【秋田旅行記】後生掛自然研究路は凄かった!① 旅立ちの物語
基本的には近場で、時間とお金をかけずに歩けるところを探すという主旨の記事を書こうと努めているのですが、今回はタイトルを【散歩日記】ではなく【旅行記】とさせていただきました。理由は、ご想像の通り若干遠出をしたからです。しかも訪れた場所は、観光地として本格的なところです。
が、それでも比較的穴場と思われる場所を探して、それを全国の皆さまにお届けする、というテーマ自体には即したものとなっておりますので、引き続きお楽しみ頂ければと思います。
はじめに
先週あたりに、それこそ【秋田散歩日記】と称して公園や植物園を巡った記事を書かせて頂きました。しかしお金もかけず、時間もかけず・・・というのは究極的にむずかしいテーマかもしれません。花の見頃がピークを過ぎてしまったということもあり、記事自体が中途半端なものになってしまいました。それを強引に記事として成立させるため、全体的にふざけた文面となってしまいました。関係している方々には申し訳ない気持ちでいっぱいです。
上記リンクは話の流れで入れさせて頂きました。わざわざ開く人はいないと思いますが……まあ、こんな記事を書いたというわけです。
そういうわけでしたので、実は今回も近場で【散歩日記】を書くつもりだったのです。当初の構想は、「秋田新幹線こまち」が街中をすり抜けるようにして走る姿を高台からかっこよく撮影する、というものでした。
頭の中ではすでにイメージがありました。
前に住んでいた家の近所に、小高い丘のようなところがあって、その頂上からは市内の様子が見晴らせたのです。十数年前のことですが、息子がまだ幼かったときはよく連れて行って遊んだという思い出があり、「こまち」が走る姿もそのときよく目にしたのでした。
うまくいけばかっこいいストリートビュー<Street view> が撮れるに違いない・・・100スキに憧れながらも、一度もそれを達成したことのない私は、そのような野心を隠そうともせず、カメラを手にし、徒歩でその丘に向かったのです。
昔は本当に家の隣にあったので歩いて行くのも楽だったのですが、いまは引っ越したので30分ほどかかってしまいました。なぜわざわざ徒歩で・・・と思う方もいるはずなので説明させて頂ければ、このあたりは道が細くて車を停める場所がないのです。
丘は生意気にも「富士山」を名乗っています。おそらく、いや間違いなく諸説あるでしょうが、この山は「日本一低い富士山」なのだそうです。
ウケ狙いであることは明白です。
思い出を辿れば、この小さな山の頂上からでもしっかり市全体を眺めることができたはずです。昔住んでいた家は、この山の頂上から声が届くほど近くにあって、小さな息子の手を引きながら登って遊んでいると、家の窓から「お昼だよ〜!」と呼ぶ妻の声が聞こえたりしたものでした。何を言いたいのかというと、それだけ低く、身近な山だということです。
具体的に言うと、標高たった35mの山です。・・・35mといわれても、あまりピンとこないかもしれませんね。ちょうどいい画像がありましたので、ご紹介したいと思います。
これで皆さまの頭の中に具体的なイメージが確立できたと思います。
こんな山なんて登るのはお茶の子さいさいです。
なにせこちらは惑星を一撃で破壊し、宇宙すべての知的生命体を撃滅させる無限力(むげんちから)を持ったイデオンです。
その私にこんな山を登れないはずがありません。
日本一低いくせに……かくしてイデの無限力(むげんちから・と読みます)を持つ私は敗れました。もはや残された体力はベンチに座るぶんしかありません。迷うことなく、座りました。
余力を振り絞って写した画像ですが、記憶に残るイメージとはかけ離れていました。・・・いや、だいぶ違う。
これも時期が悪かったのでしょうねえ。頂上はいっぱいに生え揃った木が邪魔して、撮影ポイントがここしかなかったのです。葉が落ちた秋ごろに行けば、もっと違った写真が撮れたことでしょう。
そういうわけで、別な場所を探しました。実はここの近くに「こまち」の車両基地があるんです。歩いて15分くらいの距離。そこからなら・・・
駄目でした。あきらめました。イデの無限力をもってしても、この戦いに勝つことはできませんでした。弱すぎ・・・。
権利の問題に巻き込まれることが怖いので、画像を拝借したホビージャパンさんのリンクを貼っておきます。戦いに敗れた私にできる、せめてもの償いです。
アニメそのものの画像は当然ながら転載禁止です(設定資料なども)ので皆さまもご注意ください。ゴルゴ13の画像とか平気で使ってる人もいますけど、あれ絶対にやばいと思いますよ(笑)。
内陸へと向かう
ここまでが前置きでした。長かったですね。
そういうわけで市内での撮影をあきらめ、イデの力をも完全に失った私は、ネット上で一生懸命検索して目的地を探りました。
