Ben E. King - Stand By Me / スタンド・バイ・ミー - 1961
スティーブン・キング原作の映画「スタンド・バイ・ミー」のメイン・テーマに使われたせいなのかもしれませんけど、この曲を聞くと、思春期や子供の頃のあの遠い日の、苦くなんとも言えない郷愁に満ちた、思い出を振り返るときの曲って感じですww
そうですね…探偵ごっことか、秘密基地とか作ったあのワクワク感。暴走して、想像から色んなことやらかして、大人に怒られて泣いたりした、そんな「ああ、子供の頃ってそうだったなあ」って感覚を思い出すから。
映画(小説)自体が、そんな少年時代のひと夏の冒険を描いたものですしね。
スティーブン・キングというとホラー作家ですが、珍しくホラーではない作品で、彼自身の少年時代がモデルだったり。
でも、こうした実体験があるからこそ、後のホラー作品があるんだなっていうのも、ものすごく納得出来ちゃうのです。
映画「Stand By Me」1986 予告編
この映画、本当によかったですよ~ まだ見たことないって人がいるなら、ぜひ見て欲しい。兄弟間の葛藤を持っている人ならとくに(男同士の力関係やコンプって奴)。
漫画で言うと、吉田秋生作品の、あの世界観に通じるものがあります。
して、リヴァー・フェニックスよかったなあ…
彼みたいな少年、ああいう役を演じられる俳優は未だいないなあ…グスン。
で、肝心の曲ですね。
映画のために作られた曲ではなくて、既に存在していた曲でして…メイン・テーマに使用されたことで、リバイバル・ヒットと相成りました。
曲は1961年にベン・E・キングが歌ったもので、元歌は黒人霊歌「Lord,Stand by Me」という曲。
Southern Wonders「Lord,Stand by Me」1953
これにインスパイアされて生まれた曲で、以前ここでも取り上げたドリフターズ…(日本のコメディアンでなくてねw)のために書き下ろされた曲でした。
ベンはドリフターズのメンバーでリード・シンガー。1960年にグループを脱退して、この歌をソロとして歌うことになったんす。
ジョン・レノンをはじめとして、ミッキー・ギリーとかもカバーしてますね。もはや永遠のスタンダード・ナンバー。トラディショナルな曲って位置付けかも。
そのくらい、アメリカ人の魂の奥底に染み渡っている曲です。青春のメモリアルソングみたいな?
John Lennon カバー
Mickey Gilley カバー
少しカントリーテイストになってます。
そして本家。
これはリマスター版で、映画公開の後に作られたMV
「Stand By Me」1961
やっぱ本家だなあ…ジョンのも好きですけどねっっ
このベンの声、歌い方、オーケストラの音楽…
すべての調和がいい。懐かしい日々を思い起こさせる甘く懐かしいメロディ。完成度高いです、素晴らしい曲です。
ベンは熱心な信仰を持ち、莫大なヒットから得たお金で、自ら財団を立ち上げて慈善活動を行っていた人でした。
そして5年前に76歳にて、この世を旅立ちました。
ドリフターズ時代の名曲も数多くありましたが、この曲一曲だけでも彼が音楽界に残した功績は大きいです。
でもって、小ネタですが…
「GROOVIN'」1963
「グルーヴィン」というとラスカルズ(あらいぐまではない)の同名曲を思い浮かべる人が多いかと思うのですが・・・
The Young Rascals 「Groovin' 」1967
違いまして…マイナーな曲(シングルカットされてない)なんですが、レッド・ツェッペリンの「ウィアー・ゴナ・グルーヴ」の元ネタとして有名な曲だったりします(ファンの間では)。
「We're Gonna Groove」1970
ペイジはなんだかんだR&Bとか好きで、意外にもロバートはドゥワップ好きなのでした。
ちなみにベンの他の曲も貼っておきます。
「Til I Can't Take It Anymore」1968
「I who have nothing」1963
「That's when it hurts」1964
「Spanish Harlem 」1961
「Don't Play That Song (You Lied)」1962
「Stand By Me」
Ben E King, Al Green, Teddy Pendergrass,
Chuck Jackson, Brian McKnight
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「My Favorites〜音楽のある風景」
2020/12/29 掲載記事より転載