僕と弟と海の思い出(ショートショート)
「おにぃーちゃーん!まってー!」
「早く来いよ!陽太!」
幼い兄弟が砂浜を駆けている。
「いたっ!」
弟が砂に足をとられて転んだ。
兄が駆け寄る。
「大丈夫か?」
「うん、大丈夫……」
今にも泣きそうになりながら弟は涙を堪えて言った。
「だって、おにいちゃんがいっしょだから。
僕たち兄弟はふたりなら最強だっておにいちゃん言ってたでしょ?」
「そうだよ!オレ達兄弟は最強だ!」
「最強だ!!ぼくもういたくないよ!」
「さすがオレの弟!さぁ、行こう!」
兄弟は手をつないで砂