この時点で「こまち」を撮影するということ自体はまだあきらめていなかったのでJRのサイトを見てみたら、上記リンクに辿り着きました。これもわざわざ開く人はいないと思いますが、要はこの中から候補地を絞った、というわけです。その結果、「こまち」の撮影はあっさりと断念し、田沢湖の奥へと向かうことを決めました。
目指すは十和田八幡平国立公園にある「後生掛自然研究路」です。私のイメージでは十和田は青森、八幡平は岩手ですが、後生掛はれっきとした秋田領です。とはいえ県境が近く、なかなかエキゾチックな旅となりそうです。
そういうわけで出発となりました。ルートは国道13号線から国道46号線を辿ります。しかしこれらはいわゆるバイパスなので、沿線に見える風景は単調で、何も記事にすることがありません。田舎のバイパスは山を切り開いた草ぼうぼうの「のり面」が延々と続くばかりで、たまに視界が開けたと思えば「田んぼ」「潰れたパチンコ屋」「自動車整備工場」ばっかりでつまらないのです。
というわけでこの場面はスルーさせて頂きます。
国道は3桁の番号の方が魅力的です。3桁番号の国道は主に県庁所在地から人口10万人クラスの都市同士を繋ぐ路線だとされています。しかし実際には東北地方に人口10万人を越す市町村はごく僅かしかありませんので、単に市を名乗っている都市同士を繋ぐ、と言った方が正しいのかもしれません。こちらは整備されたバイパスではないことが多いので、逆に楽しめるのです。
国道46号線は角館を過ぎると、やがて県境を越えてしまいます。その手前で341号線へと道をとり、その魅力的な眺望を楽しみたいと思います。
【玉川沿いを走り、秋扇湖ダム公園へ】
仙北市は旧角館町と旧田沢湖町、そして旧西木村が合併して誕生した自治体です。角館から国道341号線に乗ると、旧田沢湖町の中心部を抜ける形となりますが、田沢湖町内には「玉川」と呼ばれる河川が流れています。往々にして市街地を流れる川には何の魅力もないものですが、旧田沢湖町内を流れる玉川は清水でした。山中を流れる渓流そのもののような紺碧の水が、市街地にも流れているのです。泥水のような茶色ではありません。
残念ながら車を運転しながらだと、その写真を撮れません。特に市街地では車を停めることもむずかしく、それ以上に「早く目的地に着きたい」という思いがあるので、いいスポットがあっても「あえて」それを見過ごし気味になってしまうのです。ただ、実際に運転している私自身は爽快な気分を味わいました。お伝えする方法がないので、その部分は独り占めにしておきたいと思います。
国道341号線は、しばらく走るとどんどん山中へと向かいます。道の横には玉川が並行し、それは次第に渓流の様相を示していきます。その様子がいちいち美しいのですが、やがてそれは大きな湖と変わりました。「秋扇湖」と呼ばれるダム湖です。
以前に協和ダムという場所を記事にさせて頂きましたが、このダムは規模や雰囲気、水の色、そのどれをとっても上回っていました。山を越えればそこはもう岩手県。県境が近いというだけで、なぜか気分は高揚します。なぜだろうなぜかしら・・・進行方向右手に見える山々が、いわゆる奥羽山脈だという事実にも、東北に生まれた人間として特別な感慨を持ったりします。
奥羽山脈・・・一生懸命このワードを打ち込もうとしていたのですが、「おおうさんみゃく」と入力してもいっこうに変換されません。日本語入力ツールとしてATOKを使っているのですが、「馬鹿かこいつは」と思わせるくらいに「覆う山脈」としか変換しませんでした。あきらめて辞書を引くと・・・正しくは「おううさんみゃく」でした。
間違っていたのは私の方でした。しかしあえて言い訳させて頂ければ、私はすでにイデの無限力を失っているのです。そんな私に正常な判断など、できるはずもありません。かくして、イデはATOKにも敗れたのでした。
実を言うと、玉川沿いにあるダムはこの秋扇湖ダムだけではありません。もう少し北上すると「玉川ダム」という施設があるのです。ダムとしてはこちらの方が規模が大きく、車も楽に止めることができそうです。
早速、行ってみました。
ここヤベえよ・・・。
というわけで今回はここまでです。
次回以降も引き続きお読み頂ければ嬉しく思います。文中に謎のイデなるワードが頻出し、わけがわからなかった方も多いと思います。これに関してはわかる人だけわかってくれれば、それでいいと思ってます。
なお・・・私はプロの写真家ではありません。だからこそ単なる素人の写真集というわけではなく、楽しい読み物として仕上げていくつもりで記事を作成しています。主旨をご理解いただき、ご支援頂ければ泣いて喜びます。
では、次回もお楽しみに!
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