追悼 女優 島田陽子様との空旅の思い出
先日、女優の島田陽子様の訃報に接し、
心から哀悼の意を表します。
お客様としてお会いしたことがありました。
空港の国際線の出発エリアの途中で会った先輩と
立ち話をしていたところ、
横を通り過ぎていった女性のお客様が
立ち止まって、振り返りながら、
「あら・・・・???どこかしら??」
と、つぶやかれ、
手に持たれている搭乗券をあごのあたりにあてながら
迷われているご様子でした。
その方が島田陽子様だったのです。
周辺の旅客の皆様もざわざわ気づいて
視線が集まり始めそうな雰囲気でしたので
すぐさまかけよって
「どちらへご出発ですか?」
とお声かけし、搭乗券を拝見したところ、
FLIGHT先は違いましたが飛行機は私たちのエアラインでした。
どうやら行き過ぎて突き当りの搭乗口まで来られていたようです。
有名人の方がプライベートで海外旅行へ行かれる時は
誰にも知られていない所で
普通に誰かと会話ができたり
誰の視線も感じずに自由にお買い物ができたり、
お食事ができたり、いつもと違う景色の中で
新しい発見をしたり、静かに身を置いて
リフレッシュされる方が多くいらっしゃいます。
そういうことをお察しして
他の国に到着する前の空旅の間も
できるだけ快適な空間であるように
配慮するよう心がけていました。
その時は口頭で搭乗口の方向をご案内するだけでも
よかったのですが、
周囲のお客様も島田陽子様だということに
気づき始めていて
「写真撮って下さい」「握手して下さい」「サインして下さい」
などのご要望で今にも囲まれそうな雰囲気でしたので
速やかに先輩と両端をはさんで
国際線の長い通路を戻るかたちでご出発の搭乗口まで
雑談しながら一緒にご案内した思い出があります。
立ち止まっていると人が集まりやすいものです。
他の誰かと会話中の時には話しかけにくいものです。
人に囲まれてしまってから、
例えば写真のリクエストにお応えできないとなると
どちらのお客様にとっても苦い思い出になるかもしれません。
なのでそういうシチュエーションになる前に
すみやかに移動して会話をしながらご案内するのも接客術の一つです。
島田陽子様の印象は、横に立ってみると、すらーっと背の高い方で、
お話すると、えくぼがチャーミングな方でした。
話し方や所作がおっとりされていて
ふんわりやわらかなオーラを終始はなたれている方でした。
在りし日のお姿を偲びつつ
ご冥福をお祈りいたします。
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