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日本ワイナリー巡り カーブドッチ③見学編【新潟県新潟市】
前回からの続きです。
朝食をたっぷりいただいた後、温泉施設「ヴィネスパ」に行って、本を読んで食休みをしてから、温泉に入ってゆっくり過ごします。
(ヴィネスパはとっても気に入ったので、別記事にします。)
そのうちに、チェックアウトの時間が近づき、部屋に戻って荷物をまとめてからラウンジへ。
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快適でした~♪
「トラヴィーニュ」をチェックアウトし、見学後まで荷物を預かってもらって、ワインショップへ向かいます。
ワインショップのカウンターで、ワイナリーツアーの予約がされていることを確認。
1人あたり1,100円の料金を支払います。
カウンターではテイスティングをされているお客さんも多く、醸造家の掛川さんも説明をされている様子でした。
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ヴィンテージワインセラーも
ワイナリーツアー ~ブドウ畑~
ワイナリーツアー開始時間11:00になると、男性スタッフの方の案内で広場の方へ移動します。
「今日の参加者は21名です。」とのことで、ぞろぞろとついて行きます。
聞こえやすい声で諸々の説明されたあと、「何よりも楽しんでいってください。」とおっしゃいました。
いいですね!楽しみましょう!!
まず、アルバリーニョの畑を見に行きます。
「これで6年目くらいです。よかったら樹も触ってみてください。」とのことで、ざらっとした樹肌を触ってみました。
アルバリーニョの樹、初めて触ったー!
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次に、カベルネ・ソーヴィニヨンの畑に移動。
こちらは、先ほどのアルバリーニョより新芽が少なくて、樹も割れていたり、洞があったりします。
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「創業当時に植えたカベルネ・ソーヴィニヨンです。2つに割れてしまっている樹もあって、上手に育ててあげられてなくて恥ずかしいです。」と、いいことだけ伝えないところも、率直でいいなと思いました。
「これに比べると、アルバリーニョはこの砂地と気候に合った品種です。」
この言葉が、実感を持って感じられます。
そのカベルネ・ソーヴィニヨンも、7月頃には背の高い男性スタッフの背丈くらいまで伸びて、グリーンのカーテンができるとのこと。
そうなった状態も見てみたいです。
隣の区画は、この春に「プティ・ヴェルド」をすべて抜いて、新たに植え替えたとのことでした。
新しい樹は、強い風などから守るために青いシートを丸めて、覆ってあります。
所々にある青い筒も植え替えたあとのようです。
広い畑を植えたり、抜いたりするのも大変ですね。
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所々の青い筒は新しい樹を植えたところ
ワイナリーツアー ~醸造施設~
続いて、ワインの製造過程を説明してもらうため、醸造施設の方へ。
白ワイン、オレンジワイン、ロゼワイン、赤ワインそれぞれの製造方法の違いについてわかりやすく説明を受けます。
収穫されたブドウの除梗をする機械やプレス機などを見つつ、参加者も珍しそうに、「へー。」「うんうん。」などと頷いたりしながら聞いています。
次の工程、ステンレスタンクのあるところへ。
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ステンレスタンクの真ん中あたりのボコボコしたところに、温度を調節する機能があって冷却するとのこと。
2000リットルの他に、3000リットルや1万リットル以上のタンクもあって、ブドウの収穫後のシーズンはフル稼働しているそうです。
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樽熟成させているところへ移動。
「225リットルの樽は何本のワインになるでしょうか。」と言われて、エキスパートの勉強した時に学んだ気がしますが、とっさに思い出せず。
「300本です。」とのこと。
樽の数かける300本のワインができるんですね。
樽熟成は赤ワインが多いですが、白ワインも樽熟成させています。
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そして、樽の種類も色々あるようです。
「Seguin Moreau」「Canton」「Allegro」などを使い分ける時、何を狙って熟成させているのか聞いてみたくなりましたが、出席者も多いので、また後ででも質問してみましょう。
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(「Reg」って何だろう?)
