Vol.1/足立区『タカラ湯』でオーストラリア人と話したり話さなかったり。

年も暮れる12月29日。コロナウィルスの影響で人出は例年より少ないが、それでも年末年始に向けてやることは尽きない。忙しない人が行き交う様子と賑わいを見せる街が年末の空気感を運んできている。

大学時代の友人である莉奈から「銭湯いこう!私の彼氏オーストラリア人で銭湯行ったことないから喜ぶと思う!」と誘われ彼女の住む北千住へ赴いた。莉奈とその彼氏のジャック(Jack)と里奈の友達の美彩と合流し、歩いてタカラ湯へ。ちなみに、美彩は以前一度会ったことがある、うなぎが嫌いな小学校の先生だ。

私の英語力は大学受験でやったきり。ジャックも日本語はほとんどわからない。さらには普段シャワーの文化だから、ゆっくり湯船に浸かることもない。つまり1時間ジャックとどんな過ごし方をすればいいのか結構不安だったわけで、頼れるのは銭湯が醸し出す独特のコミュニケーション文化だけ。銭湯って不思議で、友達と行っても、何か話さなければと義務感に駆られることもなければ、逆に話そうと思ってもみなかったことを長々と話しているときもある。

詳細は割愛するけど、一緒にこうして入れば大丈夫、と熱湯、水風呂、縁側での休憩を繰り返した。その合間で、描かれている富士山を「Almost Japanese Public bath are painted Mt.Fuji.」と言って説明したり、お互いに話がかみ合ってないよな~なんて思いながらも、縁側で簡単にお互いの仕事の話やひととなりの話をしたりした。(ちなみに銭湯はPublic bathと言うらしい)。あとは地元のおじちゃんも優しくて、「そこは熱いお湯が出てるから気を付けな」「水風呂はもっと浸かってなけりゃ意味がないべ(笑)」なんて声をジャックや私にかけてくれた。実はジャックは「銭湯に入ると物珍しそうに見られないか…」なんて心配をしていたみたいだったから、そういった意味でもとっても嬉しいコミュニケーションだった。

なんだかんだで1時間半ぐらい過ごして、待合室に戻ると、莉奈と美彩がコーヒー牛乳を飲んでいた。正直7割ぐらいは会話が伝わっていない気がしていたので、「色々間違って伝わっているかも(ごめん)」と一言。ただ、莉奈が英語で話して曰く、とっても楽しかったみたい!だそう。「あぁ。これでジャックも銭湯を好きになってくれればいいな。」

次はどんな銭湯に行こう。

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