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チベット仏教 ラムリム菩提道灯論 アティーシャ

ラムリムアウトラインの重要性

ダグポ・リンポチェ著

悟りに至る精神的な道の内なる悟りを得るには、釈迦の教えを学び、熟考し、瞑想することが必要です。導師は45年間教えを説き、聴衆に合わせて説法を絶えず変えていったため、その教えは非常に広範かつ多岐にわたります。釈迦の言葉すべては言うまでもなく、チベット語に翻訳されたものだけでも、経典やタントラ​​など膨大な説法の集合体であり、そのすべてを習得するにはあまりにも広範すぎます。幸いなことに、ラムリム(道の段階)と呼ばれる論文のカテゴリには、大蔵経全体の真髄が要約され、実践する順序で整理されているため、すぐに使用できます。これらの作品には大蔵経のすべての言葉が含まれているわけではありませんが、その本質的な意味が体現されています。ラムリムを習得するには、その概要またはシノプシス(チベット語で「サプチェイ」)を心に馴染ませることが不可欠です。このような概要は、瞑想に必要なすべての資料を提供するだけでなく、それに従うべき正確な順序も示します。さらに、達成すべき各資質の正確な性質を示し、特定のトピックに関して熟考すべきポイントの正確な数を提供します。ラムリムの概要を徹底的に理解することで、悟りへの道の段階を完全に達成できると期待できます。
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道次第(ラムリム)とは修行道(ラム)の次第(リム)の意味で、チベット仏教の特徴をなす固有の修道論、あるいは一種の教相判釈の形式であり、「仏教として存在するあらゆる教説は、凡夫が仏果を得るまでの修行の階梯のうちに統合される」とする説、またその統合された修行の階梯そのもののことを言う。
具体的には、志の違いから下・世間的な楽しみを求める人天乗、中・自らの解脱のみを求める声聞・縁覚の教え、上・あらゆる生き物のために完全な悟りを求める大乗の三種の人に分ける。帰依、発菩提心、六波羅蜜、止観双運、密教が順に説かれる。その原型はアティーシャの著した『菩提道灯論』に求められ、後にツォンカパ『菩提道次第論』がそれを強調した。同論書はツォンカパの興したゲルク派の根本聖典となり、以後ゲルク学僧に今日でも尊重されている。
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アティーシャ
: Atīśa、: a ti sha〈アティシャ〉、ベンガル語: অতীশ দীপঙ্কর、982年 - 1054年) は主にチベットで活躍したインドヴィクラマシーラ大学僧院長の仏教僧。本名は月蔵、法名燃灯吉祥智: Dīpaṃkaraśrījñāna、ディーパンカラ・シュリージュニャーナ、: mar me mdzad ye shes)。サキャ派コンチョ・ギェルポカギュ派マルパと共にランダルマ王以降衰退していた中央チベット仏教の中興の祖の一人である。ジョウォ・ジェ(jo bo rje)とも呼ばれる。

Wikipedia参照

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『菩提道灯論』 アティーシャ・ディパンカーラ・シュリジュニャーナ
サンスクリット語で ボーディ・パタ・プラディーパ
チベット語で チャンチュプ・ラム・ギ・ドンマ
若き文殊菩薩に礼拝いたします

三世のすべての勝利者たち、その教え、
僧伽に大いなる敬意を持って礼拝いたします
善き弟子チャンチュプ・ウーの請願によって、〔私はここに〕「菩提道灯論(悟りへの道を照らす灯)」を明らかにしよう

下士、中士、上士となる三種類の人たちがあることを理解するべきである
それらの定義を明らかにする個々の分類を書き記そう

何らかの手段によって輪廻の幸せのみを求め、
自分だけの目的を求める者たちが、下士であると知るべきである

この世の幸せに背を向けて、不徳の行ないをやめるという本質を持ち
自分ひとりの寂静の境地のみを求める者が、中士であると知るべきである

自分の心の連続体にある苦しみ〔を認識すること〕によって、
他者のすべての苦しみを完全に滅することを望む者が、
最もすぐれた者(上士)である

無上の悟りを求める聖なる者たちのために、
ラマたちが教えた正しい方便(手段)を説き示そう

完全なる仏陀の絵や像、仏舎利塔、聖なる仏法に向かって
花や線香など、何でも持っている物を供養しなさい

『普賢行(普賢菩薩の行ない)』に述べられている七つの行による供養もして、
悟りの真髄に至るまで決して後ずさりしないという心で
三宝に心から信心し、片膝を地につけて、両手を合わせて合掌し、
最初に帰依の言葉を三回唱えなさい

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