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ニュージーランドの日本人がつくったワイン

今回は、海外のワインをご紹介したいとおもいます。海外のワインといっても、日本人がつくったワインです。ニュージーランドには日本人によるワイナリーが複数あるのです。

ニュージーランドワインって?

まず、ニュージーランドワインの簡単な歴史と特徴をご紹介します。
ニュージーランドワインが注目されるようになったのは、1980年代に「ソーヴィニヨン・ブラン」、1990年代に「ピノ・ノワール」を代表品種に据えてからだそうです。
1990年代後半には、世界中からワインを造りたい「個人」をニュージーランドへ呼び寄せました。それは大量生産に馴染まない「ピノ・ノワール」造りを進めるためでした。
フランスのブルゴーニュやアメリカのオレゴンなど、先輩産地が積み上げた知見や栽培・醸造技術の蓄積を活用し、この25年間、ニュージーランドワインの生産量は右肩上がりで伸びてきました。
1995年当時のワイナリー数は204社、2017年には677社(そのうち小規模生産者が582社)にまで増えています。
ニュージーランドの人口は489万人、福岡県の人口511万人より少ないのに対して、ワイナリーが約700社もあり、ニュージーランドワインの全販売量の80%が輸出されています。
ただ、輸出先は米国、英国、豪州のトップ3が圧倒的に多いとのことで、コロナ禍で輸出量が減少していることが懸念されます。
(以上、主に日本ソムリエ教会の教本から抜粋。)

ニュージーランドワインはスクリューキャップ普及が99%以上で、環境に配慮した栽培方法をとっているワイナリーも多く、日本のワインづくりの研修先にもなり、日本ワインの進化にも一役買っているようで、私が注目している生産地のひとつです。

以前、ワインエキスパートの勉強中に伺った、四ッ谷三丁目のレストラン「チオリ」のオーナーも、ニュージーランドのワイナリーにいらっしゃったことがあるとのことでした。
(↓ご夫婦でされている、こじんまりとした素敵なお店です。)

設立7年目のワイナリー

そんななか、先日、見つけたワインが、「グリーン ソングス」さんのワインでした。
「GREEN SONGS」は、2014年設立、青森県出身の醸造家「コウヘイ」さんが娘さんのお名前「萌歌」にちなんでつけられた、南島のネルソンにあるワイナリーです。

■グリーン・ソングス アンバー ピノ・グリ2020

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「ピノ・グリ」でつくったオレンジワインで、よく見ると「GREEN SONGS」の「S」の横に、「コウヘイ」という赤いマークがあります。
オレンジワインは、白ブドウを赤ワインのように果皮を果汁にいれたまま発酵させた白ワインの一種です。
このロゼのような色調は、濃いピンク色の「ピノ・グリ」の果皮によるものなのでしょう。「ピノ・グリ」は白ブドウ品種に位置づけられていますが、「ピノ・ノワール(=黒)」と「ピノ・ブラン(=白)」の中間色「グリ(=グレー)」で、淡い藤色から濃いピンク色までバリエーションがあります。

味わいは、ドライな白ワインのニュアンスで、グレープフルーツの香りがして、控えめなタンニンを感じるのがアクセントになっています。見た目の印象ほど、赤い果実の香りは強くありません。
スーパーの鰻(大隅産)と中トロ(長崎産)をメインにした夕食に、とても良く合いました。鰻や中トロの旨味に寄り添いつつ、脂分を穏やかなタンニンが流してくれて、後味も良かったです。
荻窪のワイン専門店「Urara」で3,300円くらいでした。「グリーン ソングス」さんの他の種類も試してみたいです。

オーストラリアとニュージーランドと日本の「虹のかけはし」

さて、2つ目に紹介するワイナリーは、「キムラ セラーズ」です。2009年設立、ソムリエ試験にも出てくる有名ワイナリーで、南島のマールボロというワイン造りの盛んな地域にあります。

■オーバー・ザ・レインボー PF シラーズ 2020

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このワインは「キムラ セラーズ」の木村さんが、オーストラリアのワイナリーと連携してつくったワインで、ラベルのイラストは日本人絵本作家である谷口智則さんによるものだそうです。ニュージーランド・オーストラリア・日本の3ヵ国の架け橋になるようにという意味をこめて「オーバー・ザ・レインボー」という名前にしたそうです。

この「シラーズ」の赤ワインは、ブラックベリーやプラムのような黒い果実の濃い香りがしますが、若いヴィンテージらしいフレッシュさもあり、割とドライな印象で、タンニンも強くなくて飲みやすいです。
干支のラベルということもあり、お正月に開栓しました。合わせたのは、11月のnoteでご紹介した「チキンの赤ワイン煮」です。この時は、お正月らしく、いい赤ワイン(でも、開栓してちょっと長く置いていた)を使って煮込んだので、濃厚リッチなチキン煮込みができましたが、このワインも負けてなくて、良い組合せでした!
こちらも荻窪の「Urara」で購入しました。2千円台とお手頃でした。

このように日本人が海外でつくったワインも、美味しいものが増えてきています。
特に、ブドウの収穫時期が早い南半球は、2020年ヴィンテージのワインが、もう美味しく飲めますし、ニューワールドらしい個性的なワインがあります。
今は夏のニュージーランドやオーストラリアに思いをはせながら、ワインを楽しむのもいいものです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
2月は「勝手にマリアージュ」を書こうと思っています。また来月に。

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