地下のボトル貯蔵庫に行きます。
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ヴィンテージのワインが貯蔵されているところは、「わー!」っという歓声があがります。
美味しそうな雰囲気ですよね~。
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カーブドッチでは結婚式もできて、ここで式を挙げたカップルには、挙式の10年後にワインを届けるというサービスをしているそうで、ワインに日付と名前の入った棚もありました。
動物シリーズの紹介もありました。
醸造家の掛川さんが「趣味に走ったワイン」というフレーズはここでも紹介されていました。
ナチュラルワイン好きな掛川さんが気軽に楽しく飲んでもらいたいと作ったチャーミングなワインが動物シリーズです。
私も4~5種類、試しました。
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例えば、今、ショップでも買える「むささび(上の画像の右端)」は「ブラン・ド・ノワール」のスパークリングワイン。
「ブラン・ド・ノワール」=黒ブドウでつくった白スパークリングワインです。
通常、「ブラン・ド・ノワール」はピノ・ノワールから作られることが多いですが、これはカベルネ・ソーヴィニヨンから作られているとのこと。
ピノ・ノワールよりやや重いので、重たいスパークリングワインから発想して、重たいけど飛ぶ「むささび」が、ラベルになったそうです。
昨日、夕食のスタート時に飲んだ「むささび」はそういう理由で、この名前になったのかと納得。
また、「みつばち」はシュナン・ブランの「シンナーのような香り」が「花粉」の香りに通じることから、花と蜂をラベルにしたそうです。
このように、動物シリーズのワインは、オフフレーバーがあってもいいじゃないかと、それを敢えて楽しもうとするワインですね。
なので、オリを若干残したりしてあります。
毎年必ず作られる訳ではなく、年によって造り方も違ったりするので味わいも変わります。
それでも、このシリーズを楽しみにしている方は多いようで、割とすぐに売り切れになってしまうようです。
あっという間に1時間経過。
ツアーは、ガイドしてくださったスタッフの方への拍手で終了。
初心者の方もわかりやすそうでしたし、私も色々気づきがあったツアーでした。
聞いてみたいこともいくつかありましたが、次のテイスティングなどの予約で、案内してもらったスタッフさんも忙しそうだったので、質問するのはやめておきました。
ワイナリー滞在の感想
見学後、ワイナリーを離れましたが、もっと長く滞在しても楽しめるワイナリーでした。
誤解を恐れずに言うと、それはめちゃめちゃ美味しいワインがあるから滞在したいのではなく、快適な環境・サービスがあって居心地がいいワイナリーだからもっと滞在したいということになります。
ここは角田山が見えて、温泉があって、地域の食があり、それらを提供するスタッフがいる。
プラスアルファでワインがあり、ワイン好きではなくても、素敵な「道の駅」や「ワインテーマパーク」のように楽しめるスポットでした。
醸造家の掛川さんは「最高のワインではなく、ここの風土を表した唯一のワイン」づくりを目指しているとのこと。
この海沿いのエリアらしい、砂地のカラリとした感じ。
それを表現したワインになっているなと実感。
そして、環境を含めてまるごと楽しんでもらうため、接客サービスにも力を入れており、利用者の満足度を高めようと努力している感じがしました。
カーブドッチには、他にも、ソーセージとビールのレストラン、パン屋、アイスクリームショップ、コーヒ―ショップなどもあります。
その間を庭がつないでいます。
庭師の方もいるそうで、広い庭は手入れをされていて、芝生がはられ、花が咲き、新緑の眩しいところでした。
これからは、バラが咲くシーズンだそうです。
また、1つのワイナリーだけでなく、個性のあるワイナリーが数軒集まっているというのも魅力的ですね。
「カーブドッチ」が主宰するワイナリー経営塾の卒業生によるワイナリーが「フェルミエ」を含めて4軒あって、現在、このエリアは「新潟ワインコースト」と呼ばれて注目されています。
カーブドッチ内のマルシェでも、複数のワイナリーのワイン試飲ができるようになっていました。
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左からロゼ、エルヴォルカン アルバリーニョ、夕陽 新潟ピノ・ノワール
「新潟ワインコースト」興味がわきましたか。
ワイン好きな方も、そうでない方も、是非行ってみてください。
次回、番外編で温泉施設も紹介したいと思います。
なお、「カーブドッチ」日本ワイン巡りは、以前のオンライン版で記事にしていたので、日本地図に変化ナシです。
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全3回と長くなりましたが、今回もお読みいただきありがとうございました🍷
▼お礼に、カーブドッチの花々を
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