
山本彩海
NPO法人日本プール利用推進協会 代表理事
フィットネスインストラクター(水中運動専門)
公式サイト:https://japupa.or.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/npo_japupa/
Facebookページ:https://www.facebook.com/NPOJAPUPA/
プールとの出会い
3歳から通い始めたスイミングスクール。
これが、私とプールとの出会いです。
特に自分から通いたいと言った記憶はなく、子供の習い事として人気だったスイミングスクールに通わせようという親の意思で始めたのだと思います。
ぼーっとした性格もあって少しきついプールの先生に怒られることもあり、正直「スイミングスクール大好き!」といった子ではありませんでした。
中学校の途中でやめましたが、高校でなんとなく水泳部に入部。
保健体育科もありスポーツに強く、部内にもインターハイ出場者が毎年いるような高校でした。
「肩の柔らかさ」を買われて専門種目を平泳ぎからバタフライに変更し、夏場は真っ黒に日焼けしながら過ごした3年間でした。
フィットネスクラブ社員時代
「得意」と言えるもの
大学では違うことをしたいと思い、スキー部(アルペン)へ。
プールから雪山へと場所を移しましたが、今振り返ると「個人競技」「スピードを競う」という共通点があったなと思います。
卒業後は数年進路に迷ったのち「自分が人よりも(少しは)得意だと言えるもの」が何か考えた結果、フィットネスクラブのプール専任契約社員として働くことを決めました。
アクアビクスとの出会い
それまで「プール=泳ぐ場所」という認識を変えられた最初の出会いが、この就職先のフィットネスクラブです。
インストラクターがエアロビクスのような動きをプールサイドで行い、プールの中ではたくさんの人(若い方も高齢者の方も)元気に踊っている。
アクアビクスのレッスンに最初に参加した時は、自分より元気に動く60代・70代の方々に驚かされました。
その後社内研修でアクアビクスインストラクターの資格を取得(一度試験に落ちての追試合格…)、アクアビクスのレッスンを担当するようになりました。
フリーランス時代(現在)
数年の勤務ののち、フリーランスとして活動するインストラクターの方のレッスンに憧れを抱くようなります。
挑戦した結果、なんとかいくつかのオーディションに合格。
勤務先にはアルバイトとしての契約に変更してもらい、フリーインストラクターとしてのキャリアがスタートしました。
数年してアクアビクスのレッスン1本で生活していけるようになり、現在に至ります。
このフリーランス時代では、さらにプールの「多様性」に出会いました。
障害者スポーツセンターでの、水中運動のレッスン。
そこでは、車椅子の方も杖できた方も知的障害や視覚障害のある方も、一緒にプールでエクササイズを楽しんでいたのです。
私が知っている「プール」って、実はとっても小さくて限定された世界のものだったのでは?
プールって、もっとたくさんの人を笑顔にできる、とんでもない可能性を秘めたものなんじゃないか?
そんな思いが、自分の中に少しずつ、でも着実に降り積もって行きました。
NPO法人の設立
”外”へ
そう思った私は、自分の働く先以外の水中運動教室を見学しにいくことにしました。研修などで知り合った先生を頼って連絡を取り、お邪魔させていただくようになったのです。
そこでも私は、プールはフィットネスクラブにいらっしゃるような方々以外にも、たくさんの方が必要としている存在だということを実感します。
でも、それを知って私は何がしたいのか?
いちインストラクターとして、自分で教室を開催したい?
フィットネスクラブ以外での仕事を見つけたい?
どちらもありましたし、やりたいとも思ったのですが、私の根元にある思いとは少し違っているような違和感を感じます。
私のように思っている人って、他にはいないのかな?
プールに関わる人だけでは、多くの人に伝わるのに限界があるんじゃないかな?
そんな疑問も、見過ごせないくらい徐々に大きくなっていったのです。
出会い
そんな中、現在活動を共にする理事の2人と出会います。
同年代の2人でしたが、私にはない素晴らしい「得意分野」とプールに対する思い、何よりいろんな角度からプールを見て捉えることのできる「目」を持った2人でした。
きっと私がしたいことって、1人じゃできないこと。
でも、このタイミングでこの2人と出会えるというのは、そうそうないチャンスだ。
直感でそう感じ、3人でNPO法人の設立に向かって動き出しました。
スタート
2020年末にスタートした設立のための話し合いは、たくさんの回数を重ね、たくさんの疑問をぶつけ合いながら2021年9月27日に東京都認証のNPO法人として設立しました。
そして2022年4月、今は9人となった頼もしい仲間を乗せた船が、いよいよ出航の時を迎えました。
これからたくさんの人が一緒に船に乗り、たくさんの風に恵まれて目指す島に辿り着くように。
たくさんの人の思いを感じ、自分の中の原点を忘れずに進んでいきたいと思います。