【大内家の野望 新生】 第14話:信濃国進入戦 〜桜洞城の戦い
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メールマガジン『ビジネス発想源 Special』にて約8年、400回にわたって連載し、AmazonのKindleストアで多く電子書籍化もされている、歴史から経営やマーケティングのヒントを学ぶビジネスコンテンツ『歴史発想源』。
今年7月に新発売となったコーエーテクモゲームスの歴史シミュレーションゲーム『信長の野望 新生』を使って、その第1章「大内二代篇」の状況から天下統一を目指す番外篇「大内家の野望 新生」を連載しています。
▼第14話:信濃国進入戦 〜桜洞城の戦い
■織田信長と「能美の戦い」で直接対決
織田家の織田信長を美濃国(岐阜県)から加賀国・能登国(石川県)と追いやっていた大内義尊の大内家は、いよいよ甲斐の虎・武田信玄が率いる武田家と刃を交えることに。「信長の野望」シリーズの武田勢はとにかく強いから、気をつけないと。
武田家の帰雲城(岐阜県白川村)を落としたことで、同盟を組んでいた織田家と武田家の領地は完全に分断したことになった。これでお互いが援軍を呼ぶことは無理になった。じっくりと織田信長を追い詰めることができるぞ。
そして、若殿の大内義尊が自ら鳥越城(石川県白山市)を攻めている時に「合戦可」の表示が。城から飛び出してきた織田信長の部隊との直接対決だ!
前線まで出てきていた織田信長と、能美(石川県能美市)でかち合うことになった。「能美の戦い」の始まりだ。でもこちらは9部隊もいるのに、織田信長は1隊しかいないぞ。
織田信長はわずか566人の1部隊しかいないため、戦略も何もあったものではない。9部隊で19300もいる大内軍は、容赦無く織田信長の首を目掛けて全方向から猛攻。もらったな。
「能美の戦い」は大内軍の圧勝に終わった。織田信長部隊はほぼ壊滅状態で、96騎のみで敗走していった。もはや織田信長に再び雄飛する力はないようだ。
織田信長が敗走したことで、新たに織田家の本拠地となっていた鳥越城もまた、大内軍の手に落ちることに。織田信長は北へと逃れ、ここでもまた多くの織田家の家臣が大内家に投降した。
そんな投降者の中に、「貴方様には見逃された恩義がございます」という美女が。琵琶湖あたりの朽木谷城で、投降しなかった身を解放してあげた巫女城主の望月千代女じゃないか。捕縛した将は殺さずにいると、こうしたメッセージもくれるのね。
鳥越城から敗走した織田信長は、金沢御坊(石川県金沢市)に入っている。ここを落とせば加賀国全域が平定できるぞ。大内義尊が自ら城を攻める。もう織田家攻略は、長尾家の力を借りなくても十分そうだ。そう思っていた時に……。
武田軍の牽制のために長尾景虎の長尾家が北東の葛尾城(長野県坂城町)を攻めてくれていたのだが、長尾景虎自ら、葛尾城を攻め落としてしまった。この場合、城は攻め落とした長尾家ではなく、援軍を要請して城攻めを提案した大内家のものになってしまう。
いやいやいや、葛尾城だけめちゃポツンと飛び地よ。しかも遠くの葛尾城だけを受け渡されても、そこに置く兵も届けられない。そっか、桜洞城(岐阜県下呂市)攻めに大軍を投入したから、防衛のために桜洞城に援軍が行って葛尾城の兵が少なくなっていたのか。こうなったら仕方がない。
葛尾城を守るには、長尾家にその隣の林城(長野県松本市)を攻めてもらって、武田家には葛尾城ではなく林城の守備に兵を回すように仕向けるしかなさそうだ。長尾景虎も「話は分かった」と受け入れてくれた。頼むぞー。
そして、北陸戦線はさらに激闘に。金沢御坊から、織田家の鬼柴田こと柴田勝家が大内義尊の首を狙って出撃してきた。
