることができるようにしている。
さらにこれを行ったことで新たな効果も見られた。それは家で自学として行っているけテぶれ学習で、自分の理解できなかった部分や自信のない部分を補完しようとする目的で勉強をしている児童が増えたことである。自分の弱点をしっかり克服しようとする姿からは大きな成長を感じた。
学習を自ら計画的に進めることができる
自ら計画的に学習を進められるように、予定表にテストの予定を書き入れ、さらに朝の学習の時間の10分間で何を学習するか、朝来てからすぐに計画を立てるようにした。
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これによりテストや課題、理解の不十分な学習、自信のない学習など自分の目標に向かって計画的に学習をすることができるようになった。
今までは朝の学習で何をするかその時の感覚で子供たちが決めていたが、テストの予定や前日までの学びの状態などが可視化されたことでこれを頼りに学習の計画しているように感じた。
このことから、意識を可視化することが大事なのではないかと感じた。
学び方の評価改善
学び方の評価改善では、前回の②でも述べたように目標や反省、今後に生かす欄を作ったことで、自分の目標に対する学び方の評価改善が意識的にできるのではないかと考えた。
また、学び方を評価改善するために手順と視点を以下のような型として提示した。
①目標の欄を見て目標と手段を確認する
②成果を確認する
③成果と手段を関連づけて、手段のよかったところよくなかったところを考える
④よかったことをどう今後に生かすか、悪かったところをひとまず変えてみる
このように振り返りの手順と視点を型として伝えることで、目標達成するための手段を評価し、次週に改善することができるのではないかと考える。
やるべきことの整理
子供たちは、生活をしていると、テストの予定だけでなく、委員会やクラブなどの提出物や図工の構想図や計算問題などの学習プリント、中には忘れてしまった宿題などに追われ、自分が何をするべきかわからなくなってしまう子をよく目にしてきた。
その子たちは何もサボろうという意識があるのではなく、本当に自分の予定が把握できなくなっていたり、自分の提出物などの管理ができなくなってしまっているのだと感じた。
そこで提出物やテストのための勉強などやるべきことを自分で書いて整理できる思考ツールを導入した。
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これは難波俊先生の著書を参考に取り入れてみた。これは重要度と緊急性という視点で予定を振り分け、左上から右下にかけてZを書くようにやるべきことの順序を表している。
子供たちは自分の予定を書き出し視覚化できるようになったことで何が終わっていないのかがわかるだけでなく、はじめに何をやらなければいけないのかという順序性についてもわかるようになった。子供たちもこの思考ツールを用いたことで困り感が減っているのではないかと感じた。
まとめ
予定表を配り出したことで、多くの子にとってプラスの面が見えるが、1点だけ懸念してることがある。それは忘れ物についてだ。
忘れ物は連絡帳やめてから減ってはいるものの
宿題を家に忘れました
という子は全く減っていないように感じる。そのため持ち物や宿題でランドセルの中に準備できたものは鉛筆でその項目を消すということをやっていきたいと思う。
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またこれを行うことでやるべきことの整理もより効果的になるのではないかと考えている。私たち大人は、もう既に終わった課題を鉛筆で消したりするが、子供たちにそのような意識を持っている子はいない。鉛筆で消すことで次へのやるべき課題がすぐに目で見てわかるようになるののではないかと考えている。
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参考・引用文献
学び方を学ぶ授業 東洋館出版 難波駿