伊月一空の心霊奇話 ーそのいわく付きの品、浄化しますー 第33話
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第2章 死を記憶した鏡11 鏡は見ていた
「やっぱり、こっちの白い花柄のワンピの方がいいかな。でも、これだと気合い入れすぎのような。だったら、デニムのパンツ? いやいや、確かレストランを予約してくれたって言ってたから、いくら何でもラフすぎるか。普通に紺のスカートにブラウス。ちょっと堅苦しいかな。うーん、何着ていけばいいのかしら、どうしよう悩むわ」
うー、と唸って頭を抱えたその時、玄関のチャイムが鳴った。
「はーい」
玄関まで行き、ドアスコープから覗く