柴田勝家軍との「尾山の戦い」が開戦だ。金沢市尾山町というと、金沢城の城下である。だが「能美の戦い」の時の織田信長と同じく、柴田勝家も1部隊でしか出撃していない。それほどまでに将が少ないのか。
今回の兵力差は約6倍だが、相手が鬼柴田ということもあり気は抜けない。とはいて、やはり1部隊では何の戦略も出しようがない。挟撃で柴田隊を容赦なく叩き、退き口を徹底的に破壊しておく。
勝負はあっさりついた。今回は柴田勝家軍は1人の兵も残らずに壊滅。完膚なきまで敵軍を叩き潰した。
こうして金沢御坊も大内軍が攻め落とした。織田信長は能登国へと撤退。加賀一国は大内軍のものとなった。ちなみに残念なことに、この金沢御坊を攻めている途中で、織田家との戦争の最初のきっかけとなる暴走をしてくれた龍造寺隆信は戦の最中に討死してしまった。戦死もあるのかこのゲーム……。
■なかなか攻め落とせない、武田軍の桜洞城
織田家は復活の余力がなくなるほどに叩き潰せているが、武田家は厄介だ。山岳地帯の堅城ばかりでなかなか思うように進めない。
遠く離れた飛び地の葛尾城は、武田軍によってあっさりと落とされてしまった。長尾軍に林城を攻めてもらったといっても、武田信玄にはそういう姑息な手はやっぱり通じないか。
しかも、大軍で桜洞城を攻めていたはずなのに、武田軍は領内から軍勢を集めて援軍を送り、いつの間にか押し返されている。戦上手の武田信玄本人も出てきているようだ。桜洞城を落とさないと、信州へのルートが開けないぞ。これはマズイな……。
領土を東へと拡大したことで、今まで遠方すぎて何の交渉もできなかった北条家とも交渉ができるように。武田家と婚姻関係にあって共闘してくれる相手でもないが、後々のためにコツコツと親善を重ね、とりあえず同盟を結んでおくことに。
桜洞城に向かっている大内軍の各隊が、武田信玄本隊に次々に撃退されている。全然桜尾城に辿り着けない。ここで兵を消耗しているようでは、甲信地方の攻略は難しくなるぞ……。
そんな時、林城を攻めてくれていた長尾軍がまたも城を攻め落としてしまった。林城が大内家のものになったが、相変わらず遠い飛び地なので何もできない。
林城だけ飛び地になっているが、葛尾城の時に比べれば少し近い。でも桜洞城を落として通り抜けない限り、林城にたどり着くこともできない。
小早川隆景が、織田家から前田利家を引き抜こうと献策してきた。いやいや、小早川隆景がいくら知略99の知恵者だからと言って、あの前田利家がそんなに簡単に主君の織田信長を裏切るものかね。でも父親の毛利元就も「良案でござるな、おそらく上手くいくかと」とお墨付き。ほんとかよ。
すると、本当に前田利家は投降してきた。引き抜き作戦成功だ。織田信長が次々に本城を落とされ続けていく間に、前田利家クラスの忠臣でさえ引き抜きに応じるほど、各武将の忠誠心は下がりっぱなしのようだ。やっぱり謀略はすごいね。
桜洞城の攻略に難航している中、意外なところから吉報が。同盟勢力である今川家の領地を通過させてもらって攻めていた岩村城が、鈴木佐大夫隊によって落とせた。岩村城は木曽路の入口にあたるから、ここからも信州への侵入ルートができたぞ。牽制のつもりで攻めていただけで落城するとは思っていなかったので、これは嬉しい誤算だ。
そして、いつの間にか大内軍が盛り返していて桜洞城まで到達し、強攻を始めている。武田信玄はどこ行ったのかな。さらに大浦為信が詭計を使い、武田信玄の娘である城主の武田潮に闇うちで手傷を追わせる。桜洞城攻略まで、もう少しか。
