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食事もワイルドな上里(カミサト)

 水曜は、八軒自然科学クラブの思い出話です。今回は前回の続きで、サマーキャンプで使わせていただいた蘭越町上里(カミサト)について書きます。

 上里は、使った建物も野性味溢れる感じですが、食事も相当に野性味溢れていました。
 まず、上里で炊事をしようと思ったら、宿泊場所として使っている分校の体育館から20~30分間は歩かなければなりません。何故なら、歩いた先にある、パンケ目国内川の河原で炊事をしなくてはならないからです。
 分校の体育館の横にグランドがあり、そこに水道もありますが、何と蛇口が1個しかありません。当時は10グループくらいが参加していましたから、蛇口が使えるのを待っていたら、冗談抜きで日が暮れてしまいます。だから、河原まで歩いて行き、川の水を使って炊事をする訳です。
 川の水は、そのまま飲むのは心配ですが、加熱してしまえば問題ありません。食器を洗うのにも使いますが、水気を十分に拭き取り、しっかり乾かせば大丈夫です。とにかく、流れている川の水なので、潤沢に使えるのは魅力的です。
 そして河原ですから、当たり前ですが、ブロックなどはありません。河原の石を積み上げてカマドを作ります…が、理科「流れる水のはたらき」で学習した通り、転がっているのは角の丸い石ばかりです。積み上げるのが極めて難しいので、大きな岩に立てかけるように積んだり、石と石の間を掘ったりして、何とかカマドっぽくしました。
 組んでいる途中で石が崩れ、それが何回も繰り返されて、カマド作り段階で挫けてしまうグループもありました。不器用な子供たちにとっては、かなり辛い作業です。
 もっとも、子供と言うのは大したもので、ちゃっかりカマドを手に入れるグループもありました。そう…前の年に使ったカマドを使うのです。もちろん、大雨による増水で石が流されて無くなったカマドもありますが、思っている以上に残っていたのでした。
 やっとカマドを組んでも、それで終わりではありません。燃やすための燃料…つまり、薪も自分たちで集めて来なくてはならないからです。
 幸い、河原の周囲は林なので、探せば倒木が見つかります…が、そのままカマドに使える訳ではありません。まず、ノコギリで切ってカマドの近くに運び、そこで更に細かく切り、太い場合はナタなどで割る必要があります。しかも、林の中にあるので湿気っている事も多く、なかなか着火しにくい事もありました。
 いや~、こうやって思い返してもワイルドですね。当時の子供たち、本当によく頑張ったと思います。

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