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「捨ててもいいけど、あっても困らないから捨てない」という微妙な立ち位置
いま、テレビをつけたら安達祐実さんが出ているドラマが放送されていた。
それを見て思い出した。数年前、私が毎週楽しみにしていたドラマの1つに「捨ててよ、安達さん。」というのがあった。
このドラマ、安達祐実さんは「安達祐実」というご本人役で出演する。
第1話、とあるライフスタイル雑誌の企画で、“毎号私物を一つ整理してほしい”という企画の依頼が安達さんにやってくる。渋々企画を受けた安達さんは、毎週家の中で「捨てるもの」を探す、というのがざっくりしたストーリー。
ただ面白いのが、安達さんが「これ捨てようかな~」と決めて、その日に眠りにつくと、夢に「これ捨てようかな~」と決めたものがちが擬人化して、毎話出てくるというところ。そして、擬人化した“捨てるもの”たちが安達さんに向かって言うのだ。
「捨ててよ、安達さん」と。
例えば第1話、自身がかつて出演して焼き増しされた古いDVDを「捨てようかな~」と決めたところ、夢に古いDVD擬人化役として貫地谷しほりさんが登場する。そして言う。
「捨ててよ、安達さん!」と。
捨ててほしいものたちは、それぞれいろんな想いを抱えている。
「ずっと埃を被っていて、数年日の目を見ていない」「安達さん、私のこと同情で捨ててませんよね?」「片付けるのが面倒で、私のことを見ないフリしてますよね..…」「ところで安達さんは、この1年間で私のことを何度思い出しましたか?」彼ら、彼女らは、そう安達さんに詰め寄る。
そのたびに安達さんも「大切な思い出がある」「いつか役に立つ日があるはず」「あなたを捨てたらあの人との繋がりがなくなってしまう」「なくてもいいけど、あると安心だから」「年に1回は使うから」と、いろいろな理由をつけて捨てることを渋る。
ドラマを見たあと、自分の部屋を見渡すとまさに私の部屋も「捨ててもいいけど、あっても困らないから捨てない」という微妙な立ち位置のものであふれていることに気がつく。
もし、夢に出てきたらきっと私は彼ら・彼女らに言われるだろう。
「捨ててよ、たなべさん」と。
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