そんな時に、飛び地の林城が落ちたという連絡が。武田信玄は桜洞城から離れて、こちらの攻略にかかっていたのだ。さすがは武田信玄だ。しかし武田信玄が離れてくれたからこそ、桜洞城に近づけて城主に傷を負わすこともできたと言えるだろう。このまま何としても桜洞城を落としたい。
武田信玄隊は林城を落としたから桜洞城に戻ってくるかと思ったら、葛尾城攻めに向かうようだ。長尾家に葛尾城や林城を攻めてもらっていたのも、無駄ではなかったんだな。城主の武田潮が負傷中のいまこそ、猛攻だ。
なかなか攻め落とすことができなかった桜洞城を、武田信玄がいないうちに松永久秀隊がついに攻め落とした。やっとだよー。これで信濃国(長野県)に入るルートがようやく確保できた。この要衝は何としてでも死守しなければならない。
信州に入るにはもう一つ、岩村城を落としたから天竜川ルートもある。同盟中の今川家の領地をズカズカと通らせてもらうことになるが、松尾城(長野県飯田市)に向けて兵を進める。2万以上の兵を向ければ、武田軍も主力をこっちに向けてくるかな。
ところが武田信玄本隊は、隙あらば大内家の所領を攻めてくる。うっかりしていると、さっき落としたばかりの桜洞城を取り返されてしまうぞ。油断できない。
■織田信長を能登国に追い詰めていく
懲りずに長尾景虎に林城を攻めてもらう。外へと攻めようとする武田信玄も、背後を脅かされれば攻め広げている場合ではあるまい。案の定、武田信玄は桜洞城への進軍を諦めて林城救援に向かった。チャンスだ。
武田信玄が林城救援に向かって木曽福島城(長野県木曽町)から離れている隙に、大内義尊や諸将は桜洞城から木曽福島城へこっそり進軍。ここの城主は武田信玄の息子で猛将である諏訪勝頼(後の武田勝頼)だ。松永久秀が闇討ちの謀略で諏訪勝頼を負傷させる。よし、ここで決着だ。
さらに美濃国や紀伊半島などからも兵を集めて、総勢5万の兵力で木曽福島城へ向けて進軍。これだけ集まれば、さすがに武田信玄が救援に来たところで力押しでいけるだろう。
信濃国の西の入口にあたる木曽福島城へは、桜洞城からの長峰峠越えルートと、岩村城からの木曽川沿いルートの2つがある。岩村城を先に落としていたのはラッキーだった。さらに松尾城も林城も攻めていることもあって、武田軍は本国の甲斐国(山梨県)から兵を回すも、各方面に分散してしまっている。念のため攻めていた作戦が、良い形で効いているぞ。
北陸戦線だが、金沢御坊から敗走した織田信長が新たに入って本拠となっていた七尾城(石川県七尾市)をも大内軍が攻め落とした。かなりの防御力を誇る城のはずだが、織田軍に抵抗する力はもうないと見える。
織田信長の城はもはや能登半島の先っぽの松波城(石川県能登町)ただ一つ。佐渡への航路もあるが、佐渡を持つ長尾家が許しはしないだろう。すると松平元康が「余力の残る部隊を集め、松波城などを攻めてみては?」と容赦ない進言。よし、分かった。
松波城を守る織田軍の兵力は1229しかないようだ。七尾城を攻め取った本願寺顕如隊、弘中方明隊は数百程度しかいないが、加賀国に控える小早川隆景隊や島津義久隊などと合わせ、8500の兵力で攻め込むことにしよう。織田信長との戦いも、きっとこれが最後だ。気合い入れて攻めよう!
(第15話へつづく)
【武将名鑑】(14)吉弘鎮理(よしひろ しげまさ)
豊前国の戦国大名・大友氏の家臣。智勇兼備の歴戦の名将で、筑後国の名跡・高橋氏を継いで名を高橋紹運と改める。岩屋城でわずか763名の城兵と共に、島津軍5万の大軍を阻んで九州統一の野望を阻止した。息子の統虎は立花道雪の養子となって、柳河藩初代藩主の立花宗茂となる。
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