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エビフライが巻き戻す時間


昨日、久しぶりに近くのショッピングモールへ行った。

気分転換と母の買い物の付き添いも兼ねて。


途中、お昼ご飯を食べようと、食堂に入った。

私と母は、同じ定食を注文した。


今月のおすすめ。

エビフライとカキフライの定食。



余談だが、私は、カキフライに目がない。

だけど、昔は、あの苦味や触感が苦手で、全く食べることができなかった。

それが、いつの日か、大好きになってしまっていた。

だから、冬場に、カキフライを目にすると、どうしても食べたくなる。

一方で、エビフライは、昔から今も変わらず、大好きだ。

エビフライを食べる度に、心が躍る。



そんな私は、定食が出来上がるのを心待ちにしていた。


すると、私にとって、とても懐かしい匂いがやってきた。

よく揚がった、エビの香ばしい匂い。


その湯気と香りは、私の時間を一気に巻き戻した。



私が小さい時、親戚で集まった時は、必ず、そこにエビフライがあった。

私は、いとこやはとことで、こぞって、それに群がり、一緒に食べた。


また、エビフライは、祖母の弟(大叔父)の大好物だったから、私の祖母も、以前紹介した大叔母も、よく作っていた。


だから、私が幼い頃は、どこに行っても、エビフライの匂いがしていた。

その匂いには、私の幼い時にあった、楽しかったことも、悲しかったことも詰め込まれていた。



揚げたてのエビフライをかじりながら、あの時を噛み締めた。

思い出の味がした。

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wisteria
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