介護をしている全ての人へ#42 ~ 親の心子知らず
親の心子知らず……この日の母の日記には老いて死病を患ったうえに住処を追われる母の心情が綴られていた。そんな母の行動に腹を立てていた自分が情けない。もっと話をしておけばよかった。
2019年2月11日(月) 母の日記
トイレ介助3回、清拭2回、脂肪便あり。膵炎か?
夫食欲不振+
朝から息子と不用品の整理、どの品にも小さな思い出が詰まっているから、捨ててしまうのが嫌。そんなことはお構いなしに息子はほとんどの物を捨てようとする。でも仕方がない…
オークションへの出品作業がなぜあんなに楽しいかわかった気がする。まだ、若くて健康で楽しかった頃に買ったもの、もらったもの、作ったものを見返しながら、そのころを思い出しているのかもしれない。そして、その時々の思い出をスマホの中に収めているから楽しいのかな。
そう思うと、スマホは年寄りには良い道具。
午後は、家の中にある物の写真をたくさん撮った。昔着た洋服や、こうちゃん(※父の弟)の結婚式の時にもらった花瓶、木の板に升目を書いただけの将棋盤、下手な将棋の勝ち負けで兄弟が取っ組み合いのけんかをしたのを思い出した。いろんなものを撮った、今度の休みの時、西高町の家(今の家の前に住んでいた大きな家)のあたりに連れて行ってもらって、風景を撮っておこう。
いろいろ諦めがついた日だった。
迷ったものはスマホの中に入れておこうと思う。
2019年2月11日(月) 私の日記
朝5時に起きてしまったが、今日は建国記念日で休みだった。
9時過ぎまで二度寝。
朝食は、トースト、はちみつ、ヨーグルト、バナナ。今日は市の清掃センターは休みなので、家財の整理。その他は特にやることがなかった。
父のトイレ介助がすごく苦痛。大人の介助は本当に大変。下着を荒っぽく扱って、便がほっぺたに飛んできたときは、この世の終わりが来たような心境だった。それを見て母が笑っていた。腹が立った。これは愛情だけではできない仕事…紙パンツをはいてもらおう。
母が、家じゅうの写真を撮っていた。
貴重な休みを費やしているのに、覚えたてのスマホで写真遊びとは…。なんだか気が抜けてしまったので作業中止。