介護をしている全ての人へ#111 ~ 殺意
2019年4月21日(日) 母の日記
枕に髪の毛がべったり付いていた。洗面所に行って髪をちょっと触っただけで、はらりはらりと髪の毛が抜け落ちた。先生が抗がん剤2度目は脱毛しないと言っていたのに、大ショック。
長男、私の様子を見て涙ぐんでいた。夫はいいカツラがあってよかったなと一言。その後は私に関心のない様子。認知症は周囲の人間を傷つける。
がん治療で体験する全身の痛み、倦怠感、悪寒、脱毛。そして夫の借金とがん、認知症、家まで失って息子たちに迷惑をかけている。こんなに苦しい思いをするなんて、私はどんな罪を犯したというのだろう。
息子たちは、気にするな、恩返しだと言ってくれているが、私は当たり前の母として生きている。恩なんて返してほしいと思ったことはない。あの人を殺して私も消えたしまいたい。
明日は次男が帰ってきてくれる。私たちの事、お兄ちゃんの事、家の事、いろいろ話しておきたい。
長男が夕方出かけて行ったので、夕食は独りで食べた。夫と一緒に食べる気になれなかった。
2019年4月21日(日) 私の日記
寝不足で何もする気になれなかった。母、抗がん剤の影響で脱毛。
一目で落ち込んでいることが分かる。でもなにもしてあげられない。無力さに打ちのめされる。ぼーっとパソコンの前にすわって、ほとんど喋ることなく夕方になってしまった。
夕方、息苦しくなってプチ家出。コンビニで弁当をかって、お茶を買って堤防沿いをひたすら歩いた。真っ暗ななか、富士川が海と出会う場所で夕ご飯を食べていたら自然に涙がでてきた。
帰り道、海岸線で転んで肘と手のひらに怪我。
10時近くに帰宅。母も父も寝ていた。食卓に一人分の食事が用意されていた。
また涙。