土曜日の思い出

土曜日は歯の定期メンテナンスで朝一から歯医者さんに行ってきた。午前中の早いうちに用事を済ませれば、休日の残り時間を有効に使える。病院までは徒歩でおよそ二十分、穏やかな春の日差しを浴びながら歩いて行った。三十分ほどで検診は終わり、思惑通り午前中のうちに自宅に帰って来れた。

どこかに出かけるのも良いけれど、ひとまずお昼ごはんを準備する。朝ごはんは、歯医者さんに行く前にオートミールとプロテインで簡単に済ませていたので、スパゲッティを茹でることにした。

卵黄と卵白を分け、卵白は使わないので焼いて先につまみ食い。卵黄にそれと同量程度のモッツァレラチーズを削り、100ミリリットルの牛乳も加え、混ぜておく。挽いた黒胡椒を少々。隠し味にスプーン一杯程度のオレンジジュースを入れてみた。

卵液の準備が整ったら、3×10ミリメートルほどに切ったベーコンをカリカリになるまで炒め、みじん切りにした一片分のニンニクを加える。ニンニクの香りが立ったら、400ミリリットルの水を入れ沸かす。コンソメ、バターも加え、麺を150グラム投入する。麺がくっつかないように、ときどき混ぜながら煮ていく。

鍋の中の水分が僅かになった頃には、麺の茹で上がりが近い。一旦火を止めて鍋の中が落ち着いたら、卵液を加え、再度弱火で火を通していく。焦げ付かないようにゴムベラで鍋底をこそぐように混ぜながら、粘度が出るまで水分を飛ばし、麺にソースを絡める。焦ったいけれど、火を強めてはいけない。この根気良く煮詰める過程がスパゲッティカルボナーラの最大の勘所だからだ。

ソースの粘度がもう少し欲しいかなという所で火を止めて盛り付けに入る。皿に盛って黒胡椒を削ったところで、ちょうど完璧に美味しい状態に仕上がるのだ。今日も非常に美味しくできた。麺だけでも大盛りで満腹に近かったけれど、残ったソースがもったいなくてバケットで拭って食べてしまった。

洗い物を済ませ、食後の珈琲を飲んだ。休日に早起きしたせいか少し疲れた気がしたので、ソファで少し横になる。

気づいたら間も無く夕方だった。