【ブックレビュー】『名文で学ぶ英語の読み方』北村一真
先日、表紙に関する考察をnoteしていた本書ですが、その後中身も最後まで読み終えたのでレビュー投稿します!
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本書の狙いは、大学受験的な「英文読解(解釈)」から、作品の細部やニュアンスまで味わう「英文鑑賞」への橋渡し。『英文解体新書』や『英語の読み方』シリーズで「リーディング」の重要性・面白さを改めて世に問うた北村一真先生が水先案内人をつとめる。
取り上げる素材はすべて文学作品で、イソップ物語のショートショート的童話を皮切りに、ラフカディオ・ハーンの"Yuki-Onna"、アンブローズ・ビアスの"John Mortonson's Funeral"、そしてジョージ・オーウェルの『動物農場』"Animal Farm"の一部抜粋まで。とかく「最新の英語」であることが称揚されがちなご時世にあって、清々しいほどに古典的なラインナップなのが特徴と言えるだろう。
個人的には邦訳も含めて存在をはじめて知った"John Mortonson's Funeral"(1909)を読む機会が得られたのが貴重だった。以下のYouTubeサイトでは全編の朗読を聴くこともできる。
読後感としては、確かに本書にも言及されているポーの例の作品と比較したくなる怪奇物の雰囲気がある。
また文法・語法に関しては、「ここがわかると面白い!」というクイズコーナーが各所にあって、その中で個人的にはpp101-102に出てくる、
このthatの使い方を初めて知り興味深かった。こんな表現があるのか!
ということで探してみると、このような用例を発見。絵本作家のドクター・スース(Dr. Seuss)の言葉より。
「英文鑑賞」の大海へ向けた助けとなるようなこういった解説が随所にあって、まだ勝手読みへの不安が残る学習者や文法・解釈上の説明の洗練を期す英語指導者には多くの学びと気付きを与えてくれる本となると思う。
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最後に、今Amazon.co.jpで書籍版を注文するとDL特典がメールで届きます。題材はイソップ物語の中の一作品で、関係詞の使い方など本編で出てきた項目の実戦的な復習ができるような教育的配慮がなされています。期日は2024/10/31(木):23:59となっているようですので、特典が気になる方はお早めに!
また以下は私のnoteでこれまで言及してきた北村一真先生関連の投稿になります。良ければ合わせてどうぞ!
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