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間の数〜第2次〜
はじめに
間の数の単元で授業参観後、第2時間目の授業を行った。
間の数の1時間目の授業では、間の木の本数を求める問題、2時間目は間の長さを求める問題となっている。本時の問題では、以下のように教科書通りの導入で行った。
問題
あおいさんは7本の木を1列に並べて植えました。木は2メートルずつ離れています。両端の木の間は何mですか?
導入
思いもよらない子供のつぶやき
上記のように問題を提示し、個人思考の場に移ろうとすると、思いもよらない発言が起こった。それは、
先生、これだけでは問題解きません。
先生、木の太さの条件が不足しています。
と声が上がった。私は普段から教材に自ら進んで働きかける力を高めるために情報不足や情報過多、答えが出ない問題など様々な問題を子供に提示してきた。それが功を奏し、このように自分たちで問題場面を具体的にイメージし、問題に自ら進んで働きかけられるようになったと感じた。
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このように情報不足を子供たちが疑い出したため、
私はどうして情報不足だと思ったの?
みんなはどんなことをイメージしてるの?
と問い返してみた。すると、子供たちは、
太い木をイメージして、木の太さを考えることを予想していたり
植えるんだから細い苗木を植えるんでしょと細い木をイメージしていたり、理科や生活科から子葉が出た姿を学んでいたため、子葉をイメージしていたり、植えるんだから種でしょうと種子をイメージしていたり、様々なイメージが共存していることがわかった。
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そこでまずは、木の太さを考えないこととしてみようと言い、イメージを子葉や細い苗木、種子に絞って間の長さを考えていた。このようにあえて考えないようにする、太さを0とすると言うことを数学の世界では理想化といい、この理想化を行い、木の太さは0cmとして問題を提示した。
図を描き解決し始めた。
問題のイメージを理解できた後、個人思考の時間に移った。個人思考では、下記のように絵を抽象化し、線分図や木をまるで表した数で描いている子たちが多くいた。
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そして、多くの児童が図から答えを出していたり、図を立式たりしながら問題を解決することができていた。
考え方の共有場面で上がった疑問
考えを共有する場面では、図を基に説明をしたり、図と式を関連付けて説明したりする児童がいた。その中で下の式や考え方が発表され賞賛を得た。
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その一方ある児童にとって大きな疑問となった。その疑問とは、
間の数=木の本数− 1という規則性に気づき、みんなが納得はしたものの、ある子どもが、
規則性はわかるんだけど、木の本数から1引くとどうして間の数になるの?
そもそもひく1って何?どういう意味?
と疑問を持ち出した。
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すると多くの子どもは、この疑問に答えるために一生懸命に考え出した。しかし考えれば考えるほどわからなくなる。
なんで木を1本引いたら間になるんだ?
と、この疑問を共感しだす子が多く出てきた。そこで考える時間を少し取った。
子供なりに考えた納得解
すると、ある児童が、
1本の木につき、次の木を植えるための2メートルの間が付いてくると考えると7本木を植えるからトの字が7つあるとするよ。でも、実際には最後はトの字じゃなくてただの棒だから、このただの棒を1本引いて7ー1なんだと思う!
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と説明をした。その説明を聞いた子どもも
7つの木を植えるから、この木に2mの間がくっついていると想定して考えたってことね。
だから、最後トの字になりきれなかった部分も引いているってことだね。
なるほど。
と、子供たちの中で納得解を得ることができた。
理解ができると発展したくなる
このように子供たちが納得解を作ることができると、
これって例えば9本の時でもできるよね?
と数値を変え発展的に考えだした。
そこで9本にして考えてみたり、11本にして考えてみたりした。するとどんな場合でも、必ずトの字−トの字になりきれなかった部分ということがわかった。
これにより、子どもは例えば、101の場合でももう図を書かなくてもできるよね?
と、言い出し、木を101本植える場合もみんなで実施することができた。
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まとめ
新たな構想
101本の問題まで解決することができ、子供たちはとてもうれしそうにしていた。そしてチャイムが鳴り授業が終わった。休み時間になるとある子供が、
先生、木が50センチだったらとか1mだったらとか木の太さを考えた問題は、今日はやらないの?
と、聞いてきた。その時は、じゃあ来週やるねと言って授業は終わったが、帰宅する車の中で1つの構想が生まれた。
それは、木の太さを考えた問題を、式と計算の単元と問題場面をつなげて行おうと考えたのだ。
具体的には、下の資料のような構想である。
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来週は、このように同じ問題場面で学びを深めることができると思うと、どんな授業になるかワクワクしてくる。